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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年02月07日

JACROW『きんぎょ』02/5-8中野MOMO

 JACROW(ジャクロウ)は中村暢明さんお一人で立ち上げた完全プロデュース方式の演劇プロジェクトです。今回は私が制作をしているRel-ay(リレイ)の役者、永野麻由美が出演させていただきました。

 とあるアパートの2階の部屋が舞台。スーパーマーケットのバックヤードで働く5人の男の子たちが同居してます。「振られちゃったけど、あきらめられない。君は僕のことを知らなさ過ぎる。だから、君を誘拐したんだ・・・。」

 素朴なテイストのブラックジョークが淡々と続き、無垢な少年達の物語はちょっとずつ危険な方向へ進みます。細かい性格描写やすっとんきょうな展開など色んな仕掛けがある脚本にしては、全体的に舞台の演出が静か過ぎたんじゃないかと思いました。

 ネタバレします。

 照明が寂しかったです。アイコちゃん(レジの女:永野麻由美)捕獲ストップモーションはストロボだとかっこ良い気がするし、時間を“巻き戻して早送りする”アイデアがすっごく素敵なので、もっと大胆な遊びがあっても良かったんじゃないかなー。ヒロインが突然カラオケ状態になり、そこにムーディーダンスとイメージ映像が同時に起こるオープニングは、パカパカ、テカテカするようなド派手な色彩が欲しかったです。

 音響は意図通りに表現できていない印象でした。ストーリー・テラーの少年の独白が録音で流れるのですが、ノイズが気になりました。また、音楽を流す直前の間(ま)とかスイッチを入れる瞬間とかが観客に伝わってしまっていた気がします。特徴のある音楽が沢山かかりましたので、もったいなかったです。浜崎あゆみの曲がかかるのは奇妙な感覚でしたね~。お芝居ではなかなか聞かないですし(笑)。かなりのポイントでした。

 5人の男の子たちの妙な仲良し度と純粋さが拉致・監禁とミスマッチなので、良い意味でストーリーに掴みどころがないんですよね。アンバランスなのは好みです。彼らのダサさとかクサさとかの、さぶ~い感じを笑いに持っていくのは楽しかったです。

 ラスト近く、社長(西村晋介)が部屋から出て行った後、アユミちゃん(不倫している女:金崎敬江)とトモヤ君(ストーリーテラー:川上冠仁)が二人で話すシーンが良かった。何もかもが終わってやっと本音で話せた二人の、リラックスした演技がすがすがしかったです。

作・演出;中村暢明
キャスト:金崎敬江(bird's-eye view) 勢登健雄(トラブ6) 川上冠仁(Attic Theater) 永野麻由美(Rel-ay) 香川亮(air:man) 西村晋介 吉永隆之 湯田昌次 洪明花 太田恭輔(ブラボーカンパニー)
スタッフ 舞台美術;伊藤秀男 照明;清水朋久 音響;上野雅 映像;佐原美穂 振付;香川亮・金崎敬江 衣装;中西瑞美 小道具 村田真紀 宣伝美術;水沼勇一 舞台監督;杉江聡 舞台監督補;亀川朝子(ベターポーヅ) 制作;JACROW 制作協力;吉野礼・浅見絵梨子(演為)

ジャクロウ : http://www013.upp.so-net.ne.jp/jacrow/

Posted by shinobu at 2004年02月07日 01:17