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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年04月02日

三上博史 主演『青ひげ公の城』03/28-04/17パルコ劇場

 寺山修司没後20年、パルコ劇場30周年記念公演だそうです。パルコ劇場はもともとは西武劇場という名前で寺山修司さん率いる演劇実験室◎天井桟敷の作品を上演していたんですね。寺山さんは1983年、同劇場で上演予定だった『毛皮のマリー』の稽古中に病死されたそうです。

 『青ひげ公の城』は劇中劇の中にさらに劇中劇がある感じです。「魔術音楽劇」というコピーがぴったり。本当にマジックもありましたし(笑)。どきどきわくわくしたな~・・・・ちょっと長かったけど。

 三上博史さん、荻野目慶子さん、秋山菜津子さん、河原雅彦さん、佐藤誓さん・・という豪華キャストですが、そのキャストがそれぞれ別々に目立つのではなく、舞台が、演出が、際立って一つの作品になっています。残酷でおどろおどろしいのに、ポエティックに愛があふれています。知的刺激もいっぱい。あぁ満喫。

 マッチを使う光の効果はJ.A.シーザーさん特有の演出ですよね。スピード感とスリルがあってとにかく楽しいです。また、シーザーさんの音楽はお化け屋敷のからくりのようで、その存在は重大です。音としては暴力的なんだけれど始まる瞬間やメロディーが観客に優しいので平気でした。

 蘭香レアさんの踊りが最高にきれいでした・・・うっとり。久しぶりにダンスの演出に感動しましたね。これを観られただけで満足と言えるほどです。水底に沈んでいる妃というイメージにぴったり。衣装もものすごく合ってました。衣装はNODA MAP公演でおなじみのひびのこづえさんの立体的デザイン。魅惑的です。

 三上博史さん。天井桟敷に実際に居た方ですしカラーがぴったり。やっぱりスターって美しい。
 主役の第7の妻はオーディションで選ばれた藤岡杏さんという若い女の子だったのですが やっぱりちょっと役不足というか。棒読みですし。でも言葉が真っすぐに伝わってきたのは素晴しかったです。
 江本純子さん(毛皮族)。少ない出番でしたが堂々と立つ、歩く、止まる姿がかっこ良かった。私もとうとう毛皮族を観に行くことになるのでしょう。

 また寺山修司本を買ってしまいました。当日パンフレットも内容充実。

パルコ劇場 : http://www.parco-city.co.jp/play/

Posted by shinobu at 2003年04月02日 16:50 | TrackBack (0)