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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年02月18日

Ort-d.d + こふく劇場『so bad year』02/17, 18東京芸術劇場 小ホール1

 東京国際芸術祭リージョナルシアターシリーズのフリンジ企画です。このフリンジ企画って今年が初めての試みだそうです。

 Ort-d.d(オルト・ディーディー)はUBU7という企画内の『一人芝居★ユビュ王』しか見たこと無かったので、本公演としては初見です。こふく劇場は宮崎県で活動する劇団でして、これまた初見。演出の倉迫康史さんがアレンジされた横浜STスポットでの『ラ・ロンド』がすごく面白かったので期待して伺いました。

 妻を捨てて妻の妹とかけおちした男。2人の平穏な生活が1年続いたが、突然、男の妹がやってきた。交錯する3人の会話。

 うーむ・・・難しかったですぅ。一人の男を共有した姉妹の行動の真相も私にはわからず終いでした。呼吸やセリフの間も声色も難解だったな~。

 「ささやきの演劇」と呼ばれるOrt-d.dの舞台空間では、演出やシーンの細かいところで少しずつひっかかりました。オープニングの「闇」という一言で本当に完全暗転したのがかっこ良かった。青い帽子がきれいだった。

 照明が、というか、東京芸術劇場小ホール1が紫やピンクの照明でうっすら照らされて、その光が反射して舞台が明るくなっているような、繊細でしめやかな印象の舞台でした。舞台の床の下に照明が仕込まれていたのもメタリックかつ幻想的でかっこ良かったです。

 舞台上の真ん中にベンチ、上手側におそらく障子でかこまれた部屋、下手側には2階建てベッド。この2階建てベッドは姉妹や兄妹の関係を表しているのかなー。みんな青銅色なのは硬質で時間を感じさせます。

 三村聡さんが相変わらず魅力的な男性でした。三村さんのことを考えるとき、どうしても役者さんとして見られないんですよね、これは不思議なんですが、なぜか男性として注目してしまいます。演技がお上手なのが私にとって当たり前になってしまっているからかな。

作:永山智行(こふく劇場) 演出:倉迫康史 
出演:三村聡(山の手事情社) あべゆう(こふく劇場) 上元千春(こふく劇場)
照明:工藤真一(ユニークブレーン) 照明助手:川田京子(ユニークブレーン) 美術原案:伊藤雅子 美術装飾:るう(ROCCA WORKS) 衣装・ヘアメイク:田丸暦 衣装協力:鶴見泰裕、木島幸子、岡崎イクコ、棚川寛子 舞台監督:弘光哲也 舞台助手:渡部景介 制作:中村千寿
オルト・ディー・ディー : http://ort.m78.com/
東京国際芸術祭 : http://www.anj.or.jp/tif2004/index.php

Posted by shinobu at 2004年02月18日 23:14