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Shinobu's theatre review
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REVIEW

2008年02月18日

tea for two『Wブッキング』02/12-19小劇場 楽園

 tea for two(ティー・フォー・トゥー)は大根健一さんが作・演出される劇団です。「テーブルとイスのあるシチュエーションを舞台にする演劇集団」というのは、とてもわかりやすいキャッチコピーだと思います。私は初見。

 『W(ダブル)ブッキング』は再々演ということで、劇団のいわば代表作なんですね。出演者違いで3バージョンある3人芝居。私が拝見したのはMysteryバージョンです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Wブッキング

 小劇場 楽園という劇場に初めて伺ったんです。空間の真ん中に柱があるんですね。ジァンジァンを思い出しました。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 とある文学新人賞の応募された作品に持ち上がったある疑惑。真相解明のために 二人の作家(渡邉亜希子・西尾早智子)と待ち合わせた編集者(樋口浩二)は・・・
 ≪ここまで≫

 ある小説の新人賞の最終候補に残った2人の女流作家。2人の作品がとても似通っているので、どちらかが盗作したのではないかと審査員の大半が疑いを持ちます。担当の編集者が1人ずつ会って話をして、どちらが嘘をついているのかを見極めけようとしたのですが、会う約束をダブルブッキングしてしまったため、3人が鉢合わせになります。

 小説の内容が少しずつ明かされて、なぜ赤の他人のはずの2人が似たようなことを書いたのかがわかってきます。どちらが盗作をしたのか、どちらが賞を取るのか、謎が徐々に解けていくのは推理小説のようです。上演時間が一時間というのもすっきりしていて良いですね。

 ただ、役者さんが脚本の説明のために大げさな振る舞いをしているように感じたり、裏(奥)側に何かが隠されているとは思えない表面的な演技が目に付くことがあり、あまり集中はできなかったかも。

 舞台は喫茶コーナーとバー・スペース(のようなテーブルとイス)に分かれており、どちらかに作家を待たせて、編集者が行き来するようになっています(そうでない場合も出てきますが)。最初はゆったりでも問題ないと思いますが、少しずつ変化がほしかったですね。全体的に演出が物足りない感じでした。

 他のバージョンではセリフや演出に変化があるようです(他バージョンをご覧になったお友達から聞きました)。

 ここからネタバレします。

 2人の作品は、両方とも自分の実際の恋愛経験について書いたものでした。2人が1人の男を取り合っていたため、彼の部屋や生活習慣などについての描写に異常なほど共通点があったのです。
 彼のハートを射止めたのはどちらだったのかが、予想外の結末として用意されていました。観客は何度も「え?そうだったの?」と裏切られます。これは心地良いですよね。

 小説の中身を、作家と編集者が登場人物となって演じて見せるのが面白かったです。

tea for two 1h theater「Wブッキング」第18回下北沢演劇祭2008
出演:渡邉亜希子 西尾早智子 樋口浩二(KNOCKS)
作・演出:大根健一 舞台監督:伊藤智史 照明:島田雄峰(LST) 音響効果:島貫聡 記録:西山洋一 宣伝美術:日暮真理絵  制作:守山亜希
【料金】 (日時指定・全席自由)前売¥2000  当日¥2500 ペア割引 ¥3500(前売のみ) 2ステージセット割引  ¥3000(前売のみ、組み合わせ自由) 3ステージセット割引 ¥4000(前売のみ、組み合わせ自由)
http://homepage3.nifty.com/teafortwo/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年02月18日 23:12 | TrackBack (0)