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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年12月18日

新国立劇場演劇『美女で野獣』12/10-27新国立劇場小劇場

 松本明子さん(バラエティー番組でおなじみ)が主演の、コンビニを舞台にしたお芝居です。・・・こんな言い方をすると商業演劇のように聞こえますが、テーマは「現代人の孤独」かな。芥川賞受賞作家(ずいぶん昔?)の荻野アンナさん脚本で、宮田慶子さん演出です。

 とりあえずあのチラシの写真は唐突でしたよねー。コンビニの前に一般人がわらわらと居る図。新国立劇場でやる芝居のビジュアルじゃないよ~と思ったら、実はアラーキー氏撮影なんです。なるほど、こりゃタダモンじゃない・・・かな、と。

 演出が巧い!あまりの唐突さ(勇敢さ)にほけーっとしちゃうほど!!舞台もすごい!リアルなコンビニのセットに技術が詰め込まれてる!!照明もイカす!現実世界と夢のハザマ、まさに舞台でしか表現できない、目の前で披露される魔法!!

 とにかく目からうろこというか・・・新しい、と思いました。ストーリーに、というよりは展開にドキドキしちゃうんです。もしかすると演劇の『TV的な』やり方なのかもしれません。生放送でコントをしている感じにも似てましたし。でもしっかりとしたお芝居です。演劇なんです。

 仕事も充実してきて給料も良い。男もいないわけじゃない。だけど、とことん寂しい。美女でありながら野獣であるとも言える、そんな現代のキャリア・ウーマン像。ありがちな設定&環境ですよね。そこに荻野流の解決(?)策。あぁ・・・思い出すだけでも顔がにやけてきて・・・でも眉は下がり気味で・・・。困っちゃう(泣笑)。

 松本明子さん、しばしばネタっぽい演技がありましたが上手いからOK!歌がお上手です。彼女の歌&声だけは本当にはっきりと聞こえてきて嬉しかった。心をお客様に伝えられる役者さんですね。
 大沢健さん、いつも通り素晴らしかった。怒っても泣いてもキュート。在りかたが素直なんですよねー。大好きです。

 人によって本当に好みは分かれると思います。が、もしお時間があれば味見するのも良いか、と。ちょっぴり刺激的かもしれませんが(笑)。

 ここからネタバレします。

 人がゴミ箱になるのが凄い。そしてゴミ箱姿で歌って踊るのがさらに凄い。

作:荻野アンナ 演出:宮田慶子
新国立劇場 : http://www.nntt.jac.go.jp/

Posted by shinobu at 2001年12月18日 21:22 | TrackBack (0)