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REVIEW

2007年11月19日

感劇市場2007・Premier Acte『MACONDO』11/18学習院女子大学 やわらぎホール

 学習院女子大学の学生が運営する感劇市場メルマガ11月号でもご紹介しました。学習院女子大学に訪れるのはOrt-d.d『こゝろ』以来です。Premier Acte『MACONDO』は フランスでご覧になった方のお薦め があって観劇を決心。

 やわらぎホールが満員でした。無料配布パンフレットがものすごく豪華!上演時間は約1時間15分。こちらで映像が観られます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『MACONDO

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 二人のジプシーが砂漠の座礁した舟のそばに身を隠していた。
 網の中には若いエレンディラが眠っていた。ジプシーたちは舟の上にのぼり、マコンドと呼ばれる村の奇妙な物語を話し始める。
 エスティバンという世界で一番美しい水死者の物語。
 羽をむしられ墜落した天使だという背に翼をもつ老人の物語。
 そして無垢なエレンディラと非情な祖母の不思議で悲しい物語。
 ≪ここまで≫

 ガルシア・マルケスの小説「巨大な翼を持った老人」「この世で一番美しい水死人」から3の物語を語りで見せてくれます(「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」も入っているはず?)。
 人が舞台に立っているだけでそこに世界が立ち現れるのをガツンと見せ付けられました。言葉ってすごい、声ってすごい、身体ってすごい。役者って素晴らしいな~。

 字幕はあるのですが、かな~りはしょられていて、あらすじがぼんやりわかる程度。語られる内容をすべて日本語訳した(のであろう)資料をしっかり読んでから観たので、困ることはありませんでしたが、役者さんと一緒に笑ったり驚いたりできなかったのは残念。

 感劇市場2007ではこの約1ヶ月間に9企画(13公演)が上演されます。ラインナップの豪華さは目まいがしそうなぐらいだし(笑)、チラシのデザインもポスターもかっこいいし、会場への案内・受付なども全く問題なし。全席自由・来場順入場なので開場前に階段に並ばされるのは、まあ仕方がないと思います。
 これを学生がやってるなんて感動的です。ぜひ継続して開催していただきたいフェスティバルですね。

 次は『コヨーテ・ソング』(12月9日(日)19:00開演)に行きたいな~・・・と思ったんだけど、日程的に難しいかも(涙)。

 ここからネタバレします。

 「背に翼をもつ老人の物語」の終盤で天使が飛んだ瞬間、世界がパっと晴れやかに変化したのがとても楽しかった。
 仮面を被った役者さんがエレンディラを身体表現のみで演じるのですが(セリフは他の役者さんが話します)、彼女の体の痛みや心の苦しさが直接的に伝わってきて、つらくなりました。

学習院女子大学感劇市場2007参加作品 Compagnie Premier Acte(プルミエ・アクト)
出演=Aude PELLIZZONI(オード・ペリゾーニ)、Deborah LAMY(デボラ・ラミ)、Catherine VIAL(カトリーヌ・ヴィアル)
原作/ガブリエル・ガルシア=マルケス「巨大な翼を持った老人」「この世で一番美しい水死人」 演出/Sarkis TCHEUMLEKDJIAN(サルキス・チュームレクドジアーヌ)  美術/Azad GOUJOUNI(アザッド・グジュニ) 音楽/Gilbert GANDIL(ジルベールガンディル) 音響/Bertrand NEYRET(ベルトラン・ネレ) 衣装/Marie-Pierre MOREL LAB(マリー・ピエール・モレル・ラブ) 照明/Guillaume NOEL(ギヨム・ノエル) 翻訳:芳野まい 田中晴子
【発売日】2007/10/15 一般/2,500円 学生/1,000円 学習院学生・生徒・教職員/無料
http://www.kangeki-ichiba.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 2007年11月19日 00:57 | TrackBack (0)