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しのぶの演劇レビュー
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2007年12月01日

【写真レポート】劇団四季『ミュージカル「ウィキッド」』12/01電通四季劇場[海](開場5周年記念ステージ)

 劇団四季のミュージカル『Wicked(ウィキッド)』に行ってまいりました。アメリカでの初演は2003年。日本では劇団四季により今年の6月17日からロングラン中です。

 まずは何といっても迫力の歌唱力!装置も衣裳も豪華だしダンスもきれい!すっかり没頭して楽しませていただきました。上演時間は約2時間55分(途中20分の休憩含む)。
 本日は電通四季劇場[海]開場5周年記念の特別カーテンコールもありました。舞台写真を頂戴しましたので、ぜひご覧下さいませ♪

 ボーム作「オズの魔法使い」を知っていればより楽しめます。ジュディー・ガーランド主演の映画「オズの魔法使い」も良いですね。

 CoRich舞台芸術!『ウィキッド

 ↓カレッタ汐留は久しぶり~。昨年の今頃はお隣の駅が勤務先の最寄り駅だったんです。でも電通四季劇場[海]に来たのは初めて。
20071201_shiodome_building.JPG

 『ウィキッド』をイメージした緑の電飾はお昼間なので点灯してませんでした。ちょっと残念。

 ↓ポスターが貼られた階段を登って入口へ。
20071201_shiodome_stairs.JPG

 ≪あらすじ≫ より詳しい内容は公式サイトでどうぞ。
 ドロシーが西の悪い魔女ウィキッド(樋口麻美)を退治して、オズの国に平和が訪れたところから幕開け。良い魔女グリンダ(沼尾みゆき)がウィキッドとの昔話を始めます。2人は大学の同級生だったのです・・・。
 ≪ここまで≫

 劇団四季のミュージカルは約15年前の青山劇場での『コーラスライン』が初体験で、先日の『キャッツ』に続いて今回で3作目。『ウィキッド』は数年前からブロードウェイで話題になっていたのを耳にしていましたし、今年の春からかっこいいイラストのポスターが気になっていました。でも前知識は「『オズの魔法使い』の魔女のお話だ」ってことだけ。頭がほぼ真っ白な状態で客席に着きました。

 『キャッツ』のようにテーマパークのアトラクション的なものなのかしらと思ったら、全く違いました。ミュージカルならではのしっかり計算された音楽と歌詞、一貫したスタイルを持つ豪華な装置と衣裳、そして現代社会をさまざまな角度から風刺したストーリー。ルールどおりに動く人形のような演技をされる役者さんに戸惑うこともありましたが、徐々に彼らを通してある枠組み(システム?)の奥の世界を感じ取ることができるようになりました。

 第1幕ではまずハイレベルな歌と踊りに魅せられました。そして猛スピードで展開するストーリーの裏側に、傷つけあってきた人間の歴史や、今を生きる2人の女の子の葛藤と変化が鮮やかに胸に届いて、何度も落涙。第2幕は残酷さが増すのでちょっと引き気味になりましたが、「オズの魔法使い」の原作に近づいていくエピソードのひとつひとつを面白く拝見しました。

 やっぱり・・・歌唱力って大事ですね。私が今までに観てきた日本人が出演するミュージカルの中で、ぶっちぎりNo.1の技術を見せつけてくださいました。※私はミュージカルはあまり観ない方なので、あくまでも個人的な尺度ですが。

wicked1.JPG

 電通四季劇場[海]開場5周年記念 特別カーテンコール(写真提供:劇団四季)

wicked2.jpg

 電通四季劇場[海]開場5周年記念写真(写真提供:劇団四季)

 ここからネタバレします。

 肌が緑色で醜いけれど、素晴らしい魔法の力を持つエルファバ(樋口麻美)と、白い肌に映えるブロンドヘアなど美しい容姿を持っているけれど、ちょっとお馬鹿さんなグリンダ(沼尾みゆき)。正反対の女の子2人を中心にすえた物語です。
 “ウィキッド”とはエルファバを悪者にしたてあげるために勝手に名づけられた名前。「邪悪な~、悪人の~」などの意味があります。

 “オズの魔法使い”ことオズ大王こそが動物から言葉を奪った犯人だとわかり、エルファバ(樋口麻美)は王に対して反旗を翻します。オズの兵士たちの追っ手から逃げる間、ハラハラどきどきするような暗くて緊迫感のある音楽が流れるのですが、エルファバは「やっと自由になれた!」と歓喜の表情で歌い上げます。このシーンの音楽、歌詞、演技(表情)の対比が素晴らしかったです。

 第2幕からライオン、ブリキのきこり、かかしなど、ドロシーの道連れとなるキャラクターのエピソードが出てきます。たつまきに飛ばされた家の下敷きになったエルファバの妹ネッサローズ(山本貴永)は、つまり東の悪い魔女だったんですね~。もう1回観ると他にも色々わかって楽しいかも。

 ↓帰り道、クリスマス用にライトアップされている場所を通りました。
20071201_shiodome_christmas.JPG

 夜になったらまた美しいでしょうね~。今度は家族と一緒に夜の回を観に来られたらいいなと思いました。ライトアップがある冬の間に♪

私が観た回のキャスト(キャストは回によって違います)=グリンダ:沼尾みゆき エルファバ:樋口麻美 ネッサローズ:山本貴永 マダム・モリブル:森以鶴美 フィエロ:李涛 ボック:金田暢彦 ディラモンド教授:武見龍磨 オズの魔法使い:松下武史
アンサンブル:三宅克典 脇坂真人 品川芳晃 白倉一成 西野誠 清川晶 上川一哉 成田蔵人 永野亮彦 あべゆき 石野寛子 柴田桃子 宇垣あかね 遠藤珠生 黒崎綾 有美ミシェール 間尾茜 由水南
オリジナル・プロダクション クリエイティヴチーム=作詞/作曲:スティーヴン・シュワルツ 脚本:ウィニー・ホルツマン 原作:グレゴリー・マグワイア 演出:ジョー・マンテロ ミュージカル・ステージング:ウェイン・シレント 装置デザイン:ユージーン・リー 衣裳デザイン:スーザン・ヒルファティ 照明デザイン:ケネス・ポズナー 音響デザイン:トニー・メオラ プロジェクション・デザイン:エレイン・J・マッカーシー ウィッグ&ヘアー・デザイン:トム・ワトソン 音楽スーパーバイザー/アレンジメント:スティーヴン・オリーマス オーケストレーション:ウィリアム・デイヴィッド・ブローン 音楽アレンジメント:アレックス・ラカモワ ダンス・アレンジメント:ジェームズ・リン・アボット 演出補:リサ・ルグイヨー ダンス・スーパーバイザー:マーク・マイヤース プロダクション・スーパーバイザー:トム・ウィドマン 装置デザイン補:エドワード・ピアース プロデューサー:マーク・プラット/ユニヴァーサル・ピクチャーズ/アラカ・グループ/ジョン・B・プラット/デイヴィッド・ストーン
ジェネラル・マネジメント:321シアトリカル・マネジメント
日本語版歌詞・台本:劇団四季文芸部 日本語版演出助手:横山清崇 振付スーパーバイザー:古澤勇 音楽スーパーバイザー:鎮守めぐみ
会員料金=S10,500円 A9,450円 B6,300円 C3,150円 一般通常料金=S11,550円 A9,450円 B6,300円 C3,150円  ウィークデイマチネ料金(会員・一般共通料金)=S10,500円 A8,400円 B5,250円 C2,100円
スペシャルサイト:http://wicked.jp/
ステージガイド:http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 2007年12月01日 22:09 | TrackBack (0)