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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年03月13日

Mrs.fictions『15minutes made vol.5』03/12-15シアターグリーン BOX in BOX THEATER

 小劇場劇団数団体が15分間の短編を一気に上演するシリーズです(⇒vol.1のレビュー)。もう5回目なんですね。今回は6団体が出場。上演時間は約2時間10分(途中10分の休憩を含む)。※終演後のおわりの会は参加しませんでした。

 久しぶりに観に行ったら、装置や照明も豪華になっていました。ほぼ聞いたことのない劇団ばかりだったのが、観たことがある、もしくは気になっていた劇団が名前をつらねるようになっています。継続は力なり、ですよね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『15 MINUTES MADE VOLUME 5

 私は青☆組とDULL-COLORED POPが面白かったです。

 公演全体についての感想:
 照明が6作品分きちんと演出されていて、装置も無理なく楽しめて、映像も仰々しくないし、小品集としての全体の演出もこなれていて、第1回とは比較にならないほどレベルアップされているな~と思いました。制作運営も丁寧で、安心でした。

 ここからネタバレします。公演情報は公式サイトより。

Mrs.fictions『松任谷由実物語』
【作】岡野康弘【演出】生駒英徳
【出演】岡野康弘、夏見隆太、松本隆志(以上、Mrs.fictions)、大澤夏美、阿部恭子(多少婦人)、川口聡、(ソワレのみ)鈴木啓司、(マチネのみ)村上俊哉

 タイトルどおりユーミンの話なんですが、荒井由実も松任谷由実も松任谷正隆も知らない人には、全然わからないんじゃないかな。
 ギターなしで無言で歌うシーンは良かった。でもちょうどせきが止まらないお客さんがいて、かわいそうでしたね(女優さんもお客さんも)。


The end of company ジエン社『私たちの考えた終わる会社の終わり』
【作・演出】作者本介
【出演】伊藤淳二、片飛鳥、萱怜子、中舘淳一郎、本山歩 【映像出演】善積元 清水穂奈美 横山翔一 山本健介 

 劇団名と作品の内容が一緒でびっくり。
 感傷に共感できず。倒産した会社にそんなに思い入れがあるのかな~。“かぐや姫”が何なのかわからなかったな~。

MOKK『case_1』
【演出・振付・出演】村本すみれ【照明デザイン】影山雄一 【アテンド・音響デザイン】加藤小百合
【出演】松元日奈子 手代木花野 寺杣彩 久野詠子 片ひとみ

 女性ばかりのダンスでした。衣裳は黒いノースリーブとスカートで統一(デザインはそれぞれ少し違います)。セリフはいらなかったんじゃないかな。最初から最後まで既視感がまとわりついて、何がやりたいのかよくわかりませんでした。いつもは劇場ではないところで作品を発表されているようなので、本領発揮が難しかったのかもしれませんね。


青☆組『恋女房』
【作・演出】吉田小夏
【出演】木下祐子、藤川修二、松本享子、野中さやか、荒井志郎、中村真生(青年団)

 ある夏の日の日本家屋の居間。訪れた保健外交員がドギマギ。だって主人には奥さんがいっぱいいて・・・。
 ちゃぶ台の周囲を、客席から乗り出すように(気持ちが乗り出すんです)凝視して、楽しみました。役者さんの演技が雄弁で嬉しい。小さな表情の変化が面白かった~。


東京ネジ『再会(夏目漱石「夢十夜」第一夜より)』
【作】佐々木なふみ【演出】佐々木香与子
【出演】佐々木香与子、佐々木なふみ、佐々木富貴子(以上、東京ネジ)

 アルゼンチン人と結婚した友達が言った。「100年後にまた会えるよ。」「またね。」
 やりたいことをいっぱい試してみたんだろうな~と思いましたが、でこぼこしていて観づらかったです。


DULL-COLORED POP『15分しかないの』
【作・演出・音源製作】谷賢一(DULL-COLORED POP)
【出演】堀奈津美(DULL-COLORED POP)、桑島亜希、境宏子(リュカ.)、千葉淳(東京タンバリン)

 ある若い女の部屋。毎日、終電1本前の電車に乗って帰宅するサラリーマン生活。深夜0:45(だったかな)に2年半前に別れた男から電話がかかってきて・・・。
 女(堀奈津美)の分身が2人登場し、男(千葉淳)になびく方(桑島亜希)とふりきる方(境宏子)に分かれて心の声を語ります。つまり3人1役。セリフを分担したり、3人同時、2人同時に話したり、動きをシンクロさせたりずらしたり、重層的な楽しみがありました。役者さんの演技も落ち着いていて安心。

 女とよりを戻そうと電話してきたのは、27歳で脱サラした自称ライター。酔った勢いでモトカノに電話して、いきなり「結婚を前提にもう一度つきあって」とのたまう典型的なダメ男。しかも女に断られたら自分から捨てゼリフ(「もう二度と電話しない」)を吐いて電話を切るのも、情けないことこの上ない(笑)。
 それを演じた千葉淳さんは、けっこうさわやかなイケメン風。舞台上をフラフラ歩き回って、所在無いけどノリがよさそうで、母性本能をくすぐりそうな可愛らしい男性でした。笑えてくるほどダメ男(に見える演技)で、良かったです。

 「自分が自由に使える時間は、1日15分しかない」と思い込んでいる女の話ですよね。個人的にラストは、“じんわり”じゃなくて“ストン”と落ちるような(「え!?」という驚きでもいいけど)ものが欲しかったです。

総合演出:Mrs.fictions 照明:南香織 音響:星野大輔 舞台監督:大畑豪次郎(MOKK) 舞台美術:坂本遼 宣伝美術:関田浩平 写真撮影:柳沢舞 フライヤーモデル:堀奈津美(DULL-COLORED POP) 映像:sasamotomasaki 舞台写真:和知明 制作:Mrs.fictions、上栗陽子(MOKK) 企画協力:cinra 後援:豊島区 主催:Mrs.fictions シアターグリーン提携企画
前売り2,000円 当日2,500円(※12日14時、13日14時の回は平日昼割実施、前売り1,500円、当日2,000円)
参加演出家によるアフタートークあり。
http://www.mrsfictions.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年03月13日 00:07 | TrackBack (0)