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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年05月27日

大河ドラマ「新選組!」の続編が決定(シアターガイドより)

 近藤勇没後の土方歳三を主人公に描くそうで、脚本は三谷幸喜さん。主役は大河ドラマ同様に山本耕史さんだそうです。来年1月放送。
 シアターガイドのNEWSより。

Posted by shinobu at 23:55 | TrackBack

新国立劇場演劇『箱根強羅ホテル』05/19-06/08新国立劇場 中劇場

 内野聖陽さん麻実れいさんが出演する井上ひさしさんの書き下ろし新作で、栗山民也さんが演出されます。文句なく今年の大注目公演です。舞台写真はこちら

 私が拝見したのは5/21(土)マチネですので、5/19(木)初日から数えて3ステージ目です。井上さんの脚本の仕上がりが遅かったため(ご本人もプログラムに挟まれたリーフレットに書かれています)、完成度が低いという悲しい結果でした。でも、井上さんの新作がオンタイムで観られる幸せを考えたら、そんなことは小さいことかな、と。

 終盤になるにつれてぐんぐん面白くなっていくのは間違いありません。当日券(Z席)のお求め方法はボックスオフィスにお問い合わせください。

 時は昭和20年4月。イタリアとドイツが降伏した今、49カ国を相手に戦っている日本にとって中立同盟国であるソビエト連邦は非常に大切な国となっている。そこでソ連の駐日大使館の疎開先として新しく選ばれたのが、箱根の山の上にある名門の箱根強羅ホテルだった。
 外務省参事官の加藤(辻萬長)の指揮のもと、ロシア人学校の教師の山田智恵子(麻美れい)や植木係の国枝(内野聖陽)など、ホテルの従業員が集められるのだが、みな叩けば埃が出そうなどこか怪しい人物ばかり。戦争末期の日本人を描きつつ、次から次に珍事件が起こる2日間のお話。
 
 井上ひさしさんのお芝居独特の「ドラマ・ウィズ・ミュージック(音楽付き戯曲)」という演出方法が部分的に成立しておらず、突然踊ったり歌ったりするのが妙な空気を生んでいました。また、具体的にセリフを間違えたりとか(私が観た回では、麻美さんのセリフが飛ばされたように見えるシーンがありました)、麻美さんと内野さんが姉と弟に見えなかったりとか、稽古不足が原因であることが明らかで、それにはただただ残念でした。

 「みんな 人間よ」と歌う度に涙がこぼれました。ソビエト人だろうが日本人だろうが、愛国者だろうが非国民だろうが、目はふたつ、鼻と口はひとつずつ、手足は四本。夏は暑くて冬は寒い。
 恥ずかしながら私は『花よりタンゴ』を観てはじめて、「接収」という言葉が絶対的な強制力を持ち、国民が国から無条件に私有財産を取り上げられること、突然に命を見捨てられることに怒りを覚えました。私は漠然と「戦争だから仕方がない」と思ってたんですよね、それまでは。「国家が国民を守ったくれたためしはこれまで一度もないんですよ」と井上さんは“通販生活2005年夏号”でおっしゃっています。この劇の中の歌にあります「綿素材のパジャマは気持ちがいい」とか「魚はスルメがいい いつまで噛んでももつよ」とか、そんな日常の小さな幸せを心から大切に思い、そう思う自由を主張し、守っていかなければと思いました。

 シリーズ「笑い」の第三段ということで、もちろん笑いがふんだんに散りばめられています。ホテルの従業員を募集してみたら、ほぼ全員が陸軍や海軍のスパイだったのがバレたシーンは大爆笑でした。特に段田安則さんが弱視のフリをして部屋のそこここにぶつかるのが絶品。段田さんをはじめ、大鷹明良さん、酒向芳さん、内野聖陽さんの軍人4人組は素晴らしいコンビでした。軍人同士の確認のための“暗号歌”も笑えました。

 舞台装置は堀尾幸男さんの美術と勝柴次朗さんの照明ということで力強く、美しく、古い木の懐かしい香りがしてきそうでした。上手側の壁の上の方に少し曇ったガラス窓がずらりと並んでおり、その窓から差し込む朝日や夕日がきれいでした。

シリーズ「笑い」3
作:井上ひさし 演出:栗山民也
出演:内野聖陽 段田安則 大鷹明良 酒向芳 藤木孝 辻萬長 麻実れい 梅沢昌代 中村美貴 吉田舞 平澤由美
演奏:朴勝哲 佐藤拓馬 佐藤桃 横内正代 杉野裕 船木喜行 山田貴之
音楽:宇野誠一郎 編曲:久米大作 美術:堀尾幸男 照明:勝柴次朗 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 歌唱指導:伊藤和美 ステージング:前田清実 ヘアメイク:佐藤裕子 演出助手:北則昭 舞台監督:増田裕幸
S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
新国立劇場内:http://www.nntt.jac.go.jp/season/s265/s265.html

Posted by shinobu at 16:01 | TrackBack

メルマガ号外 『その河をこえて、五月』

 新国立劇場演劇『その河をこえて、五月』
 05/13-29新国立劇場 小劇場
 公演情報はこちら

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.18  2005.5.27  430部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


  「日韓友情年2005」記念事業
  新国立劇場演劇『その河をこえて、五月』
  05/13-29新国立劇場 小劇場
  《東京公演後→大津、富山、北九州、神戸、富士見、ソウル》

  ☆日本と韓国の作家、演出家、俳優による共同製作。
   2002年の初演時に朝日舞台芸術賞グランプリを受賞しています。
   韓国でも権威ある演劇賞を受賞しているそうです。
  ・公演情報
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/s262/s262.html
  ・初演の舞台写真
   http://www.nntt.jac.go.jp/frecord/play/2001%7E2002/sonokawa/sonokawa.html


 ◎観劇後のコメント◎
  
  韓国はソウルのとある河原。花見に集まる人々。
  韓国語学校の日本人生徒と、韓国人の家族との対話。

  国も歴史も、文化も言葉も違う人間同士が、
  なんとか気持ちを伝え合おうとします。 
  大河の悠久の流れのもとで、美しい桜の木の下で。

  開幕して間もなくのシーンで早くも涙がほろりと流れ始め、、
  笑いながら、うなづきながら、ハラハラしながら、涙がこぼれ続けました。

  私が変わったのか、この作品が変わったのかはわかりませんが、
  初演の時とは全く違う感想を持ちました。
  もっと早くに観に行っていればよかったと、少し後悔しています。

  ※予定上演時間:約2時間30分(休憩なし)


 《チケットについて》

  ・東京公演は残すところ3ステージです。
   5/27(金)19:00、 5/28(土)14:00、 5/29(日)14:00
   ご予約はお早めに!

  ・チケット料金(日時指定・全席指定) 
   A席4,200円 B席3,150円 Z席=1,500円 当日学生券=50%割引
   Z席、学生券についてはボックスオフィスまでお問い合わせください。
   新国立劇場ボックスオフィス TEL 03-5352-9999
   http://www.nntt.jac.go.jp/season/boffice/index.html

  ・開場は開演の30分前です。開演の約10分前より舞台に俳優が登場します。

  【お問い合わせ】
   新国立劇場ボックスオフィス TEL 03-5352-9999


 ≪ご覧になった方のレビュー・お薦めコメントなど≫

  ブンカな日々~演劇・映画・小説
  http://blog.drecom.jp/kenichi-km/archive/126

  現代パフォーミングアーツ入門
  http://cparts.txt-nifty.com/cparts/2005/05/_vs__9cd7.html

  長靴男の日記
  http://d.hatena.ne.jp/kabachi/20050521/p1

  +++ ココロ舞、ココロオドル +++
  http://may.way-nifty.com/stage/2005/05/post_c549.html
  ★ストーリーや役柄についても詳しく書かれています。


  ≪ご参考≫

  平田オリザ氏インタビュー(富山県富山市オーバード・ホ-ル)
  http://i-toyama.com/uniqd.phtml?s=600.html&z=e626d0e7521f0e36173e67af3bf90cfb

  
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 ◆ 【編集後記】
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 ◎5月は面白いお芝居がいっぱいで、嬉し涙の日々でした。
  号外も2回出せましたし、こんなハッピーな月もあるんですねぇ♪
  『その河をこえて、五月』と完全に日程が被っていますが、
  同じく家族のお話で『梅津さんの穴を埋める』もお薦めです。  
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0523233851.html

  そうそう、本日5/27(金)はtpt『nine THE MUSICAL』の東京初日です。
  ほぼ日刊イトイ新聞の応援ページに舞台写真が多数掲載されています。
  http://www.1101.com/nine/index.html

 ◎パフォーミング・アーツ・マガジン[バッカス]02号
  私が書いた劇評(Ort-d.d『四谷怪談』)が掲載された雑誌です。  
  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9978823190

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