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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年12月13日

新国立劇場演劇『エンジョイ』12/07-23新国立劇場小劇場

 チェルフィッチュの岡田利規さんの新作『エンジョイ』の二度目を観て来ました。非正規雇用労働者の若者を描く四幕劇。初日は舞台正面の席でどうしても納得がいかず、二度目は舞台横(上手側)の席をゲット。

 初日は退屈だった第三幕で大号泣し、そして第四幕で心にぐっさりと痛い、悔しい、わだかまりを残してくれました。上演時間2時間は少々長い目ですが、素晴らしい作品です。

 ただ、座る席によってこうも感想が変わってしまうのは・・・残念。これからご覧になる方には、舞台サイドの席(個人的には舞台に向かって右側サイド)をお薦めします。座席図はこちら
 今日は当日券に長蛇の列ができていました。チケット予約はお早めに!

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 ネタバレ前までレビューをアップしました。

 黒い劇場内に白い装置がある、モノトーンでシャープな印象の美術です。凸型の舞台を凹型に客席が囲みます。観客に挟まれたステージは舞台奥に向かってスロープ状に彫られており、いわば逆・八百屋舞台ですね。正面を見上げると大きな画面。舞台上でビデオ撮影する映像がそのまま映写されたり、ニュースの映像(ドキュメンタリー?)や文字も映ります。

 チェルフィッチュならではの若者のだらだらとした動きと話し方は顕在。コミカルな振付に見えたり、呼吸して変化し続ける人間そのものが感じ取れたり。
 一人の役者さんが演じる役柄がするりと違う人物にスライドしていき、“自分じゃない誰か”の話ではなく、“どこにでもいる誰か=自分”の話になります。

 チェルフィッチュ作品でこれまでも感じてきたことですが、誰かに向かってとりとめもなく、つらつらと、長く、長く話し続けることで、その人の気持ちがまるで硬くて大きな塊のようになって、身体から湧き出してくるんですね。
 湧き出すように感じるのは最初のうちで、対話が始まった時にはそこには身体や言葉よりも、感情という怪物が確かに存在して、互いに捨て身になって血も涙もない戦いを始めます。思いやりという名の怪物同士がぶつかりあって、互いの身体から血を吹き出して、もう息も絶え絶えになっているのに、さらに攻撃を加えあって・・・。小さな、小さな、二人の会話が私には巨大な戦争に見えて、自分で言うのもナンですが、熱い涙がずっとずっと目から絞りだされてきて止まりませんでした。

 私が観た回は作・演出家いわく「不調」だったようですが、私にはよくわかりませんでした。2度目だからかもしれませんが。ただ、役者さんによっては「あぁ、セリフをしゃべってるなぁ」と退屈になる時もありました。それは確かに残念だったけれど、そんなことは終演の時には頭からすっ飛んでました。

 岡田さんが「『エンジョイ』の参考文献とかではなくて、『エンジョイ』の原作だ、というのがいちばん正確なのだろう」とおっしゃる本がこちら↓

フリーターにとって「自由」とは何か
杉田 俊介著
人文書院 (2005.10)
通常2-3日以内に発送します。

 私は初日の前に買って、著者の杉田俊介さんの正しい激昂に息苦しさを感じながら、重要だと思う箇所に赤い線を引きまくって4分の1ぐらい読んでいたのですが、初日を観てから、読むのを休むことにしました。2度目を観終わってから読んだ方がいいなと思ったので。杉田さんの言葉は強く、激しく、そして正確で、私が演劇を楽しむには重すぎました。これからまた読み始めます。

 ここからネタバレします。後ほどアップ予定。

出演=岩本えり/下西啓正/田中寿直/南波典子/松村翔子/村上聡一/山縣太一/山崎ルキノ/山中隆次郎
作・演出=岡田利規(チェルフィッチュ) 美術=伊藤雅子 照明=大平智己 音響=福澤裕之 衣裳=koco 舞台監督=米倉幸雄
THE LOFT 全席指定4,200円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000119.html

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Posted by shinobu at 2006年12月13日 00:39 | TrackBack (1)