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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年06月22日

パルコ/ニッポン放送 『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』06/16-25パルコ劇場

 三上ヘドウィグ、再臨!
 去年のしのぶの観劇ベストテンで最優秀男優だった三上博史さんの『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の再演です。私は初演追加公演を観て、これが三度目になります。
 去年とは変わったところも少しはありましたが、三上ヘドウィグに会って名曲を聴けて、至福の2時間弱でございました。まだ未見の方、どうかお見逃しなく!今すぐチケットGETしてください!★シアターガイドに舞台写真あり。

 作品のあらすじはこちら。もともとはアメリカのオフ・ブロードウェイで大ヒットした舞台作品で、映画にもなっています。去年の『新宿ナイツ』のライブCDが会場で販売中!ネットでも買えます♪

 初演と感想はほぼ変わらず、お下劣なセリフ満載の三上ヘドウィグに酔いしれて、“THE ORIGIN OF LOVE(愛の起源)”で泣けちゃって。三上さん、歌がかなり上手くなってらっしゃいました。ラストの“Midnight Radio”の声量は凄かった。歌手としての三上さんのファンになりました。
 そしてヘドウィグがトミー・ノーシスとの過去を思い出して暗くなっていくシーンから最後にかけては、やっぱり物足りない気持ちになりました。アンコールで“Angry Inch”とかやってくれたらな~・・・ホントに盛り上がって帰れると思うんですよ。そういう意味で『新宿ナイツ』は最高でした。

 ここからネタバレします。概要は初演のレビューをご覧ください。

 まず去年との大きな違いはヘドウィグの衣裳。金銀財宝がザクザク袖に引っ付いて、ゴージャスになっています。オープニングの登場で牛の角のような被り物をしていましたが、今回はヴェネツィアの仮面のようなマスク。そして大きなマント。このマントがかっこ良かった!ピンク、緑など数色のはぎれをつなぎあわせてあり、生地がとても薄いからひらひらと舞うんです。終盤でトミー・ノーシスとして“Wicked Little Town”を歌った後、黒いホットパンツ一丁の上からそのマントを羽織って出てきたのですが、ヘドウィグであることが明瞭にわかりましたし、オープニングともつながったのが巧い演出になっていました。

 そして大きく変わっていたのがヘアメイク。なんと髪が黒色でした!これはちょっとショック。イメージがかなり変わりました。キュートな女の子像がなくなって、アマゾネスっぽさが激プラスされちゃって。私は初演の方が好きだな。そして三上さんご自身の髪の毛は耳の上あたり一帯を剃られてましたよね。うーんキワモノすぎるような・・・ウィッグとの兼ね合いがあったのかもしれませんけど(初演の時は取れかけたりしてましたし)、メイクも目の上から額までがピンク色に塗られてて怖かった(笑)。

 舞台美術はおそらく同じです。下手のヘドウィグの部屋のマネキンに去年の衣裳が着せられていたのがステキ。スライドはところどころ増えたり少し変化したり。イラストは前回同様とても良かったです。

 演技については具体的なセリフやアドリブの内容が少し変わったりしていましたが、全体的にかなりこなれていて、ガシっと固まった様子でした。私は初演の時のちょっとそわそわしたような、何が起こるかわからない(トラブルも発生するような)雰囲気が良かったな。まあ3度目なのでしょうがないですが。今回は友達と一緒に観に行って、その人は初見だったので超満足だったようです。
 
 一曲(“The Long Grift”)だけヘドウィグ以外の人がヴォーカルを歌うシーンがあるのですが、私が観た回は友森昭一さん。残念ながら去年の近田潔人さんの方がずっと良かったよぉ。※ギターとドラムがダブルキャストなのです。

 もう一度書きますが、アンコール、欲しかったな・・・そう、なかったんです、私が観た回は。まあ客席の様子から考えるとしょうがない気もしますが。Zepp Tokyoではあると思う(願う)ので、ぜひ。

 ※パンフレットのアーティスト写真はパルコ劇場で撮られたものばかりで、これはパルコ劇場ファンにはお宝もの!物販もかなり売れ行きが良いそうで、Tシャツは気に入ったら買っておかないと売り切れる可能性あり。私は去年と同じく携帯ストラップを購入いたしました♪

ROCK MUSICAL"HEDWIG AND THE ANGRY INCH"
≪東京(パルコ劇場、Zepp Tokyo)、福岡、大阪≫
作:ジョン・キャメロン・ミッチェル 作詞・作曲:スティーヴン・トラスク
翻訳・演出:青井陽治 音楽監督・編曲:横山英規
出演:三上博史 エミ・エレオノーラ(piano,chorus) 横山英規(bass) 中幸一郎・阿部耕作(Wキャスト)(drums) テラシィイ(guitar) 近田潔人・友森昭一(Wキャスト)(guitar)
美術:二村周作 照明:吉川ひろ子 音響:山本浩一 衣裳:伏見京子 ヘアー:赤間賢次郎 メイク:久保田直美 演出助手:槙圭一郎 舞台監督:北条孝/上田光成 プロデューサー:田中希世子(パルコ)/村田篤史(ニッポン放送) 企画協力:ポスターハリス・カンパニー 企画・製作:パルコ/ニッポン放送
パルコ:9,000円(全席指定・税込) Zepp Tokyo:8,000円(イス) 6,000円(立ち見)
ぴあ(インタビュー):http://t.pia.co.jp/play-m/hedwig/hedwig.jsp
ぴあ特設:http://t.pia.co.jp/news/hedwig/hedwig.jsp
イープラス(インタビュー):http://eee.eplus.co.jp/s/hedwig05/
公式:http://www.parco-play.com/web/page/information/hedwig/

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Posted by shinobu at 2005年06月22日 14:00 | TrackBack (1)