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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年07月09日

東宝ミュージカル『モーツァルト!』07/04-08/20帝国劇場

 タイトルロールが井上芳雄さん中川晃教さんのダブルキャストです。初演は2002年で、初舞台だった中川晃教さんは文化庁芸術祭賞・演劇部門新人賞や読売演劇大賞・杉村春子賞を受賞されています。私は今回が初めてで、中川晃教さんヴァージョンを観ました。

 う~ん・・・苦手でした。途中休憩で帰らずに最後までいましたが、楽しめずに家路に着きました。

 もともとはウィーン劇場協会が製作したミュージカルで、それを演出家の小池修一郎さんが日本語に訳詞されていますので、仕方ないことではありますが、歌詞の日本語がなめらかではないです。そして特に歌がうまいわけじゃないし・・・聴き入ることができませんでした。

 楽しめなかった主な理由は、おそらくお話がずーっと暗かったことだと思います。モーツァルトというと、これは映画『アマデウス』舞台『アマデウス』の知識ですが、子供の頃は神童と謳われたけれど、わがままな性格が災いして名声を得ても長続きせず、父親との確執や妻との不仲などの不幸が続き、最後は借金にまみれで病気になって孤独に死んじゃいますよね。うわお、かいつまんで書くと暗すぎる。

 でも、恋に落ちたり、作品が大絶賛されたり、皇帝から寵愛を受けたり、幼児期以外にもモーツァルトがスポットライトを浴びていた時期はあったんですよね。なのに、全編通じてずーーーーっと陰鬱な空気が支配しているんです。何かにつけて悪い仲間に誘惑されたり、妻の親が金をせびりに来たりして、幸せな未来が全く想像できないし、主役のモーツァルトにいつも何らかの影が落ちているから、彼(=中川さん)のことが好きになれなくって。

 演出については、成人したモーツァルト(中川晃教)と幼児期のモーツァルト(子役)がいつも2人セットで登場するのが面白かったです。
 音楽は、途中休憩の直前とエンディングに大合唱する「影を逃れて」(こちらで動画が観られます)が良かったです。それだけっていうのが・・・悲しい。

 中川晃教さんは、動きがガチガチであんまりでしたね。劇団☆新感線『SHIROH』があまりに良かったから、どうしても求めるレベルが高くなっちゃう。

 コロレド大司教役の山口祐一郎さんはいつもミュージカルで主役の方ですが(「レ・ミゼラブル」や「エリザベート」など)、私は初めて拝見しました。赤と金色の豪華な衣裳がとてもお似合いで、めちゃおもろい人でした~。

 吉野圭吾さんも良かったですね。役割を万全に果たしてくださったというか。『SHIROH』でもそう思いました。

≪大阪、東京、名古屋、福岡≫
出演=市村正親/高橋由美子/井上芳雄(ダブルキャスト)/中川晃教(ダブルキャスト)/西田ひかる(7/4-29)/木村佳乃(7/30-8/26)/久世星佳(7/4-29)/香寿たつき(7/30-8/26)/阿知波悟美/花王おさむ/吉野圭吾/山口祐一郎ほか
脚本・作詞=ミヒャエル・クンツエ 作曲=シルヴェスター・リーヴァイ オリジナル・プロダクション=ウィーン劇場協会 演出・訳詞=小池修一郎 音楽監督=甲斐正人 美術=堀尾幸男 照明=勝柴次朗 衣裳=有村淳 歌唱指導=楊淑美/山口正義 振付=前田清実 音響=大坪正仁 ヘアー・メイク=宮内宏明 舞台監督=廣田進 演出助手=小川美也子/末永陽一 オーケストラ=東宝ミュージック(株)/(株)ダット・ミュージック 指揮=塩田明弘/西野淳 翻訳協力=萬代倫子/名和由理 プロダクション・コーディネーター=小熊節子 製作=岡本義次/坂本義和
S席¥12,500 A席¥8,000 B席¥4,000  計41ステージ 休演日:7/20(水)、8/17(水)
モーツァルト!:http://www.toho.co.jp/stage/mozart/welcome-j.html
イープラス特集:http://eee.eplus.co.jp/s/mozart05/

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Posted by shinobu at 23:42 | TrackBack