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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年02月01日

Sun's PROJECT『バンク・バン・レッスン』01/27-2/3新宿御苑・サンモールスタジオ

 劇団ショーマは1982年旗揚げの劇団です。小劇場演劇の傑作作品を沢山生み出して来られました。今回は主宰の高橋いさをさん、ご本人の演出で『バンク・バン・レッスン』を上演。色々な劇団で上演されている演目の本物登場というわけですね。
 私も学生時代に『ボクサァ』を上演(スタッフとして参加)させていただいたことがあります。

 劇団ショーマHP内 劇団略歴にあるとおり、この作品は「登場人物たちが芝居を演じるうちに現実と虚構のパラドックスにはまり込んでいく様を描いたもの」でした。

 残念ながら私には合いませんでしたね。役者さんの生々しい演技とか、紋切り型のセリフづかいとか、音楽がずーっと鳴っていることとか。「登場人物たちが芝居を演じる」という展開になるのにムリを感じたことが一番つらかったです。

 最初の1時間はつらいまま過ぎてしまったのですが、「女銀行員(南口奈々絵)が実は黒幕だった」という展開でパっと舞台が引き締まり、それから最後までは集中して観ていられました。虚構の世界での出来事がどんどんとエスカレートしていき、最高のテンションに至ってから現実に戻って来るのですが、現実の世界からそれまでに皆で作り上げた虚構を振り返る時のすがすがしさは、どんなことにも当てはまる気がしました。

 人間の脳が成し遂げる、想像と現実との超高速フィードバックこそが、人間の無限の可能性なのではないでしょうか。何も無い舞台上で、役者の力だけでそれを表現することが、劇団ショーマの偉業なのではないかと思いました。

 山本満太さん(劇団ショーマ)が昔演じられた役を今回も演じられているそうです。体型が全然違うらしいですが、信託銀行支店長役としては貫禄があって良かったですよね。「パン!パン!」とピストルを撃つ音を連呼されるシーンはすごかったです。

作・演出 高橋いさを
出演:山本満太(劇団ショーマ)・加治木均(絶対王様)・南口奈々絵(劇団ショーマ)・藤岡豊・今里真(サッカリン・サーカス)・松本真・菅泰則・桜木さやか(聖ルドビコ学園)
照明:紀大輔(六工房) 音響:小笠原康雅(OFFICE myon) 舞台監督:宮脇良太 宣伝美術:沓掛章子 制作:サンモールスタジオ 企画制作:佐山泰三

劇団ショーマ : http://www.interq.or.jp/kanto/fumi/showma/

Posted by shinobu at 2004年02月01日 15:27