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しのぶの演劇レビュー
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2006年05月23日

デラルテ舎『コメディア・デラルテ「プルチネッラ~その生と死と復活~」』05/23-25シアターX

 コメディア・デラルテとはイタリアの伝統的な仮面喜劇のこと。私は箱根ガラスの森ではじめて「コメディア・デラルテ」という言葉を知ったんですよね。本場のものを観られるということで初日に伺いました。
 上演時間は約1時間35分。日本語、イタリア語、英語がまざった環境で字幕やイヤホンガイドはありません。英語がわかるとかなり楽しめると思います。

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 舞台に登場するのはプルチネッラ役のアントニオ・ファーヴァさん、共演者(さまざまな女性を演じる)の光瀬名瑠子さん、そしてピアノとアコーディオンを演奏する紳士(お名前を失念)の3人のみ。とにかくいっぱい笑わせようとしてくださいます。最初はノリについていけなくて構えてしまったのですが、徐々にアントニオさんの愛嬌にすっかりほだされて(笑)、楽しく嬉しく過ごさせていただきました。
 昨日『やわらかい服を着て』を観たばかりなので、こういう海外の人との交流の大切さが身に沁みます。言葉が通じなくても笑いは共通なんですよね。同じ空間で一緒に笑ってるこの平和・・・感謝です。

 コントだし、漫談だし、レビュー(歌)だし、パントマイムだし、一人芝居だし、対話演劇だし・・・アントニオさんの芸の素晴らしさが徐々にわかってきました。声のバリエーションがすごく豊かです。口をつかった擬音もいっぱい。
 下記、構成を簡単に。ネタバレしますが、お読みになってから観に行っても大丈夫だと思います。


●第1景 はじまりはじまり (音楽ではじまる。)
 最初にさっそうと登場した紳士がいきなりピアノの横でつまづきました。ほんっと、そういう細かいところから笑いを盛り上げてくれます。

●第2景 理想の女性 (カネリアを想うプルチネッラの悲恋)
 アントニオさんがイタリア語、光瀬さんが日本語で話すので少々戸惑いました。この世界に慣れるまで時間が掛かりましたね。お下品だし(笑)。でも観客は最初っからすごく笑ってたな~。イタリア語がわかる人が多かったんでしょうね。

●第3景 いつもの女 (ツァッツァが愛人と戯れる。夫のプルチネッラがそれを目撃して惨劇に。)
 寝取られ男=プルチネッラは角の生えた帽子を被っていました。やっぱり角が生えるんだねー。
 妻を殺して自分も死ぬという恐ろしい結末だったのですが、手法自体を笑いにしていくので悲しさとか全く感じないんですよね。冷静に眺めてジョークやコントとして楽しみました。

●第4景 いんちきナポリタン (ナポリ方言の歌。でも本当にナポリタン?)
 アントニオさんがお一人で歌うんですが、めっちゃくちゃ素敵でした!歌う前に英語でお話してくださったのも面白かった~。パッション(情熱)!

●第5景 カピターナとプルチネッラ (戦争だ。女が命令すれば、仕事なんだ。)
 幸せな結婚をしたと思ったら無理やり仕事に行かされ、戦争が始まったら有無を言わさず兵隊にならされ、不在中に妻は浮気するし、プルチネッラの人生はふんだりけったりです。そんな悲惨な状況をほぼ形骸化させてしまって、どたばたな笑いを作っていきます。「いっぱい笑ったけど、冷静に考えたら悲しい話だよね」って、観終わってから想像するような感覚です。
 「死ぬ前に何をしたいですか?」と聞かれた観客の男の子が「おなか一杯ご飯を食べたい」と言ってました。なんて素朴な(笑)。

●第6景 井戸 (ある男と女と井戸の悲惨な物語)
 井戸のお話の間に漫談のようなものが入っていて、それがめっちゃくちゃ面白かった!
 イタリア(アントニオさんの故郷のカラブリア)、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、スペインなど、それぞれの国の言葉で「I KILL YOU」コントを見せてくれます。最後に日本版を観客とやろうとしたのですが、英語がわからない方だったのでアントニオさんが四苦八苦。申し訳ないですが爆笑しちゃいました。ヨーロッパの三大不思議も面白かったな~。
 
 井戸のお話とは、30年間口をきかず別居中の夫婦がケンカして、夫が妻を深い井戸に落として殺してしまうという恐ろしいものでした。でも笑えるんだな~。

●第7景 死神~フォスカ
 ガイコツの仮面をかぶった黒装束の女=フォスカが登場。これはプルチネッラに死が訪れたってことなんですね、今、書てて気づきました。そう、それぐらいにストーリーや設定が表に出てこないんです。あくまでも楽しく笑える見世物なんですね。

●エピローグ プルチネッラたちの祈り
 アントニオさんがイタリア語で話されるのを光瀬さんが日本語で同時通訳する形でした。感動しました。
 「この街の、この劇場に、このイスを作ってくれてありがとう。そしてそこに座ってくれるお客様、ありがとう」
 「私はあなた(神)がいるとわかる場所にいるようにする。それがここ(劇場)です。」

作・演出・主演=アントニオ・ファーヴァ(Antonio Fava) 共演 con/with=光瀬名瑠子(Naruko Misse)/ピアノAl piano/at the piano=クラウディオ・マッティオーリ(Claudio Mattioli) ※演奏者は交代した可能性あり(未確認)。
製作=TEATRO DEL VICOLO - Dina Buccino 制作=テアトロ・デル・ヴィコロ/デラルテ舎 後援=イタリア文化会館/財団法人日伊協会/社団法人国際演劇協会(ITI/UNESCO日本センター) 協力=アリタリア航空/財団法人セゾン文化財団 主催=デラルテ舎
3月25日(土)一般前売開始 前売り4,500円 当日5,000円(全席自由・税込)
公式=http://www.dellarte-c.com

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Posted by shinobu at 23:36 | TrackBack

新国立劇場演劇『やわらかい服を着て』05/22-06/11新国立劇場 小劇場

 永井愛さんの新作です。吉田栄作さんの初舞台出演というのも話題ですね。一人を除いてみんな若手キャスト。これまでの永井さんのお芝居とはひとあじ違う仕上がりでした。

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 ≪あらすじ≫ パンフレットより一部引用。
 物語は2003年、イラク戦争開戦前夜から現在(イラク戦争開戦から丸3年にあたる2006年3月2日)までの、メンバーたちの活動の軌跡を追う。反戦運動の高揚、イラクでの日本人人質解放や医療支援に向けての行動と挫折、そして再生への葛藤。グローバルな視点で人類の幸せを願い続ける若者たちのハードな日常が展開していく。
 ≪ここまで≫

 NGO「ピース・ウィンカー」の若者たちの、2003年から2006年までの内の4日間にスポットが当てられた4幕劇でした。舞台は彼らが借りている倉庫。

 永井さんが実在するNGOの方々を取材して、それを元に作劇されたようですね(パンフレットより)。また、実在したラナちゃんというイラクの女の子のことをそのまま使われています。イラクの子供たちの絵がロビーにも多数展示されていました。イラク戦争のこと。私はよく知らないんだなーとしみじみ反省しました。多面的な知識が得られてありがたいです。
 というわけでこの作品は、私にはドキュメンタリーに近いように感じられました。私がいつも永井さんに期待する演劇的な出会いではなかったですが、観て良かったです。

 ※ここからネタバレします。

 最後に吉田栄作さんが言われた長いセリフの中のひとつが胸に残りました(セリフは正確かどうか不明)。
 「殺し合わず、話し合おう」
 大きな円形のテーブルにつどう若者たちは、それぞれが世界の国々のようでした。「やめる」って言わないで、「さようなら」って言わないで、世界中の人たちとゆるやかにつながり続けて、この地球で一緒に生きて行きたいと思いました。

 オープニングは2003年2月16日の早朝でしたが、朝だと思えませんでした。雨が降っているとも感じられず。舞台(倉庫)がすごく広く見えたのも残念。役者さんの一人一人がまだ空間にしっかりと存在できていないのではないでしょうか。でもこれは初日だからかもしれませんよね。6/11まである公演なのできっと良くなるのでしょう。

 半年間勝手に休んでいた千秋(月影瞳)がフラリと戻ってきたとき、メンバーがこびて、すがって歓待するのに違和感を覚えました。千秋の位置づけがよくわからなかったです。
 夏原(吉田栄作)と千秋が婚約者同士に見えづらかったり、夏原と新子(小島聖)のアヴァンチュールの色香が少なかったり、この三角関係には物足りなさを感じました。夏原と新子と純也(粟野史浩)の三角関係はムードがあって良かったですね。粟野さんの存在がヴィヴィッドだったからだと思います。

 吉田栄作さん。リーダー夏原役。背も高いしハンサムだし、ひきしまった体が美しい方でした(笑)。でももうちょっと壊れた演技をしてくれないと物足りないですね。ギターの弾き語りは・・・私はない方がいいと思いました。“スターさん”っていう印象が強くなってしまったので。とてもお上手なんですけどね。
 小島聖さん。元気はつらつの新子役。いったいなぜ?って不思議になるほど、いつもピカピカ光ってらっしゃいます。今作でもしかり。
 粟野史浩さん。気性の激しい純也役。面白かった!!感情むきだしで、それがそのまま体と行動に出てしまう性質を、見事に体現されていました。
 大沢健さん。零細企業の会社員(だった)大吾役。ポロっと柔らかくこぼす一言に重みがあります。大沢さんがいらっしゃるだけで空気が和みました。
 泉陽二さん。経理系の仕事人・礼史役。ギスギス気味のまじめ君キャラが良かったです。
 山中崇さん。新入りの宙太役。柔軟でみずみずしい存在感が素晴らしかったです。報告会の練習をするシーンで、演技のバリエーションの多さを見せ付けてくださいました。呼吸を読むのがお上手だと思います。

出演=吉田栄作/小島聖/粟野史浩/月影瞳/大沢健/でんでん/泉陽二/山中崇/日沖和嘉子/丸山桂
作・演出:永井愛 美術:大田創 照明:中川隆一 音響:市来邦比古 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:西川直子 演出助手:鈴木ひがし 舞台監督:澁谷壽久
一般発売日:2006年4月15日(土) A席5,250円 B席3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000103.html
吉田栄作 Blog=http://www.watanabepro.co.jp/blog_artist/yoshidaeisaku/

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Posted by shinobu at 12:45 | TrackBack