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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2000年07月08日

新国立劇場『夜への長い旅路』05/11-31新国立劇場 小劇場

 津嘉山正種、三田和代、段田安則などの大ベテラン役者ばかりのストレート・プレイ。演出は栗山民夫さんで、照明も舞台美術も重厚で芸術的。特に照明が素晴らしく、朝焼け、海辺、潮の香りまでも表現し切っていました。

 ある幸せなはずの家族の狂気と崩壊。脚本はピューリッツァー賞受賞作品で、セリフもストーリーも絶品。でも、なんと言っても役者が素晴らしかった。ひとつひとつの言葉に命を感じました。プロの世界を見せ付けられました。客席からも「ブラボー!」の声がかかりました。

 プログラムに載っていた三田和代さんのインタビューの「演じるのではなく、そこに『いる』ことが大切で、唯一のことです。」という言葉に体がしびれました。「完敗だ」と思いました。芸術の道は厳しいなと、今さらながら再認識しました。

脚本:ユージン・オニール "Long Day's Journey into Night"
演目:「夜への長い旅路」
劇場:新国立劇場 小劇場
日程:2000年5月11日~5月31日(東京)
値段:5250円/A席

出演=津嘉山正種/三田和代/野々村のん/浅野和之/段田安則
作 :ユージン・オニール 翻訳 :沼澤洽治 演出 :栗山民也 美術 :堀尾幸男 照明 :勝柴次朗 音響 :深川定次 衣裳 :宮本宣子 演出助手 :豊田めぐみ 舞台監督 :田中伸幸 企画 :渡辺浩子 主催 :新国立劇場
公演ページ:http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/play/1999%7E2000/yoruhe/yoruhe.html

Posted by shinobu at 2000年07月08日 12:03 | TrackBack (0)