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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年11月20日

柿喰う客『七味まゆ味 一人芝居「いきなりベッドシーン」』11/19-24王子小劇場

中屋敷法仁さんが作・演出される柿喰う客の1人芝居2本連続上演企画。七味まゆ味さん主演の『いきなりベッドシーン』(上演時間は約50分)の後に、玉置玲央さん主演の『いまさらキスシーン』(上演時間は約25分)が上演されます。※2つは独立した公演です。

 『ZOKKYののぞき部屋コレクションPart3』と合わせて、王子小劇場で3本立ての1日となりました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『いきなりベッドシーン

 ≪あらすじ≫
 高校に入学して念願の女子高生になった鷲津神ヒカル(七味まゆ味)は、青春時代を謳歌せんと、入学式当日からフルスロットル以上の活動を始めてしまう。
 ≪ここまで≫

 最初の15分ほどは七味さんの爆裂な演技っぷりに(笑)、「ど、どうしよう、このまま進んだら・・・(汗)」と少々戸惑いましたが、はたと違う空気へと変化し始めた時から、物語にどっぷり入り込めました。柿喰う客らしいブラックな内容で、最後は何かの境地に達した気分を味わえました。

 セリフの言い方(発音の仕方、音の大きさ、長さなど)が細かく指定されているのでしょうね。50分間1人で魅せきるのは大変なことだと思います。若い役者さんが限界に挑戦しているのを見られるだけでも、かなり嬉しい。

 ここからネタバレします。

 ヒカルはあまりの傍若無人っぷりにイジメの対象となります。でもイジメられることも青春の証だと信じて、よりエスカレートしていく方を好んで選びます。唯一の友達マゴコロさんがリストカットをしているのをうらやみ、自分もリストカットをせざるを得ないぐらい追い詰められたいと、強く願うようになります。

 最後には「1度やったことを2度やるのはいやだけど、時間があまってしまったから、清水の舞台からまた身投げする」、ヒカル。マルキ・ド・サドなど悪徳の限りをつくす人物を思い浮かべました。『パイドラの愛』のヒッポリュトスも。

 セリフの繰り返しが効果大。「合体!合体!」とか痛いよな~。ふさふさの黒い布が貼られたステージに照明も映えました。

≪東京、大阪≫
出演:七味まゆ味
脚本・演出:中屋敷法仁 舞台監督:本郷剛史 貴台美術:玉置玲央+黒柿 音響:上野雅(SoundCube) 照明:富山貴之 宣伝美術:山下浩介 フライヤー写真撮影:内堀義之 制作補佐:古澤和泉 田畑諭 藤岡美咲 伊佐美由紀 現場助手:飯田裕幸 吉田仁美 望月綾乃 佐賀モトキ 制作:赤羽ひろみ
【発売日】2008/10/25 前売2000円/当日2300円(初日のみ、前売1500円/当日1800円)
http://kaki-kuu-kyaku.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年11月20日 00:55 | TrackBack (0)