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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年03月11日

ポツドール『愛の渦』02/19-03/15 THEATER/TOPS

 早々に前売りは完売して、当日券もキャンセル待ちが出ているポツドール『愛の渦』。作・演出は三浦大輔さん。第50回岸田國士賞受賞作品の再演です。⇒戯曲本紹介 ⇒当日パンフレット紹介 

 戯曲は読んでいましたが、私は初見です。チラシに「これはとてもスケベでとても感動する物語です」とあるとおり、性的な描写は激しいです(言うまでもなく大人向けです)。そして、最後はじーんと来ました。上演時間は約2時間30分(休憩なし)。⇒土佐有明の(ほぼ)初日劇評※舞台写真あり!

 ⇒CoRich舞台芸術!『愛の渦

 ≪あらすじ≫
 夜な夜な、ある部屋に集まる男女。どうやら初対面同士がほとんど。服装や髪型を見る限りでは、何の接点もなさそうだが。
 ≪ここまで≫

 ある目的を持って集まった若い男女の、深夜から明け方までの行いを赤裸々に描きます。ためて、じらして、驚かせて、じっくり味わわせてくれるかと思ったら、もったいぶって(笑)。手練手管の演出にすっかり乗せられて、人間観察をじっくり楽しませていただきました。いっぱい笑ったな~。
 
 登場人物に親しみを持って見つめながら、「人間なんて所詮こんなものだ」とか「でもそういう愚かさが可愛らしい」とか、いわばありきたりな感想を持っていたのですが、最後のシーンでスっと、作品全体を冷静に眺める視点へと誘導されました。あぁ、人間って可能性に満ちているんだな、世界は残酷だけど、そこに在る(居る)ってことをそのままに認めてるんだな、と思いました。

 ここからネタバレします。

 乱交パーティーに集まった人々。少しずつ奔放になっていく様がじっくり描かれて面白いです。全裸(だと思われる)セックスシーンまで、娯楽として観られる演出になっていることに感服。極めてくれているから、観客が自分から進んで楽しめるんだと思います。

 一通りセックスももめごとも終わった後、まぶしい朝の光が容赦なく部屋を照らします。白い明かりの下で着替える姿がみっともなくて、裸から普段着になった男女は、全然違う生き物みたい。一夜でこんなに変化するなんて、人間ってすごく豊かな生き物だな~と思いました。そして、衣服って凄いと思いました。

ポツドールvol.18
【出演】米村亮太朗:フリーター 古澤裕介:工場労働者 井上幸太郎:店長 富田恭史(jorro):サラリーマン 脇坂圭一郎:店員 岩瀬亮:ニート 美館智範:カップル男 江本純子(毛皮族):常連客 内田慈:保育士 遠藤留奈:OL 佐々木幸子(野鳩):学生 山本裕子(青年団):カップル女
脚本・演出:三浦大輔 照明:伊藤孝(ART CORE)/音響:中村嘉宏/舞台監督:矢島健 シロサキユウジ /舞台美術:田中敏恵 大道具製作/夢工房 映像・宣伝美術:冨田中理(SelfimageProdukts)/小道具:大橋路代(パワープラトン)/衣装:中西瑞美 演出助手/石井友章 写真撮影:曵野若菜/映像撮影/カラーズイマジネーション 宣伝イラスト/桔川伸 宣伝協力/青木理恵 制作:木下京子/広報:石井裕太/運営:山田恵理子 企画・製作 ポツドール
[前売]全席指定4,000円  [当日]4,500円
http://www.potudo-ru.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年03月11日 23:54 | TrackBack (0)