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Shinobu's theatre review
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2005年09月09日

東宝ミュージカル『エリザベート』09/01-30帝国劇場

 『エリザベート』はウィーンのオリジナル・ミュージカルです。1996年に宝塚歌劇として日本初演。2000年には東宝ミュージカルでも大ヒット。東宝版は2001年、2004年と再演を重ねて今年(2005年)で4演目。私はやっとのことで初見です。演出や曲数などに毎回変化はあるようです。

 面白かった~~~っ!『モーツァルト!』が好みじゃなかったので恐る恐るだったんですが、これは素敵♪ 女性がハマる気持ち、わかります(笑)。

 公式サイトで舞台写真が見られます。私が拝見した回の重複キャストの出演者は⇒内野聖陽(トート)、石川禅(フランツ・ヨーゼフ)、浦井健治(ルドルフ)、苫篠和馬(少年ルドルフ)。

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 ≪超簡単なあらすじ≫ ※イープラスの特集がわかりやすいです。
 ウィーンの王室、ハプスブルグ家に嫁いだエリザベート(一路真輝)のお話。
 ある日、おてんば娘のエリザベートは木から落ちて気を失います。死神のトート(内野聖陽)はその命を奪うはずだったのですが、彼女に一目ぼれ。そのまま生き返らせます。しかし運命のいたずらでエリザベートはハプスブルグ家の皇太子(石川禅)のもとに嫁いでしまい・・・。※その他、詳しい内容はこちら→ELJEN【Elisabeth】(エーヤン・エリザベート)
 ≪ここまで≫

 歴史上の実在人物エリザベートを中心に描かれる大河ドラマ色のあるミュージカルです。でも主役の恋のお相手が死神なので(笑)、ダーク・ファンタジーなんですよね。全編通して退廃的なのが良い!!
 美術、衣裳、振付などの全体イメージはデカダン・ゴージャスでとてもロマンティック。『モーツァルト!』でも有効に使われていた映像は、去年物議をかもしたLED映像からプロジェクター映像(ほとんど静止画)に変更されたようです(演出の小池修一郎さんがわざわざパンフレットに書かれています)。

 音楽は昔のポップスみたいな、少々演歌っぽいメロディーで聴きやすいし(語彙が貧弱ですみません。褒め言葉なんです)、同じ旋律が上手い具合に繰り返されるから「あぁこのメロディー聴いたことある!」という感覚が連鎖して気持ちが盛り上がります。
 歌詞は音楽の一音に日本語の一音が重ねられている感じで、言葉をゆっくりと味わえます。今も思い出せるな~、また聴きたいな~・・・ほらほら、ヤバイヤバイ、オリジナルCDとか欲しくなっちゃうから!(笑)。

 ここからネタバレします。

 なんでこんなに人気があるのかなぁと思ってですね(自分も気に入っちゃったし)、ちょっと考えてみました。やっぱりストーリーの中に女性が喜ぶ要素がいっぱいあるからじゃないかしら。例えば;

 ・ヒロインが非常に凛々しい性格である。そして不幸。
   →女に好かれるヒロインであることは重要です。不幸なら、なおさら味方になっちゃう。
 ・凛々しいヒロインが2人のイイ男(トートとフランツ)から愛される。
   →同時に多数の男から愛されるのは女の理想です。
 ・しかしヒロインはその愛に応えないので、男たちは長年にわたり彼女に必死で求愛し続ける。
   →これまた女の理想でしょう。
 ・愛としては成就するが、作品としては悲劇に終わる。
   →やっぱり愛は成就して欲しい。でも完全にハッピーになられちゃうと素直には喜べない!

 以上、女性のわがままな希望をことごとく叶えてくれています(笑)。嫌いになるところがなかったんですよね~。あ、髙嶋政宏さん演じる狂言回し的役割のルキーニはちょっと・・・苦手。

 内野聖陽さん。やっぱこの人に尽きます。もーね、ほんとにね、内野さん・・・エロ過ぎだってばっ(笑)!!エッチとかセクシーとかじゃないんです、エロなんですエロ!(少なくとも私にとっては!) 高くて柔らかい、あの声・・・あれが第一声だったものだから私は身震いしました。私にとっての内野さんは肉体派っていうか、ごっつい身体でガツンと見得を切るっていうイメージなので、完全に裏切られたんですよねぇ・・・。エリザベートの挙式後に歌う「最後のダンス」で完全にフォーリンラブでした。
 カーテンコールでつまづいたり(サービスで)、投げキッスしてくれちゃったりで客席沸きまくり。私も最後まで居ました。

 一路真輝さん。さすが宝塚の男役の方。動きに安定感があってシャキっとしてるし、見ていて安心です。細くて白くてきれい。歌は高音がよく出るなぁと思いました。

 石川禅さん(フランツ・ヨーゼフ。エリザベートの夫)。最初に若い役で出てきた時、なんで石川さんが!?と思ったんですが(だって可愛すぎる・・・笑)、年をとってからの演技&歌で納得。長い年月が過ぎ去ったことが身体を見ているだけでわかりました。

 浦井健治さん(王子ルドルフ)。内野さんとのデュエットにくぎづけ。無垢で真っ白、というか無機質な感じ。そそのかされて革命軍に入ってしまう、王子ならではの青さがうまく出ていました。自殺する時の表情、めちゃくちゃ素敵でした。オペラグラスで見てて良かった~。

 あとは皇后役の寿ひずるさんがさすがの貫禄で良かったです。

出演(メイン)=一路真輝/内野聖陽(Wキャスト)/山口祐一郎(Wキャスト)/髙嶋政宏/鈴木綜馬(Wキャスト)/石川禅(Wキャスト)/寿ひずる/村井国夫/浦井健治(トリプルキャスト)/パク・トンハ(トリプルキャスト)/井上芳雄(トリプルキャスト)/伊東弘美/春風ひとみ/藤本隆宏/笠原みち子/塚田三喜夫/治田敦/塩野魁土(Wキャスト)/苫篠和馬(Wキャスト)
出演(アンサンブル)=櫛田祥光/桜木涼/佐々木信彦/原田みのる/東山竜彦/森内遼/山田茂樹/山中大輔/青柳勝大郎/池田紳一/大谷美智浩/KENTARO/さけもとあきら/島田邦人/砂川直人/武内耕/俵和也/縄田晋/野沢聡/藤森徹/松澤重雄/森田浩平/秋園美緒/家塚敦子/一倉千夏/今宮多力香/小野佳寿子/柏木ナオミ/河合篤子/北林優香/栗原朗子/徳垣友子/長谷川美穂/Belle/丸山知津子/やまぐちあきこ
脚本・歌詞=ミヒャエル・クンツエ 音楽=シルヴェスター・リーヴァイ オリジナル・プロダクション=ウィーン劇場協会 製作=東宝株式会社 製作協力=宝塚歌劇団 後援=オーストリア大使館 東宝プロダクション監修:ウィーン劇場協会 演出・訳詞=小池修一郎 音楽監督=甲斐正人 美術=堀尾幸男 照明=勝柴次朗 衣裳=朝月真次郎 振付=島﨑徹・麻咲梨乃 歌唱指導=楊淑美・林アキラ 音響=渡邉邦男 演出助手=小川美也子・末永陽一 舞台監督=廣田進 オーケストラ= (株)ダット・ミュージック/東宝ミュージック(株) 指揮=西野淳 翻訳協力=迫光 プロダクション・コーディネーター=小熊節子 製作=岡本義次・坂本義和
S席13,000円/A席8,000円/B席4,000円
ダブル・キャスト、トリプル・キャスト公演。
キャストスケジュール参照=http://www.toho.co.jp/stage/elizabeth/cast_sche.html
公式=http://www.toho.co.jp/stage/elizabeth/welcome-j.html
イープラス特集=http://eee.eplus.co.jp/s/elisa05/

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Posted by shinobu at 01:06 | TrackBack