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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年12月02日

メジャーリーグ『野鴨』11/01-30シアター1010ミニシアター

 8ヶ月ぶりにメルマガ号外を発行した『野鴨』。メルマガ2007年12月号にも書きましたが、豪華キャスト・スタッフが揃った商業的な枠組のプロダクションにおいて、芸術面での高い目的を達成されていたように思いました。

 文庫本型のパンフレット(300円)は挿絵や写真のない文庫本であることで、その充実度をさらに増していました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『野鴨

 タニノクロウさんは小さな劇場や野外テントなどで、庭劇団ペニノによる自主製作の公演を行ってこられました。今後どういう活動をされるのかとても楽しみです。
 偶然ご一緒した演劇関係の方と「このままシアターコクーンでも上演できるんじゃない?」って話したりもしていたんです。劇団公演も観たいですけど、今回のような大御所ぞろいのストレート・プレイもぜひ演出していただきたいです。

 ここからネタバレします。

 どうしても書き留めておきたかった具体的なところを下記に。言葉足らずですが。

 シャンデリアが音もなくスッと降りてくると、ヴェルレ(津嘉山正種)が切り株に座っていました。それだけでもう、開幕時から心の受け皿が満杯になるほどでした。

 暗転して舞台の転換をしている間、木々の上部が青白い照明で照らされ、枝と葉できる陰影と、ものいいたげな青と白がかさなります。ところどころ赤く染まっている箇所があることにもハっとさせられました。
 どうやらこの空間は人の心の中なのではないだろうか。登場人物の心であり、私の心であり、ヴェルレの息子(保村大和)が言ってた“うなぞこ”なのかもしれない。そしてその青い海の闇は、漆黒の宇宙へとつながっているようにも想像できました。

出演:石田えり、高汐巴、手塚とおる、保村大和、石橋正次、藤井びん、マメ山田、鎌田沙由美、津嘉山正種
原作:ヘンドリック・イプセン 上演台本:タニノクロウ+笹部博司 演出:タニノクロウ 美術=田中敏恵 照明=榊美香((有)アイズ) 衣裳=友好まり子 音響=中村嘉宏 小道具=酒井詠理佳 ヘアメイク=武藤優子 舞台監督補=加納金幸 演出助手=則岡正昭 音響操作=阿部武昭 衣裳管理=西那緒美 舞台監督=矢島健 衣裳製作=アトリエトモヨシ 衣裳協力=東京衣裳 大道具製作=夢工房 宣伝美術=オカヤイズミ 舞台写真=田中亜紀 制作=野平久志 制作・宣伝=千葉裕子(る・ひまわり) 票券=目静子(メジャーリーグ) プロデューサー=笹部博司 企画・製作=メジャーリーグ+庭劇団ペニノ 提携=シアター1010 主催=メジャーリーグ
全席指定 前売4,600円 当日5,000円
http://www.majorleague.co.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 2007年12月02日 21:48 | TrackBack (0)