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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年02月19日

ク・ナウカ『ぼくらが非情の大河をくだる時』02/17-20下北沢ザ・スズナリ

 ク・ナウカのスズナリ連続公演第1段です。先日の『幻に心もそぞろ・・・』で清水邦夫さんの脚本の言葉が素晴らしいなぁと思ったのと、「このコトバ、凶暴につき -近づくなら、客席までに。」というこの公演のキャッチコピーに惹かれて伺いました。岸田戯曲賞受賞作なんですね。演出の仲田恭子さんは2004年利賀演出家コンクール最優秀賞を受賞してらっしゃいます。

 戯曲では舞台は公衆便所なのですが、完全に抽象化された、白と黒のモノトーン空間が出来上がっていました。パンフレットによると少年院に入所中の少年たちによる劇中劇という形式を取っていたようですが、観ている分にはその設定はわかりませんでしたね。

 普通の生々しい演技とロボットみたいにルール化された演技が混ざっていて、何がやりたいのか私にはよくわからなかったです。言葉の解体等もしていると思うのですが、三浦基さんの演出作品(『三人姉妹』『雌鳥の中のナイフ』)を観た私にとっては、響くものがありませんでした。
 上演時間は1時間強、でしたかね。すごく長く感じました。睡魔に勝てなかった。

 清水邦夫さんの1972年代の脚本で、連合赤軍事件を踏まえた作品でもあるそうです。それを今、上演するにあたり、独創性の有る斬新な演出にチャレンジをすることは正しいと思いますし、興味もあります。ただ、今作品については私の好みではありませんでした。ところどころ伝わってきた言葉は魅力的だったので、また違う演出で観てみたいです。

作:清水邦夫 演出:仲田恭子
出演:中野真希 大内米治 大道無門優也(高澤優也改メ)
衣装: 多々良秀典 音響: 金子由布樹 照明: 松本伸一郎 美術: 青木祐輔 舞台監督: 小金井伸一 制作: 久我晴子、田中美季
公演ページ:http://www.kunauka.or.jp/jp/suzunari2005/hijyo01.htm

Posted by shinobu at 21:20 | TrackBack