2002年01月30日
山の手事情社[カタログ・シリーズVol.7]「ぴん2002」青山円形劇場01/23-27
山の手事情社、初見です。
でも本公演ではないんですよね。
役者さんが『ぴん(たった一人)』で舞台に立ってネタを披露するというシリーズの第7回目。
皆様、芸達者だなーと思いました。ほんと。心底。
役者って与えられたセリフを読んだり、演出家に言われた通りに動いたりするだけではなくて自分で脚本を作らなきゃだめなんですよね。起承転結を作って作品に仕上げなきゃだめなんですよね。365日、24時間営業なんだなーと思いました。
山の手事情社での役者の稽古の方法を披露してくださったということでも私にとっては非常に有意義な時間でした。
ただ、思いっきりブサイクな顔とかは見苦しいと感じました。
劇団山の手事情社HP : http://www.yamanote-j.org/
2002年01月13日
新国立劇場演劇『かもめ』新国立劇場01/11-29
「チェーホフ・魂の仕事」シリーズの記念すべき第1段の初日。
劇団M.O.P.の座長マキノノゾミさんの演出です。NHKのドラマの脚本などでも大活躍の人ですね。
☆ひとことものろーぐ:「かもめ」初日報告
update: 2002.01.12 (Sat)
私がかねてからお薦めしておりましたマキノノゾミ演出「かもめ」@新国立劇場を観てまいりました。
なんか肩透かし・・・・。
役者を楽しむには十分足りるのですが作品自体に期待しても残念ながら報われない可能性大です。
☆ここからレビューです。
ほんのちょっとネタバレします。
すっごく期待していって、中盤までは引き込まれて、そして終わったら・・・残念ながら『がっかり』でした。それも憤りを覚えるほど。なんか『肩透かし』という言葉がぴったりなんですよね。
まず開演前、舞台装置のアーティスティックな空間にすっごく期待させられた後、2人の役者のおしゃべりで始まるオープニングがあまりに未熟なため気持ちはどん底&ハラハラ。中盤までにベテラン俳優のバックアップでなんとか持ち直したのですが結果的には役者の未熟な演技と陳腐なTV的演出で自滅・・・。
初日だと言うのに「カーテンコールが起こらないかも!?」というぐらい小さな拍手でした。演劇評論家や演劇通のうるさいお客様が多かったのかもしれませんが。それにしても寒かった。
ラストのあの路傍の花へのスポットは何なんでしょうねー・・・ダサイよ。悲しいよ。
そしてニーナ(田中里美)の演技。あんなにバカっぽくてガキっぽいニーナなんて・・・ありえないよ。
アルカージナ(大女優)とトリゴーリン(小説家)との言い合いのシーンなんて独白&顔スポットですよ!そんなの・・・・誰がどう考えてもヘンだよ!!
ま、満足すべきは個々の役者さんの活躍ですね。私の大本命の三田和代さん(アルカージナ)、ブラボーーーッッ!!セリフを言っているだけで涙がぼろぼろ。あぁ、貴方のおかげで芝居を観てます!
そしてそのトレープレフ(大女優の息子)役の北村有起哉さん、キュートで卒倒♪♪またまたお気に入り男優を発見してしまいました。
シリーズ/チェーホフ・魂の仕事 Vol.1 "The Seagull"
出演=田中美里/北村有起哉/益岡徹/三田和代/鶴田忍/坂本あきら/塩田朋子/山野史人/洪仁順/奥田達士/なべきよしお
作=アントン・チェーホフ 英訳=マイケル・フレイン 翻訳=小田島雄志 演出=マキノノゾミ 美術=堀尾幸男 照明=中川隆一 衣裳=三大寺志保美 音響=堂岡俊弘 ヘアメイク=林裕子 演出助手=豊田めぐみ 舞台監督=菅野将機
新国立劇場HP : http://www.nntt.jac.go.jp/
2002年01月06日
reset-N『Visions of Tokyo』シアタートラム01/05-07
しのぶいちおしのreset-N(リセット・エヌ)の新作。とうとうシアタートラム!
いやー・・・新年早々シビれましたねぇ・・・・。芯(しん)があるんです。髄(ずい)があるんです。夏井孝裕さんの脚本には。そう。私は叱咤激励されて身を震わせて泣いたのです。自分の人生を振り返り、今の自分を確認し、これからの人生の指針に含めたい。
制作さんもおっしゃっていましたが、今回は今までとはちょっと違った感じでしたね。男性4人芝居ということで、女性が出てない影響がやっぱり大きいです。看板女優の町田カナさんが出てらっしゃらなくて残念。
reset-Nといえば、歪んだ愛(ハードSMという形式を取ること多々)を描くことによって人間の心の奥底にある生の感情を、美しく残酷にあぶりだす・・・というようなスタイルが主流だったと思うのですが、今回は違いました。赤裸々で直接的なメッセージを投げかけていた、というか、直球でズバっと飛んできました。
ストーリーやセリフの方に、より心を奪われていたせいかもしれませんが、いつもなら目頭に残って消えてくれないほど印象的なシーン、たとえば音響きっかけだけで胸がいっぱりになったりするような瞬間は残念ながら今回は少なかったですね。ラストはさすがにビリビリ来ましたけど♪
あの緊張感の継続の中に、演技的に難易度の高い笑いがたくさんあったことには感服です。
初日ゆえか、最初の30分ぐらいは固さを感じましたが、役者さん、皆さん本当に上手いです。4人全員のファンになっちゃいます。
私が肩を震わせ、全身をこわばらせずにいられなかったセリフたち。
「君はいい人でいようと思っていながら結局会社の都合でしか動いてないマシンだから、人間のフリしないでマシンらしくしててよ・・・。」
「死んでる奴に死ぬなって言われると腹立つくんだよ。」
(脚本より抜粋。劇場受付で1冊1000円で販売しています。)
当日パンフレットの夏井さんの前書き、真摯に受け止めます。
『この身が滅びても芸術がこの地球上に栄えているように、そのために私達は体を捧げています。』
あー・・・私も生きなければ。責任を感じて。
reset-N : http://www.reset-n.org/
2002年01月03日
2001年しのぶの観劇ベストテン
さて、2001年の締めくくり・・・・♪
勝手極まりない「2001年しのびゅの観劇ベスト10」の発表です!
今年は悩みに悩んだ結果、ベスト10以外に数個、部門を設けました。
特に勇気が要ったのは小劇場部門(3作品選出)を設けたこと。スポンサーがついていたり、大手のプロデュース公演だったりするものと同じ土俵に上げることは不可能だとの判断よりです。小劇場を愛する者の苦渋の決断です。どうぞお許しを・・・。
216本の中から無理やり選んだ10本強。
さぁ、いってみよっっ!
■芝居■
①大人計画「エロスの果て」本多劇場3/14-4/1
②永井 愛 作・演出「こんにちは、母さん」新国立劇場 小劇場3/12-31
③井上ひさし 作「夢の裂け目」新国立劇場 小劇場5/8-30
④福島三郎 作・演出「LOVER SOUL」シアタートップス
⑤コクーン歌舞伎「三人吉三」シアターコクーン6/5-27
⑥木山事務所公演「假名手本ハムレット」俳優座劇場3/2-6
⑦井上ひさし作・演出「紙屋町さくらホテル」新国立劇場 中劇場4/4-25
⑧ひょうご舞台芸術「プルーフ/証明」紀伊国屋サザンシアター6/7-17
⑨ピーター・ブルック演出「ハムレットの悲劇」世田谷パブリックシアター6/23-7/3
⑩reset-N「キリエ」スフィアメックス6/7-10
※次点 荻野アンナ 脚本・宮田慶子 演出「美女で野獣」新国立劇場12/10-27
■演出■
鴻上尚史 演出「ウィンザーの陽気な女房たち」彩の国さいたま芸術劇場小ホール5/11-27
※次点 ク・ナウカ「トリスタンとイゾルデ」青山円形劇場10/12-18
■男優■
野田秀樹
(NODA MAP スペシャル・ステージ「2001人芝居」スパイラル・ホール2/3-28)
■女優■
阿部聡子(青年団)
(ポかリセット「煙の行方」駒場アゴラ劇場9/5-12
第一話目(夏井孝裕 脚本)での和服女性役)
■舞台(装置・美術・照明)■
蜷川幸雄 演出・大竹しのぶ&唐沢寿明 出演 「マクベス」シアターコクーン3/30-4/30
※次点 ひょうご舞台芸術「ペギーからお電話?」博品館劇場11/29-12/9
■脚本■
チェーホフ演劇祭「はぐらかされた わが幸せ」シアターX 11/21-27
●コメディー●
陣内孝則 主演「おばかさんの夕食会」世田谷パブリックシアター9/21-30
●オペラ●
小澤征爾オペラ・プロジェクトⅡ「コジ・ファン・トゥッテ」東京文化会館4/9-11
●話題●
太陽劇団「堤防の上の鼓手」新国立劇場 中劇場9/7-22
★小劇場系(3作品 劇団名あいうえお順)★
げんこつ団vol.22「真空ドリル」下北沢駅前劇場5/31-6/3
bird's-eye view「Package」三鷹市芸術文化センター10/19-21
ロリータ男爵「タナベさんが火を出した」下北沢駅前劇場6/20-24
※次点 演劇屋バンソウコウ3「re:set」中野ザ・ポケット2/7-12
注 : ひとつの作品が複数の部門に選ばれることがないように選出されています。
団体、個人等についての表記は敬称略です。