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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年01月08日

シベリア少女鉄道『ウォッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』1/7-12下北沢駅前劇場

 演劇界全体で話題の劇団です。作・演出の土屋亮一さんの“独特の”センスが堪能できます。
 今回も口あんぐり(笑)。好みがわかれるかもしれませんが、私はすっごく楽しかったしクライマックスではちゃんと泣かせていただきました。ふふふ。
 駅前劇場にあんなにお客様が入っていたのを初めて見ました。物理的にそう見える状態だったので・・・。
 以下、少々ネタバレしています。何を書いてもネタバレになっちゃうので!
 ※前売りは完売です。当日券はかなり並んでいるようでしたが、ちゃんと出ていました。

 舞台は昭和25年の日本。ある美しい女性と真面目な好青年の普通の純愛の物語・・・のはずが、最後はド派手な演出でストーリーと手段がごちゃまぜになり、どう楽しんでいいのかわからなくなります。いえ、これは自分の楽しいと感じることを自由に楽しめばいいのでしょう。踊ってもよし、首を振ってもよし(笑)。

 最初のうちはだらだらと長いなーと思っても、いつものぶっ潰しパターンが始まったらもうびっくり仰天でノンストップです。その落差と程度のはなはだしさが、心をむずがゆくします。大人計画のお芝居でよく感じるのですが、何事もある飽和点を超えると笑うしかなくなるんですよね。笑うのでなければ驚いて思考停止するとか。
 あの映像と音楽とセリフと演技との組み合わせを、せこせこと考えてみんなで稽古して、まんまと実現してしまったことに大拍手です。あっけに取られて、我を忘れて、思わず吹き出してしまう、日常をヒョイっと飛び越える瞬間をありがとう!

 作・演出の土屋亮一さんが出てらっしゃらなくて残念でした。あの、ものすごい照明オペとかされてたのかしら。まさかね(笑)。
 秋澤弥里さん。堂々主演女優さんでした。あまりに可愛くて追っかけとか居そう。ラストはお見事。
 横溝茂雄さん。製薬会社の部長役。この人が私にとってのシベリア少女鉄道の顔。応援したい。
 吉田友則さん。ヤな院長役。うまいなー。見つめてしまう。こっそり笑ってしまう。
 染谷景子さん。妹役。出番が少なくて残念。ダンスも歌もお上手でキュートです。

 次回は5月にTHEATER/TOPSだそうです。ものすごい快進撃ですね。トップスがどうなってしまうのかが楽しみです。

 シベリア少女鉄道 : http://www.siberia.jp/

Posted by shinobu at 2004年01月08日 23:32