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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年10月05日

M&0playsプロデュース/オリガト・プラスティコ『漂う電球』09/28-10/09本多劇場

 映画監督としても有名なウディ・アレンの戯曲をケラリーノ・サンドロヴィッチさんが演出。オリガト・プラスティコはケラさんと広岡由里子さんのユニットです。
 ウディ・アレンの映画だと私が観たのは「アニー・ホール」「カイロの紫のバラ」「ハンナとその姉妹」ぐらいですかね。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 1945年のブルックリン。内気でさえない少年・ポール(岡田義徳)は、自宅アパートの一室に閉じこもって手品の練習をしている。そこはポール一家が暮らしているアパート……貧しさのために絶望と怠惰の空気が漂っている。母親(広岡由里子)と父親(伊藤正之)は喧嘩ばかり。弟(高橋一生)は不良で、父親には若い愛人(町田マリー)がいる。母親は言う。「ポール、あなたは天才なのよ」。この暮らしを何とか脱出したい彼女は、かつてIQテストで高得点を取ったポールに明日の希望を賭けている。
 ある日、母親は知人のつてで、芸能界の大物エージェント・ジェリー(渡辺いっけい)と知り合いになる。チャンス到来。彼女はジェリーを自宅に招いて、ポールの手品を見てもらい、彼を芸能界にデビューさせることを計画する。拒否するポール。そしてその日、ジェリーは一家が住むアパートにやって来た。
 ≪ここまで≫

 “ウディ・アレン版「ガラスの動物園」ともいえる、家族の物語”とありますように、たしかにテネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』と登場人物の設定が似ています。広岡由里子さんが演じる母親はほんっとにウザくて(笑)、『ガラス・・・』に出てくる母親と被りました。
 ウディ・アレンの映画では、自堕落で不幸な状態にハマりっぱなしのアメリカ人の生活感がにじみ出てると思うのですが、それと似たムードが感じられました。ただアレンの映画では、どん底なのに“のほほん”としてるのが可愛らしいんですけど、この舞台ではそういう柔らかさがなかったですね。

 で・・・すみません、途中休憩で帰って来てしまいました・・・。予定どおり、約束どおりに役者さんが動いているように感じて、退屈してしまったんです。2時間30分という上演時間(休憩が何分だったかは失念)にも萎えちゃったんですよね。

 ここからネタバレします。

 美術(磯沼陽子)がかっこよかったです。家の中を仕切る壁は斜めだけれど、二階部分のレンガの壁は舞台と平行なんですよね。そういえば『隣りの男』も美術は磯沼陽子さんでした。

 最初に“漂う電球”がまさに出てきます。ポール(岡田義徳)が丸くて大きな電球を、手品のように自在に操るのですが、それがとても幻想的できれいでした。全体的に暗いから物悲しくもあり、メガネをかけた岡田さんが可愛らしかったです。

 【観劇途中で席を立つことについて】
 野田秀樹さんが、イギリス留学から帰国された頃のインタビューで、
 「日本の観客はつまらなくても最後まで観て拍手までしちゃう。それが日本の演劇が育たない理由(のひとつ)だ。イギリスの観客はつまらなかったら途中で帰るよ。」
 という意味のことをおっしゃっていました(どこかの雑誌で読んだおぼえがあります)。
 それまで私は「どんな作品も最後まで観るのが礼儀だ」と思っていたのですが、野田さんの言葉に衝撃を受け、自分の考えを改め、イギリスの観客のようになろうと決めました。
 ※「途中で帰りました」と公表しているレビューは私が観たところまでの感想です。

~THE FLOATING LIGHT BULB~
≪東京/大阪/名古屋/神奈川/宮崎/福岡≫
出演:岡田義徳 高橋一生 伊藤正之 広岡由里子 町田マリー 渡辺いっけい
作:ウディ・アレン 訳:鈴木小百合 演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 美術=磯沼陽子 舞台監督=幸光順平 照明=岩品武顕 音響=藤田赤目 衣裳、宣伝衣裳=山本有子(ミシン・ロックス) 衣裳助手=松本夏記(ミシンロックス) 演出助手=相田剛志 演出部=望月有希/村上勇作 ヘアメイク、宣伝ヘアメイク=近藤ゆみえ マジック指導=ヒロサカイ 宣伝美術=坂本志保 宣伝写真=三浦憲治 映像=上田大樹 大道具=C-COM 特殊効果=(株)特効 ダンス振付=長田奈麻 主催=(株)森崎事務所M&Oplays
前売り 5,500円 / 当日 5,800円(東京・大阪)
公式=http://www.morisk.com/
ぴあ=http://info.pia.co.jp/et/promo/play/origato_bulb.jsp

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Posted by shinobu at 2006年10月05日 21:38 | TrackBack (0)