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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年07月20日

ポかリン記憶舎『煙の行方』『煙ノ行方』07/14-25こまばアゴラ劇場

 明神慈さんが作・演出をする劇団です。“地上3cmに浮かぶ楽園”をキャッチコピーに、日本の美男・美女によるたおやかな空間を作り出されています。
 男バージョンと女バージョンの2本立てでした。女バージョンはさらにダブルキャストになっています。

 駒場アゴラ劇場に和服美女がわんさかです。まずそれが嬉しい。光のオブジェで飾られた受付では、はんなり浴衣の若い女性が迎えてくれます。
 
「煙ノ行方」(男バージョン)上演時間50分 ★ネタバレあり
 なんと、近未来の病院を舞台にしたSFサスペンス・ホラーでした。まずストーリーがめちゃくちゃ面白かったです。人工授精が一般的になった世の中。精子バンクに来た男達には実は共通点があり・・・。
 男優さんがものすごくセクシーなんですよね~。気分は18禁です(笑)。4人の登場人物それぞれに独特の魅力があって、全員に見とれました。きっと女から見た「いい男」が投影されているせいじゃないでしょうか。美男子好きの女性(あ、全員か)、必見ですよ♪

 休憩15分の間に大々的に舞台が転換します。壁が床になるんですよ!しかもその作業をしている男性たちも白いTシャツにバンダナ、ジーンズ(および綿パンツ)という風にさわやかな衣装で揃えてくれていて、女の私としては目に嬉しくて嬉しくて♪
 
「煙の行方」(女バージョン)上演時間40分
 ポかリセット(ポかリン記憶舎とreset-Nの合同企画)で拝見したものの再演でした。あの時は演出がreset-Nの夏井さんだったんですね。今回は明神慈さんによる作・演出です。
 少女の頃にいやおうなしに訪れる、逃れられない女の性(さが)。日本舞踊の教室に通っている女たちの会話から、「女」というものが静かに炙り出されます。ラストシーンの、水に飛び込もうとする女(後藤飛鳥)の意味がわかったような気がしました。どんな運命を背負っていようが、自分がしたいかどうか、するかしないか、なんですよね。そしてそうやって一人で立っている女は美しいです。

 劇場の都合でクーラーがあまり効かないため、上演中、めちゃくちゃ暑いです。私は暑いのは平気な方なので大丈夫でしたが、これから観に行かれる方はどうぞそのおつもりで。「休憩時間にアイスなど召し上がってください」と明神さんご自身からアドバイスも。

作・演出:明神慈 音楽:木並和彦 舞台美術:杉山至×突貫屋 照明:木藤歩(blance,inc.) 舞台監督:桜井秀峰 舞台補:浅香美津夫 音響:尾林真理 音響オペ:渡邊誠壱 写真:松本典子 AD:松本賭至 衣裳:フラボン
出演:「煙の行方」中島美紀 和田江理子(青年団) 後藤飛鳥 田上智那(A) 志甫真弓子(B)※ダブルキャスト
   「煙ノ行方」日下部そう 下薗琢磨 瓜生和成(東京タンバリン) 今井尋也(Megalo Theatre)
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
企画・制作:ポかリン記憶舎・フラボン・(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
ポかリン記憶舎:http://www.interq.or.jp/tokyo/pocarine/

Posted by shinobu at 2004年07月20日 23:49