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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年06月24日

【舞台│阪神淡路大震災】実行委員会『舞台|阪神淡路大震災』06/23-27東京芸術劇場 小ホール1

 初演を見逃して残念に思っていたら、全国ツアーとして帰ってきてくれました。東京公演初日には中学生の団体も客席に。上演時間は約1時間30分。
 BACK STAGEのレポートあり⇒初演再演

 オープニングから息が苦しくなって涙がボロボロ・・・。地震災害のドキュメンタリー演劇作品として必見だと思います。
 6/26(月)、27(火)はまだ空席があるようです。どうぞお早めにご予約を!当日券の有無については公演当日に劇場ロビーにお問い合わせください。⇒03-5391-2111

 全国ツアーの記録(再演の上演台本を含む)が書籍になっています(Amazon)。劇場ロビーで特別割引販売をしていました。

舞台|阪神淡路大震災全記録
岡本 貴也著
三修社 (2006.2)
通常24時間以内に発送します。
 演劇の制作さんが読んでもかなり面白いんじゃないでしょうか。お薦めです。

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 私は大阪出身ですが震災の時は東京にいたので実体験はしていません。でも震災前の神戸を知っていましたし、地元の友人の体験談はほぼオンタイムで聞いていました。だから何を観ていても友達の顔、声、言葉、そして私の知っている神戸の風景が思い出されて、涙がどんどん溢れてきてしまいました。10年前の1月17日に私が何を感じ、何をしていたのか。ボランティアの若者の姿にそれを重ね合わせて、自分の無関心を恥じました。

 作・演出の岡本貴也さんが神戸公演本番寸前のインタビューでおっしゃっていたこと↓
 「伝えるべきは震災の知識ではないと思います。震災の中の人間、心の動きそのものを描き、感じてもらうことこそ、震災の記憶を残し、風化させないことにつながると考えています。」
  (書籍「舞台 阪神淡路大震災全記録」250ページ/NHK神戸 西ヶ谷力哉氏の特別寄稿より)

 この公演には素晴らしいキャッチコピーがついています。
 “……新聞やテレビでは伝わらない。けれど、演劇にはそれができる……”

 ここからネタバレします。

 少しゆるやかな暗転とともに、地震が起きた瞬間の轟音から始まります。なんて、なんて長いんでしょう。真っ暗闇でこんなにも長い間、揺れていたんですね。この瞬間だけでも私はこの公演の意義があると思いました。

 揺れが治まった時、目の前に広がった惨状。ひとときの静寂の後、すぐに襲ってきた業火。情けなくなるほどうまく運ばない救助活動。救いたくても救えなかった命。避難所生活の実態。
 ボランティアの若者と被災者との間の大きな認識の差については、私の友人が炊き出しに行ったりしていたので少しは耳に入っていました。でも、こうやってひとつのシーンとして演じて見せてくださったおかげで、熱と実体のある情報として私の中に入ってきてくれました。

 ラストシーンは新潟です。神戸で震災に遭った人たちがボランティアで助けに来て、自衛隊も10年前よりはずっと早く現地入りしていました。この作品が神戸と新潟をつなぎ、被災地で暮す人と私とをつないでくれました。

 ドキュメンタリー演劇としては、冒頭で書きましたとおり必見の作品ですが、ひとつの演劇作品としての感想も書いておこうと思います。

 前半の役者さんの演技は圧巻です。例えば、生き埋めになった息子を助けようとする母親を、男性が火の手から逃がそうとする(息子から引き離そうとする)シーンは、その周りの住人を演じる方々も含めて、大熱演でした。叫び声も、うろたえ走り回る様子も、全身全霊かけて表現してくださっているように見えました。
 ただ、早口でどなるために言葉が聞き取れない人もパラパラといらっしゃいましたね。後半は少しずつわざとらしさが目に付いてきて残念。演出のせいもあるかと思いますが。

 カーテンコールの演出については、20人もの出演者を一人ずつクローズアップさせる必要はないように思いました。構成上、お客様に2度の拍手をもらうことになっていましたが、すっきりと終わった方が、ドキュメンタリーとしての印象をより強く残すことができる気がします。

≪新潟、盛岡、仙台、神戸・西宮、東京 ※学校公演(2005年)新潟1高校、岩手5中学校≫
出演=以倉里江子、井上由紀、岩下貴子、上田秀和、上村敬治、魚谷佐知子、岡出美穂、荻原政樹、尾前憲一、五辻真吾、佐藤ゆず、塩田憲義、志田健治、高橋幸生、杉田稔之、野地将年、藤波恵、藤野友美子、星ようこ、松本昇大、間宮知子(声)、※高石ともや(歌)は降板。
脚本・演出=岡本貴也(神戸出身・劇団タコあし電源) 照明=藤田典子 音響=玖島博喜 美術デザイン=木村文洋 録音=窪田健策 舞台監督=間庭隆治、和田豊 チーフ・プロデューサー=岡本貴也 プロデューサー=田崎奈央、五十嵐智夫(JIN-X) 広報=五十嵐葉子 制作=志田健治 制作助手/近藤侑里子、石坂いつか、岡田圭二 製作=【舞台|阪神淡路大震災】実行委員会
前売り3500円/当日4000円(全席指定) 高校生以下、500円引き
劇団タコあし電源=http://tacoashi.com/

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Posted by shinobu at 2006年06月24日 16:55 | TrackBack (0)