2007年10月20日
【ワークショップ】TOKYOSCAPE「第3回TOKYOSCAPE東京WORKSHOP3+シンポジウム」10/01-14森下スタジオ
募集告知もしておりました『第3回TOKYOSCAPE東京ワークショップ+シンポジウム』に行って参りました。
この日は京都日帰り旅行だったんですが、早朝に東京を出て、嵐山でお昼ご飯をいただいたらすぐに東京にとんぼ返り、そして森下に直行。やるね私(←何が?)。
昨年夏に京都に通った私です。総まとめになるイベントに参加できて良かったです。
【TOKYOSCAPE東京ワークショップ成果発表】 詳しいレビューは休むに似たり。に!
■内藤クラス
出演:川連太陽/米澤藍/加治祐樹/三井翔太/森住亮子/中澤健太郎/青木千佳/井坂浩 Assistant:明石修平(出演せず)
特に戯曲(岸田國士『紙風船』)は読まず、テーマだけ決めて作ったような。「わー、bird's-eye viewだわ~♪」と懐かしくなったり。
マイムが無残だったな~。散らばった無数の携帯電話に次々と着信が鳴り響くエンディングはきれい。
■詩森クラス
出演:宮本悠子/佐藤みゆき/山田敬子/野澤沙織/森澤友一郎/神保良介/唐沢龍之介/野口卓磨/松本哲也 Assistant:笹野鈴々音/山ノ井史/木内美帆
25分ある戯曲を削って15分バージョンに。6カップル出演なので6等分。戯曲全体がわかるし、男女の個性も引き立つし、楽しめました。野口卓磨&笹野鈴々音カップルが面白かった。
■明神クラス
出演:蒻崎今日子/星野名保子/真下由美/沖田愛/鵜沼綾子/森下誠吾/宮下舞/櫻井純子/斎藤マサキ/望月雅之/笹野鈴々音/山口柚香 Assistant:中島美紀/日下部そう/浦壁詔一
男VS女。戯曲のエッセンスを短編パフォーマンスで見せていく形式。目が離せない笑いとエロス。歩くこと、手を伸ばすこと等の些細な動作を真剣に積み重ねていくことで、演劇世界は生まれるんだな。
最後に笹野鈴々音さんが紙風船で遊ぶ「ともこちゃん(だったかな?)」になった。男と女、どんなに戦っても子供が生まれてしまう。それはハッピーだしアンハッピーだなと思いました。
■夏井クラス
出演:宮本悠子/蒻崎今日子/音室亜三美/小林和未/松本美香 Assistant:綾田將一
戯曲に深い関係はないコント集のような。あまりに軽快で驚いた。フランス帰りの夏井さんは変身したんだな~と思い、来年の新作がますます楽しみになりました。
【TOKYOSCAPEシンポジウム】
観客には知りえない作り手の本音がぼろぼろとこぼれて出てくる。参加して良かったのかな、とあせるぐらい(汗)。ここで主催メンバーが顔をあわせてたことで、次に進むかどうかを決めるところに行き着いたのではないかと思いました。会合を開いた詩森ろばさんに敬意を。
「TOKYOSCAPE全記録」の冊子が凄いボリュームでした。私の記事を掲載してくださっています。ありがとうございました。京さんの本を購入。
ワークショップ発表会・演出:内藤達也(bird's-eye view)、詩森ろば(風琴工房)、明神慈(歩かリン記憶舎)、夏井孝裕(reset-N)
シンポジウムのパネリスト:<プロデューサー> 杉山準(アトリエ劇研プロデューサー)/<企画> 荻野達也(fringeプロデューサー)/<アートディレクター> 京(グラフィックデザイナー)/<京都制作> 井神拓也(ヨーロッパ企画制作)/6主宰者
参加費:500円
http://windyharp.org/windyharp/tokyoworkshop.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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時間堂『月並みなはなし』10/19-29王子小劇場
黒澤世莉さんが脚本・演出を手がける時間堂。俳優指導者としての黒澤さんの活動にも注目しています。2004年初演の作品の再演で、脚本は今回のために改訂されています。
ボッロボロ涙を流して、アハっと笑って、でもどうしようもなくムカムカ来ることもあって・・・。目の前の舞台にすっかり没頭した100分でした。ダブルキャスト公演なので、もう1回行けたら行きたいな。
<cinema price theater project>と銘打ってチケット代は前売・当日ともに1800円!
ポスト・パフォーマンス・トークが4回あります。
コレ↓に行きたいっ!(たぶん行けない・涙)
●22日(月)20:00の回 終演後
「ワークインプログレスって実際どうなの」
出演:杉田鮎味(劇26.25団)×中屋敷法仁(柿喰う客)×黒澤世莉
司会:谷賢一(DULL-COLORED POP)
⇒CoRich舞台芸術!『月並みなはなし』
チラシの情報に変更がありました⇒【休演日】10月24日(水)、25日(木)の2日間
≪あらすじ≫ 公式サイトより
今より少し未来の秋の昼下がり、地球の温暖化が進み、ひとが月への移民をはじめたころの話。
郊外のとあるレストランの、テラスのある一室では、移民候補者たちの残念会が催されていた。厳しい選考試験の中で最終選考まで残った優秀なひとびとだが、結果は落選。の、はずだった。けれど、管理官と呼ばれるひとの一言によって、状況は一変する。
「補欠がでたので、一名の代表者を選んでください。制限時間は60分」
信頼しあい、助け合ってきた仲間たち。
だからこそ一人は月へと送ろうと、お互いを労りあい、傷つけあいながら話しあう。恋人たちは、月と地球の距離をおそれ、気持ちがすれ違っていく。
36,000キロの恋人たち、選ばれるのは一人。
≪ここまで≫
シンプルな舞台美術。音楽もなし。普段着の若い役者さんが、相手を感じながらコミュニケーション。そこで起こる感情がそのまま、そこにあります。
月に行きたい人たちの集まりの中で、1人だけ月に行ける人を彼ら自身が選ぶのは試練です。優しくスマートに振舞おうとしても本音を出さざるを得ません。目の前で起こるのは気軽なおしゃべりだけど、言葉の意味や身体の動きから沸き立つように見えてくるのは、血は出ないけど心は張り裂ける、地獄。
面白かったです。とっても。演劇をよく観る人にも、全然観ない人にも、ぜひ観に行ってもらいたいなと思います。でも、このお芝居って一体どういう種類のものなのか、今の私にはしっくりくる言葉が見つかりません・・・。時系列に進み、始まりがあって終わりがある現代口語演劇で、「自然な演技」「リラックスした演技」が特徴・・・というように平たい言葉でいいのかもしれないけど、それだけじゃ伝えたりない気がしています。
客席はL字型。私は幅が広い方の最前列ほぼ中央で観劇。「タバコを吸うシーンがあります」と丁寧な説明がありました。ハンカチを忘れたのでティッシュを使うしかなく、ちょー恥ずかしーと思いながらもびょーびょー泣いてたナリよ(汗)。
初日は終演後に誰でも参加可能なレセプションが開かれました。飲み物と簡単な食べ物が用意されていて、演出家、出演者の皆さんとお話できました。
ここからネタバレします。
フリーター(池田ヒロユキ)が天文学者の妻(雨森スウ)の懇願も省みずに、「帰る場所があるから(君が地球で待っていてくれるから)、遠く(月)に行きたい」などとほざいたり・・・もー胸が悪くなった。男と女の絶望的な関係。これは乗り越えられない。
「何が何でも俺は月に行きたい」と言いきったインテリ(中田顕史郎)が、最後に皆から選ばれて「月に行ける1人」になります。でもこの試練は、「選ばれた人以外の5人を月に行かせる」ためのものでした。彼の恋人(木村美月)が妊娠していたのは、作家からのロマンティックなプレゼントだなと思いました。
リノリウムのステージに白いテープで間取りを表現するのは映画「ドッグヴィル」みたい。
【休演日】10月24日(水)、25日(木)の2日間
出演=雨森スウ、河合咲、木村美月(クロムモリブデン)、こいけけいこ(リュカ.)、境宏子(リュカ.)、池田ヒロユキ(リュカ.)、鈴木浩司、中田顕史郎 ダブルキャスト:足立由夏/大塚秀記 ※初日は足立さんでした。
脚本・演出:黒澤世莉 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 宣伝美術:村山泰子(時間堂) 宣伝・舞台写真:松本幸夫 ビデオ撮影:大澤大介(大澤大介事務所) $堂 演出助手:菊池佳南/佐伯風土/谷賢一(DULL-CORORED POP) 制作:田中沙織(柿喰う客) 提携:王子小劇場 主催:時間堂
http://www.seriseri.com/jikando/
http://blog.livedoor.jp/jtc2007/
※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。ご了承下さい。
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