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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年03月25日

新国立劇場演劇 永井愛 作・演出『こんにちは、母さん』新国立劇場 小劇場3/12-31

 何度となく涙が溢れて、流れて、落ちました。
 特定のセリフやストーリーがきっかけなのではなくて、突然泣けてくるのです。もしかすると、私は癒されたのかもしれません。心の痛みを全て受け入れて許してくれたからかもしれません。舞台写真はこちら

 働き盛りの40代の息子が70代の母親の家に帰ってくると、そこには母親の恋人がいた。離婚、リストラ、ボランティア、外国人留学生、高齢者の一人暮らし・・・など、現代のトピックが盛り沢山。「身近で知っているはずの人間と改めて出会うドラマである。」と、パンフレットにありました。的確にこのお芝居のテーマを言い表していると思います。

 脚本が凄かったです。平易なセリフの掛け合いの奥に深い意味と愛情が込められていて。日常にぴったりフィットしていて、あらゆるエピソードが自分の身に覚えがあるような。それでいてちゃんとドラマティックで。

 永井 愛さんはニ兎社(にとしゃ)という劇団の主宰の方で、岸田國士戯曲賞、読売文学賞、読売演劇大賞など、多くの賞を受賞されています。
 さっそく、永井さんの他の作品の戯曲本を買い込んでしまいました。

出演=加藤治子/平田満/大西多摩恵/田岡美也子/橘雪子/酒向芳/小山萌子/杉浦直樹
作・演出=永井愛 美術=大田創 照明=中川隆一 音響=市来邦比古 衣裳=竹原典子 演出助手=黒岩亮 舞台監督=澁谷壽久
ニ兎社HP : http://www.nitosha.net/
新国立劇場HP : http://www.nntt.jac.go.jp/

Posted by shinobu at 2001年03月25日 21:18