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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年03月28日

SPAC『転校生』03/26-29東京芸術劇場 中ホール

 「フェスティバル/トーキョー09春」のクロージング演目です。昨年、静岡で上演されて“伝説”となっていた舞台が、東京で再演されました。平田オリザさんの戯曲『転校生』を飴屋法水さんが演出されます。出演者は静岡の現役女子高生です。

 生まれて死ぬ人間。何世代にもわたってそれが繰り返されているのがこの世界です。世界そのものが、劇場にありました。遅刻厳禁です!3/29(日)まで!上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『転校生
 レビューはほぼ記録のみ。月末で書けない状況です。すみません。

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 21人の女子高校生のために書いた平田オリザの戯曲『転校生』に、演劇界・美術界で伝説的な話題を集める飴屋法水がSPAC - 静岡県舞台芸術センターの製作により挑んだ衝撃作の再演がついに実現。出演するのは、静岡県全域からオーディションで選ばれた女子高校生たち。ある高校の教室、いつもと変わらない日常に、突然ひとりの転校生が現れる・・。単調な日常に潜む他者との出会い、人間の存在の不確かさが浮かびあがる。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 言葉は完全に正確ではありません。
 出演:飴屋法水 平田オリザ 宮城聰(進行)

 宮城「ひとことで言い表してしまうと(非常に言いづらいのですが)、生の一回性、不可逆性。(人の)はかなさと、(人が)つながっていくことの骨太さとが、対比して表されている作品。タイトル『転校生』とはまさに、この世に転校(転生)してくる人間(生)の意味。それが飴屋さんの演出を観て初めてわかりました。」

 平田「自分の戯曲が他の演出家に演出されるは嬉しい。自分が客席で(感動して)泣いてしまったら困る(しゃれにならない)のだけれど、今回もちょっとあぶなかった(笑)。」
 宮城「どうやって作品作りをされたのでしょうか?(⇒飴屋さんへの質問)」
 飴屋「女子高生に脚本を読んでもらいました。それだけです。(自分で)読んでも全然わかりませんでした。」
 平田「もともと(初演の出演者に)当て書きした戯曲で、台本は3段組だから(同時多発に会話が起こるので)、稽古は大変だったろうと思います。」
 飴屋「一番多いところは3段どころか5段あります。」

 平田「私は大阪大学の教授とロボット演劇というのをやっているのですが、飴屋さんは『人間は動物だ』と思っていて、その教授は『人間はロボットだ』と思ってる。」
 飴屋「平田さんはこの間のシンポジウムで『役者はもういらない』なんていう(大胆な)こと言ってましたよね。」
 平田「『人間はいらない』とは言ってない。」
 宮城「・・・(トークがこんな展開になると、私が)フォローしなきゃいけないじゃないですか(笑)」
 ※非常ににこやかな会話でした。

 宮城「ジャンプ(ダイブ・身投げ)をした女子高生の役は、あの後にセリフが一切ないんです。彼女はただ、いなくなった。劇中にも出てきた小説『風の又三郎』のように、人はフっといなくなる。それを飴屋さんは飛び降りという形で演出した。」

 宮城「飴屋さんの演出はものすごく細かいです。何度も、何度も、繰り返す。試してみる。たとえばバトン(劇場機構)が上がる演出も何度も試されています。私も一演出家として襟を正す思いでした。」
 飴屋「やってみないとわからないからです。」

 飴屋「その日の舞台の演出が決まるのは、本当にすべてが決まるのは、本番30分前。(例えば)サッカーの監督に似てるかもしれないですね。今日(の感じ)だとこう(いう演出が良い)かな~とか。」

 飴屋「自分は女子高生の子供がいてもおかしくない年齢で、転校生役の岡本孝子さんはちょうど自分の母親の世代。初演の稽古の時は、自分の子供(乳児)が生まれたばかりだったから、できるだけ(迷惑にならない程度に子供をつれてきて)稽古場に四世代が揃うようにしていた。」

≪東京、静岡≫「フェスティバル/トーキョー09春」参加作品 転校生/Transfer Student
出演(五十音順): 安部麻菜美 雷菜摘 池谷優紀 海野水希 大野裕果 小川弥生 柿沼明 木村早希 紅林大空 古牧亜未 佐野友香 菅井菜穂 杉本和 平野愛恵 堀田瑞季 堀川理緒 松浦麻依 藪崎真実 岡本孝子(転校生役)
演出:飴屋法水 作:平田オリザ 演出助手:深沢襟 演出サポート:館野百代 布施安寿香 本多麻紀 西沢理恵子 湯本アキ 舞台監督:村松厚志 舞台監督補:田中翼 舞台監督助手:内野彰子 青木売介 照明デザイン:丹羽誠 照明操作:川島幸子 照明:中野真希 音響・映像:小林淳哉、小峰純真、和田匡史 衣裳:竹田徹 制作:上野知里 仲村悠希 SPAC芸術総監督:宮城聰 後援:日本国際連合協会静岡県本部 静岡県教育委員会 静岡県私学協会 映像協力:(財)日本ユニセフ協会 (財)静岡県国際交流協会 協力:静岡サレジオ高等学校、駿河包装(株)、日本パンダ保護協会 製作:SPAC-静岡県舞台芸術センター
【F/Tスタッフ】制作:植松依子 インターン:堀江紗恵 F/Tクルー:伊藤優子 太田志帆 曽根真柴実 高橋マミ 高村美郷 松谷はるな 水野陽子 主催:フェスティバル/トーキョー
【発売日】2008/12/18 指定席 一般 4,500円(S席) 3,500円(A席) /学生 3,000円(要学生証提示)、高校生以下 1,000円 
http://festival-tokyo.jp/program/transfer/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年03月28日 16:43 | TrackBack (0)