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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年08月19日

ハイリンド『牡丹燈籠』08/16-20「劇」小劇場

 かっちょいいチラシが超目立っている、ハイリンドの第二回公演です(⇒第一回公演のレビュー)。三遊亭円朝(Wikipedia)の怪談『牡丹燈籠』を2時間15分の現代演劇に。『牡丹燈籠』というと、山の手事情社公演でも観たことがあります。(『牡丹燈籠』関連⇒

 ものすごく濃い、濃い、濃い時間でした・・・とにかく役者さんが素晴らしい!落語のように一人何役も演じていきますが、その一人一人のリアルさったらもう!!上演中に心臓がバクバクしちゃって、途中で手を胸に当てて目をつぶって、心を静めなければならないぐらいでした・・・。終演した時にはぐったり疲労困憊で朦朧となり、足もふらふら・・・(苦笑)。
 上演時間は2時間15分、休憩なしでしたが、これは紀伊國屋ホールなどの中劇場で、休憩15分を挟む2時間30分でやってもらいたいクオリティです!

 満員御礼に近い状態のようです。どうぞご予約はお早めに。そして体調を整えて、腹ごしらえをして、開場時間には劇場に着くようにお運び下さい!全席自由席ですので・・・背もたれがない席はこたえると思います。
 レビューをアップしました(2006/08/20)。

 Yahoo!動画ハイリンド「牡丹燈籠」ノーカットです。(2007/06/23)

 カラフルな着物姿の役者さんが落語家のようにとことこ登場し、座布団に座って語り始めます。あらすじは山の手事情社公演のレビューでどうぞ。

 役者さんは言葉と動きのひとつひとつについて、しっかりと根拠のある演技をされていました。舞で(セリフなしで)恋心を表したり、長い長い物語を簡略化する演出も美しく機能していました。
 怪談、人情話などのジャンルがどうであれ、描かれているのは人間なんですよね。人間の本物の心理と行動が舞台上にあるかどうか。まずこのことが重要だ(舞台作品の大前提ではないか)と、今、私は思っています。この作品についてはそれがありました。ありすぎるぐらいに(笑)。このシーンが良かった、あのシーンで泣けた、などと挙げればきりがありません。ただでさえギュっと凝縮された『牡丹燈籠』ですから、毎分、毎秒のごとく、人間の発火するような感情と行動に触れ続け、観ている方が息も絶え絶えでした(笑)。

 ここからネタバレします。

 選曲が奇抜でしたね。エルトン・ジョンの「Your Song(僕の歌は君の歌)」(⇒視聴できます)は・・・ちょっといただけないなーと思いました。意図は受け入れられないわけじゃないんですが、メジャーすぎるんじゃないかな、と。井上陽水などがかかった時は、もう「Your Song」で免疫ができたのでそれほど衝撃はなかったです。でも、芝居の中から追い出されるぐらいの音楽のせいで、あの異常なほどの没頭から逃れられたと思えば、私にとってはちょうど良かったのかもしれません(笑)。

 多根周作さん。飯島家の主人、平左衛門役。細かい部分に綿密な役作りが見えます。もーその心が痛いほど伝わってきて涙ボロボロ・・・。孝助の母親役にもしびれました。
 はざまみゆきさん。飯島家に奉公する孝助役。潔い一途な思いが清く、青く光り、胸に突き刺さりました。
 伊原農さん。萩原新三郎を裏切る伴蔵役。後半の情けなさ、いやらしさが色っぽさまで届きました。愛嬌のある方ですね。
 枝元萌さん。伴蔵の妻おみね役。わかっているのに、気づいているのに、でも引き込まれてしまうお約束を完璧に見せられる人。やっぱり呼吸も素晴らしい。
 斉藤範子さん。平左衛門のめかけのお国役。悪女の色気炸裂!一人語りのあまりの艶っぽさにのめり込んじゃいました。
 小林高之さん。お露と恋に落ちる萩原新三郎役。一目ぼれのアノ瞬間!!!あぁ、時間が止まりました!恋、恋、恋!
 谷村実紀さん。萩原を愛し、焦がれ死にするお露役。舞う姿を見つめるだけで息が苦しくなり、でも目が離せなくって、心拍数が上がっちゃいました・・・!こんなに切なくせまられたら、私も死んでいいと思っちゃうかも。
 中原三千代さん。お露の世話をするお米役。扉座で拝見する役どころに近いけれど、こんなに生き生きとしてらっしゃるように感じたのは、初めてかもしれません。

出演=伊原農/枝元萌/多根周作/はざまみゆき/京極圭(東京ヴォードヴィルショー)/小林俊祐/小林高之/斉藤範子(Theatre劇団子)/谷村実紀/中原三千代(扉座)
作=三遊亭円朝 演出=西沢栄治 舞台監督=井関景太(るうと工房) 照明=豊山ゆうこ(y/s company) 音響=高橋秀雄(Sound Cube) 音響オペレーター=岡田悠(Sound Cube) 舞台美術=向井登子 衣裳=阿部美千代 所作=若柳絵莉香 殺陣=岡村まきすけ 宣伝美術=西山昭彦 スチール=夏生かれん 舞台監督補=鈴木晴香 稽古場助手=竹下好幸/川和恵里賀 Webデザイン=古川健司/薮地夏子 制作=竹内佐江(Double Decker)
一般前売り3300円 当日3,500円 賛助会員2300円(入会者ご本人様分のみ)
公式=http://www.hylind.net/

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Posted by shinobu at 2006年08月19日 00:44 | TrackBack (0)