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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年12月20日

贅プレビュー公演『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』12/15-17中野MOMO4階稽古場

 イキのいい劇団の主宰ばかりが集まって、何やら新しい試みにチャレンジするようです。無料のプレビュー公演に伺いました。ハイバイ『無外流 津川吾郎』と同じく、プレビューを観た観客の感想が公式サイトに載っています(本チラシに掲載されることもあるそうです)。
 本公演:2007年1月16日~21日@ギャラリーLE DECO

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 イキウメ『短編集 Vol.1-図書館的人生-』の中の一編『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』を取り上げていました。贅のメンバー以外に多田淳之介さんも参加されています。多田さんも劇団の主宰ですね。

 プレビュー初日は恐る恐るの手探りムードが漂っていましたが、観ているうちにやりたいことがわかってきて、一緒にハラハラすることができて(笑)、楽しかったです。
 私は『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』のストーリーがわかっていたので、少し退屈ではありましたね。本公演は前川さんの書き下ろし新作が観られるそうですので、とても楽しみです。

 ここからネタバレします。

 出演者が下手の事務机を囲んで座わった状態で、ゆるゆると『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』の本読みが始まります。セリフを覚えて演技をする人もいますが、基本的に“台本を読んでいる”状態を観客に見せます。
 それが終わると、役者さんが台本を置いて舞台に出てきて、立ち稽古のように『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』が上演されます。つまり同じ脚本を2度やるんですね。2度目がいわば“贅肉がついていて贅沢な”おまけつきなのです。

 神埼という女(岩井秀人)がビルの屋上から飛び降り自殺をしようとしているのですが、岩井さんは2段だけ積み上げられた箱馬に乗っており、すぐ下の床を眺めながら“飛び降り自殺しそうな女”の演技をします。観客は“演劇の嘘”を受け入れて「あぁ、ここは屋上という設定なんだな」と素直に信じます。なのに岩井さんは、わざと前方によろけて稽古場の壁に頭をぶつけたのです。これは可笑しかった~。その後さらに「屋上から飛び降りようとする」演技を続けつつ、倒れそうになったら壁に手をついてふんばったりも(苦笑)。
 他にもラー油の瓶(だったかな)をUSBメモリに見立てたり、脚本の前提を崩していくアイデアやアドリブ的要素を盛り込んで、終盤では出演者が突然一人増えたりもしました(神崎役に酒井若菜さんが参加)。

 演劇なのですから、段取り通りに進むことはもちろん悪いことではないです。でもこういう企画なら、段取りは段取りとしてもっとわざとらしく作りこんでくれたらいいなと思いました(振付どおりに踊るとか)。予定されたのであろうハプニングは、もっとハプニングらしく見せて欲しいし、できれば本当のアドリブをもっと沢山入れて欲しいですね。
 でも贅というユニットがこれからやろうとしていることは、よくわかりましたし、無料でここまで楽しませてくださったことには満足でした。

出演=板垣雄亮(殿様ランチ)/岩井秀人(ハイバイ)/瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ)/多田淳之介(東京デスロック)/酒井若菜(ハイバイ)
作=前川知大(イキウメ) 演出=不在
料金:無料!
公式=http://zeiniku.net/

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Posted by shinobu at 2006年12月20日 17:55 | TrackBack (0)