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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年11月14日

フジテレビジョン『ハンブルボーイ』11/07-28東京グローブ座

 ジャニーズ事務所が東京グローブ座を常打ち小屋にしてから初めて伺いました。ので、入り口を間違えた(笑)。今までとは反対側が豪華なエントランスになっていたんですね。
 シャーロット・ジョーンズのこの戯曲は2001年初演で、その後イギリスで数々の賞を受賞しています。G2さんが海外戯曲を演出するのは『ヴァニティーズ』以来で、これで2度目だそうです。
 かなり感動して、涙がボロボロ流れてしまいました・・・!ジャニーズ・ファンの女の子で埋まってしまっている客席ですが、演劇ファンももちろん感動できる素晴らしい作品だと思います。当日券のお求め方法はこちら
 レビューは後ほどアップします。

Posted by shinobu at 21:18 | TrackBack

シベリア少女鉄道『VR』10/29-11/10下北沢駅前劇場

 土屋亮一さんが作・演出するシベリア少女鉄道、略してシベ少。もう有名すぎてどうしましょ?!って感じの小劇場劇団です。
 とにかく仕掛けが天下一品!見逃せないんですよね~。でも今回はそれほど感動しませんでしたね。なんか物足りなかった。

 公演が終わっていますので基本的に(全面的に)ネタバレします。

 舞台の両袖の面にテレビが計4台(だったかな?)設置されていましたので、今回も画像でやるんだなぁと、ちょっとがっかりな感じでの始まりでした。でも幕が開いて装置を見たとたん、私は爆笑(笑)。
 『VR』って何?と思ってたんですが、アメリカのTVドラマ『ER』と掛けてたんですね。きれいな病院の一室に医者がいて、吹き替えドラマにそっくりの話し方でリアルに『ER』の世界を演じるんです。こういうネタとしては何度か観たことがありますが、ここまで立派に長々とやられると圧巻です。

 そして『VR』は、Virtual Realityの略になってます。そろそろ『ER』のうさんくさい世界も飽きてきたなぁと思った頃に、実は今までの全てがネットでつながった対戦型のテレビゲームであったことがわかるのです。両脇のテレビでは、いまどきの普通の若者が「じゃぁ30分休憩ね~」と言って、それぞれに好きなことをしはじめる映像が流れます。コンビニに買い物に行ったり、ビデオレンタル屋に行ったり、壷を打ったり(笑)。皆がマイク付きイヤホンをつけたままでいるために、それぞれの声が画面(舞台)上の『ER』の世界でも流れてしまうというのが仕掛けです。

 舞台上では若い医師たちが、予想外の事態に追い込まれて必死で働いているのですが、口から出るセリフは「巨乳」とか「弁当温めてください」とか「『タッチ』全巻、果たして読み終えられる?」とかなんです。演技とセリフのアンマッチが不謹慎な方向に行くほど面白かったですね。
 こんなに内と外が乖離した演技をするのは大変だと思います。役者さん、ありがとうございます。でも面白いのでもっとやってもらいたい(笑)。

 ただ、今回はそれだけで終わっちゃっいましたね。シベ少というと、こういう凝りに凝った仕掛けがあるだけではなく、真面目で前向きな主張もしっかりと差し挟まれている所が好きだし、凄いと思っているので、今回は残念だったな。

 舞台装置は床をスライドさせて場面転換するのが秀逸です。下北沢駅前劇場でこういうのが観られるのってすごく嬉しいですね。

 終演後に「すごいでしょ!映像は使ってるけど、これってテレビではできないよね、舞台だからできるんだよね!」って興奮気味に帰っていく観客がいましたが、そうは思わなかったですね。今回のアイデアは、やり方次第ではテレビでも実現出来るんじゃないかな。というか、ぜひぜひシベ少にはテレビでも活躍してもらいたいです。

 こんなものを買った。-ムダ遣い日記- にレビューおよび関連サイトなどまとめてリンクが張ってあります。これほどネットでレビューが書かれる劇団って少ないんじゃないでしょうか。しかも皆さんめちゃくちゃ早くUPされてましたよね。

作・演出:土屋亮一
出演:藤原幹雄 横溝茂雄 前畑陽平 秋澤弥里 水澤瑞恵 篠塚茜 佐々木幸子 白井暁子 出来恵美 木田ゆう子 ほか
舞台監督/谷澤拓巳 音響/中村嘉宏(atSound) 照明/伊藤孝(ART CORE design)映像/冨田中理(Selfimage Produkts) 宣伝美術/土屋亮一 音源製作/霜月若菜制作/渡辺大 制作助手/保坂綾子・安元千恵 製作/高田雅士
シベリア少女鉄道:http://www.siberia.jp/

Posted by shinobu at 20:27 | TrackBack

佐藤佐吉演劇祭参加・乞局『汚い月(陰漏改訂版)』11/12-14王子小劇場

 “乞局(こつぼね)”はいつもチラシが暗くて怖そうなのと、タイトルが難しい漢字で読めないことが多かったため観に行っていなかったのですが、王子小劇場の佐藤佐吉演劇祭に参加されていて、さらに知人が出演していたので観に行くことにしました。

 過去に上演した『陰漏(かげろう)』という作品の改訂版だそうですが、両方を観た方から聞いたところによると全然違うお話になっていたそうで、ほぼ新作と言って良いようです。

 空港にほど近いこぎれいなマンションの最上階の一室。子供のいない若夫婦が暮らしている。夫は靜(せい:田中則生)、妻は真琴(まこと:酒井純)。飛行機のもの凄い騒音で、日中は声が聞こえなくなるほどの轟音が何度も鳴り響く。その音が来る度に、外に出て大声を出して憂さ晴らしをする住民もいる。真琴もその一人。
 ある日、知らない女が真琴のところに訪ねてきた。「あなたのご主人が通勤途中の満員電車で立ったまま亡くなりました。」夫が死んだことも衝撃だが、わざわざそれを知らせに見ず知らずの女が家までやって来るのはおかしい。また、夫は臓器移植提供意思カードを持っていて“全ての臓器の移植に同意”していることも告げられた。

 「静かな演劇」とまでは行きませんが、かなり自然な演技で作られたドラマでした。私は「静かな演劇」はあまり得意ではないので、リラックスして楽しく拝見できました。

 登場人物はみんなちょっとコミュニケーション不全な感じの、どこか欠けている大人です。飛行機の騒音への反対運動をしようとしている中年のおばさんや引きこもりの青年、靜の勤める会社の同僚・部下たち、靜の妹2人など、とりあえずちゃんと挨拶できない輩ですね、基本姿勢が無礼(笑)。
 「知らない女」というのは靜の会社に勤めている若い女・深波留(みはる:石井汐)で、彼らはプラトニックではあるけれどお互いを「同士」と呼び合う仲でした。この2人の関係がわかりづらかったです。靜は本当に「似たもの同士」と思っていて、深波留は恋愛感情を抱いてしまっていたようなのですが、セリフからは気づけませんでした。「もしかしてこの人たち、臓器を介して地球人を侵食していく宇宙人なの?」ぐらいに思っちゃってたよ、私(笑)。

 靜の臓器を移植された人たちの中に靜が生き残っていて、時々彼らの体を通して靜が出てくるのはすごくロマンチックです。私は血や肉にもその人の心が入っているのではないかと普段から信じている人間なので、なんだか嬉しかったし、じ~んと来ました。でも、面白いと思えたのはそこまでだったかも。

 1階の住人で空港に勤めるちょっぴりヘンな男ツヅキ(アッサム)が、しゃべっている時に股間をいじります。その仕草で「コイツ、相当おかしいんだな(笑)」ってことがわかりました。細かいところまでキャラクターを作り込まれていて良いなぁと思いましたが、他の、特に主要登場人物についても、それぐらい掘下げて欲しかったですね。

 最後は真琴と深波留の戦いのようになっていましたが、真琴が深波留を客人として丁重にもてなす態度だったのはおかしいと思いました。口論めいた会話の中でも、なぜか真琴が深波留にへりくだってもいましたよね。
 真琴が「勝負には負けたけど~云々」と空に向かって大声で叫ぶセリフでラストでしたが、真琴のそれまでの演技では深波留(靜の浮気相手)に対して敵対心を持っているようには見えなかったです。実は真琴ってツヅキ以上にちょっとヘンな人ですよね。見合い結婚とはいえ、ずっとセックスレスで、夫がだてメガネをしていることにも気づかなかったなんて、異常でしょう。その異常さ加減を演技でしっかり見せていただけたら、より面白くなって、説得力も増したのではないでしょうか。

 美術は王子小劇場の高い天井をしっかり使ってきれいな部屋を作ってくれていました。真ん中の中庭が見えるように窓を多用してくれていたので、見切れが少なかったと思います。照明も効果的でした。選曲も結構好きです。飛行機の音がちゃんとリアルで大音量で良いですね。

【脚本・演出】下西啓正
【出演】秋吉孝倫 アッサム 柴田洋佑 下西啓正 田中則生 馬場一嘉 三橋良平 石井汐 酒井純 鈴木享 古川祐子 松木美路子
【舞台美術】丸子橋土木店 【照明】椛嶋善文 【照明操作】谷垣敦子 【音響効果】木村尚敬 【音響操作】平井隆史(末広寿司) 【舞台監督】谷澤拓巳 【衣装】飯田かほり(蜷曲美人) 【宣伝美術】石井淳子 【WEB管理】柴田洋佑 【制作】阿部昭義 【制作協力】玉山悟石 原美加子 【協力】田村雄介 中西瑞美 王子小劇場 【製作】乞(コツボネ)局
乞局(こつぼね):http://kotubone.hp.infoseek.co.jp/
王子小劇場:http://www.en-geki.com/

Posted by shinobu at 19:23 | TrackBack