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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年06月24日

新国立劇場オペラ『蝶々夫人』06/24-07/09新国立劇場 オペラ劇場

 日本を舞台にしたプッチーニの超有名なオペラです。あらすじはこちら。『夕鶴』に続いて、栗山民也さんが新国立劇場で2度目のオペラ演出。
 シンプルな舞台装置に照明が映えます。狂気にまで高まった蝶々さんの一途な愛と悲しみに、息をつくことができないほど。舞台写真はこちら

 島次郎さんの美術に勝柴次朗さんの照明、そして栗山民也さんの演出ですからスタッフは超豪華。そして衣裳は前田文子さんです。日本人が着る着物はやっぱり美しいです。アンサンブルの女性たちのステージングが見事。 

 日本人による演出で、日本人出演者だからこそ表現することができた日本の姿がありました。また、物語の大切なポイントを見逃して(聞き逃して)いたことにも気づきました。アメリカ人に嫁いだ蝶々さんは自分から進んで日本神道から改宗してキリスト教信者になったため、親戚から縁を切られたんですね。

 蝶々夫人役の大村博美さん。ずっと「狂乱の場」みたいでした(歌の難易度の意味ではなく)。まさに蝶々さんの年齢(15歳)にふさわしい、可愛らしくて元気な佇まい。2幕からは・・・

 ※途中で執筆が止まっています。すみません。舞台美術および照明の素晴らしさについて言及するつもりが、力尽きてしまったようです(2007/07/08加筆)。

 さて、これ以降は物足りなかったところ(ブーイング含む)です。

 なんと、ピンカートン役のヒュー・スミスさんの声が私の席まで届いてこなかったんです。オペラの準主役の声がオケの音にかき消されて聞こえないなんて・・・。演技もいまいちで、心がこもってないんですよね。
 第2幕になってからちょっとは頑張られたみたいですけど、調子が悪かったのかやる気がなかったのか・・・。とにかくオペラの質は下がっていました。カーテンコールでも彼にはブラボーの声がかかりませんでした。代役いなかったのかなぁ。

 オケの質についても、バラバラで合ってないような気がしました。蝶々さんが一晩中立ったままピンカートンを待っていたシーンでは、幕が下りていてオケの音だけが聴こえるので、オペラよりもコンサートのようになります。大きなラッパ達の音が特に耳につきました。

 第1幕と第2幕での装置の変化が、舞台上に散らばっていた枯葉が桜の花びらに変わるだけだったのは残念。装置が動く転換が、最後の最後に部屋が少し奥に引き込まれるだけっていうのも物足りないです。演出全体としては高い美意識が感じられるものでしたので、敢えてそれを際立たせる意図があったのかもしれませんが。あ、歌とオケの質が高かったらそういうものだと受け入れられたかも。

Giacomo Puccini : Madama Butterfly 【全2幕】<イタリア語上演>
出演=蝶々夫人:大村博美/ピンカートン:ヒュー・スミス/シャープレス:クラウディオ・オテッリ/スズキ:中杉知子/ゴロー:大野光彦/ボンゾ:志村文彦/神官:大森一英/ヤマドリ:工藤博/ケート:前田祐佳 /書記:柴田啓介 ほか
作曲=ジャコモ・プッチーニ 台本=ルイージ・イッリカ/ジュゼッペ・ジャコーザ 指揮=レナート・パルンボ 演出=栗山民也 美術=島次郎 衣裳=前田文子 照明=勝柴次朗 舞台監督=大澤裕 合唱指揮=三澤洋史 合唱=新国立劇場合唱団 管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団
チケット:21,000円 18,900円 15,750円 13,650円 10,500円 7,350円 6,300円 3,150円 1,500円
新国立劇場内:http://www.nntt.jac.go.jp/season/s263/s263.html
舞台写真:http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/opera/2004%7E2005/butterfly/butterfly.html

Posted by shinobu at 2005年06月24日 23:26 | TrackBack (0)