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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年04月25日

パルコ・プロデュース『Shuffle-シャッフル-』04/16-05/08パルコ劇場

 大王こと後藤ひろひとさんが脚本・演出を手がけるノンストップ・ラヴ・コメディー。伊原剛志さんと奥菜恵さんを主役に迎えてパルコ劇場で大暴れ、というところですね。130分休憩ナシ。

 熱血刑事のイヌイ(伊原剛志)は仕事が出来るキレ者の色男。次から次へとブラックジャックのカードのように女を取っては捨てる面食いプレイボーイだから、呼び名はshuffle(シャッフル)。
 ある日、窃盗団“チップス”(風花舞、山内圭哉、松谷賢示の3人組)に時価数十億の宝石「レディー・マーキュリー」が盗まれた。チップスの顔を見たブサイクな警備員・三つ葉(奥菜恵)とともにチップスのアジトに乗り込んだが、シャッフルは高い窓から落ちて頭を打ってしまい病院に運ばれる。奇跡的に体は無傷で数日後に目覚めたシャッフルだったが、知っている人の顔が別の人物の顔に見えるようになってしまっていた。詳しいあらすじはこちら

 後藤ひろひとさんならではの凝りに凝った設定で、伏線もきっちり張られて、物事が巧妙にうまく行かないようになっており、大スターによるコミカルな演技もラヴシーンもあって、いわゆるサービス満点のエンターテインメント作品でした。
 チラシのビジュアルから想像される内容を裏切らない作品になっていましたが、比べるとちょっと質感が安っぽかったようにも思いました。

 ここからネタバレします。

 特に衣裳はちょっと軽すぎるような。シャッフルの着ている黄色いスーツの背中が透けて、中のストライプのシャツがうっすらと見えていたのはあんまりでした。また、奥菜さんのキメ服のショッキングピンクのドレスはどう考えても似合ってなかったですよね。どうせなら『キレイ』の時のようなふんわりフレアスカートがいいと思うんです。奥菜さんはすっごく細くて小さい方だから。

 シャッフルが、泣きじゃくる三つ葉の頭を優しくなでるシーンはちゃんとラヴ・シーンになっており、伊原剛志さんはセクシーだし、ブサイクな三つ葉メイクの奥菜恵さんもすごく可愛かったです。声がいいんだよなー。

 超軽いコメディー路線を突っ走っていたのに、シャッフルの同僚刑事(三上市朗)がチップスの下っ端に殺された時は衝撃でした。「え?殺しちゃうの??」って。でも、ラストシーンが良かったんですよね。チップスの生き残り(山内圭哉)がサラリとJOKER(後藤ひろひと)に殺されたのは痛快でした。

 石野真子さんが石野真子さんご自身の役で出ていたのはちょっと寂しかったですね。シャッフルの理想の女性ということで、犯人やブサイクな三つ葉が石野真子の姿に見えてしまうというのは笑いにつながるし、クライマックスでもシャッフルを悩ませる存在になりえるのですが、できれば石野さんの普通の演技も見たかったな。

 役者さんでは課長役の平田敦子さんが拍手が出るほどの笑いを取ってらっしゃいました。私も見事だなーと思ってほれぼれ眺めておりました。
 窃盗団のリーダー・ハート役の風花舞さんも、宝塚出身の女優さんならではの身体のキレや腹の底からズシンと響く声が生かされて、適役だったと思います。
 あ、主役シャッフルの伊原剛志さん。デカイ!(笑)。カッコイイです。

 私が一番笑ったのは大王が妖精役で出てきたところでした。安いなー、私(笑)。

《東京、名古屋、新潟、仙台、福岡、大阪》
作・演出:後藤ひろひと
出演:伊原剛志 奥菜恵 山内圭哉 三上市朗 風花舞 平田敦子 松谷賢示 澤田育子 後藤ひろひと 石野真子 鹿内孝
美術:島川とおる 照明:笠原俊幸 音響:井上正弘 衣裳:関けいこ ヘアメイク:西川直子 演出助手:高野玲 舞台監督:二瓶剛雄 宣伝美術:永瀬祐一 宣伝ヘアメイク:石田賢治 宣伝衣裳:矢野恵美子 広報:ディップスプラネット プロデューサー:尾形真由美 制作協力:(株)吉本興業 企画・製作:(株)パルコ
¥7,500(全席指定)
パルコ劇場:http://www.parco-play.com/web/page/information/shuffle/

Posted by shinobu at 2005年04月25日 23:37 | TrackBack (2)