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しのぶの演劇レビュー
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2009年07月03日

【写真レポート】東京芸術劇場「野田秀樹芸術監督就任・記念プログラム発表記者会見①」07/01東京芸術劇場中ホールロビー

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中ホールロビにて

 野田秀樹さんが池袋にある東京芸術劇場の芸術監督に就任されました。芸術監督が采配を振るう公立劇場というと(順不同に→)、新国立劇場世田谷パブリックシアター彩の国さいたま芸術劇場静岡芸術劇場まつもと市民・芸術館といった名前がパっと頭に浮かびます。

 東京都立の劇場に初めての芸術監督が誕生したこと、それが野田さんであることは、日本の演劇界にとって大きな出来事だと思います。
 野田「まずは、“ここに劇場がある”ということを人に知らせること。“あそこにいけば面白いものが観られる”という劇場にしたい。」

 7/1(水)に発表された記念プログラムは、野田芸術監督ならではの色が、前面にくっきりと出た豪華なラインナップ。野田さん率いる東京芸術劇場が一般の観客の興味をぐっと惹きつけて、刺激的な舞台の水先案内人となってくれることを心から期待します。

 ⇒記者会見の動画(2009/09/28加筆)

プロペラ『ヴェニスの商人』『夏の夜の夢』07/02-12中ホール
 作:W.シェイクスピア 演出:エドワード・ホール 出演:プロペラ

【野田秀樹さん】
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 野田「実はプロペラ公演の舞台装置が、まだ日本に届いていないというトラブルが発生しまして、今回の公演はオリジナルの装置ではなく、日本で新たに作って上演することにしました。演劇は災いを福に変える力を持つ、数少ない芸術の1つ。芝居の底力を見せるチャンスだととらえています。」

【Bob Barrettさん(プロペラ出演者)】
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 Barrett「野田さんの記念すべきプログラムに呼んでいただき、何にも変えがたい光栄だと思っております。装置が行方不明になったことで、まさに今までとは違った、特別な公演ができます(笑)。プロペラは、その瞬間に立ちあう皆様に特別な体験をしていただきたいと思って活動しています。我々の力の全てを出す所存です。初めての日本、初めての東京で、役者にとっても忘れられない体験になりそうです。」

【Kelsey Brookfieldさん(プロペラ出演者)】
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 Brookfield「『ヴェニスの商人』で美女ポーシャを演じます。男の私が女役をやるというのも、演出家エドならでは。エネルギッシュに生まれ変わったシェイクスピアを楽しんでいただけるのではないかと思います。」

 野田「エドワード・ホールは、演出を手がけていたロイヤル・シェイクスピア・シアターから飛び出して、今は自分で水車小屋を借りて演劇を作っている。気心が知れた仲です。」


■NODA・MAP『ザ・ダイバー 日本バージョン08/20-09/20小ホール1
 作・演出:野田秀樹 出演:大竹しのぶ 渡辺いっけい 北村有起栽 野田秀樹
 料金6、500円 サイドシート3、000円(全席指定・税込)
 企画・製作:NODA・MAP 制作協力:世田谷パブリックシアター

 野田「英語と日本語は全く違うので、演出も変わります。あれだけいい(英語版の)演出も、敢えてあきらめる(笑)、そんな意気込みです。」

【大竹しのぶさん】
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 大竹「渋谷や日比谷にある劇場の舞台に立つ事が多く、池袋にはあまり来たことがありませんでした。新しい街で演劇を作り出していくことに意義を感じます。
 人生には災いがつきもの。そんな災いからも湧き出るエネルギーを伝えたい。こういう時代だからこそ、生の力を感じてもらいたい。演劇の力を信じて、みんなで作って行きたい。いい芝居を作ります。」

【渡辺いっけいさん】
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 渡辺「昔、小ホール2で『ゴドーを待ちながら』をやらせていただきました。その時に古田新太さんに紹介してもらった、小さいけれどとても美味しい蕎麦屋が、今はなくなっているんです。とてもさびしい。楽しいことをやっていれば、周囲も変わっていく。この劇場が『ここで楽しいことをやっているぞ!』という空気になればいいと思う。」

【北村有起栽さん】
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 北村「今日のこの瞬間が嬉しい。演劇に携わってきた者として、記念すべき1本に参加させていただくことを光栄に思います。この劇場を10年、20年と持続させていけば、いっけいさんのおっしゃるような美味しい蕎麦屋も見つかると思う。池袋にぜひ来ていただきたいです。」


■TSミュージカルファンデーション『ミュージカル「天翔ける風に」』8/21-30中ホール
 演出・振付:謝珠栄 原作:野田秀樹『贋作・罪と罰』 音楽:玉麻尚一
 出演:香寿たつき 山崎銀之丞 戸井藤海 今拓哉 阿部裕 ほか
 料金:S席9、000円 A席6、000円(全席指定・税込)

【謝珠栄さん】
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 「『天翔ける風に』は、野田さんの戯曲『贋作・罪と罰』をミュージカルにした作品です。野田さんから『天翔ける』というタイトルをいただき、その後に私が『風に』と付けました。『天翔ける』という言葉は、時代を変えようとした若い人の心意気、エネルギーを表しているのではないかと思っています。装置も衣裳も演出も変える、再々演です。」

【香寿たつきさん】
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 香寿「『天翔ける風に』は一番大好きで、もっとも感銘を受けた作品です。再々演に出演できるのが嬉しい。」

【山崎銀之丞さん】
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 山崎「自分はミュージカルは初めてなのですが、謝さんの個性とエネルギーに魅せられ、出演を決めました。お客様の期待を裏切らない作品になるよう、謝さんと香寿さんと一緒に作りたい。」


■松尾スズキ演出『農業少女』2010年2月→3月 小ホール1
 作:野田秀樹 演出:松尾スズキ 出演:多部未菓子 吹越満 山崎一 江本純子

【松尾スズキさん(映像出演)】
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 松尾「自分は芸術という言葉に抵抗がある。笑いが芸術にどれだけ貢献できるか、そこに焦点をあてます。芸術の中にも笑いという感情があるということを、知っていただきたい。」


■アジア共同制作「バンコク・シアター・ネットワーク 野田作品上演プロジェクト」
 『赤鬼 タイ大衆演劇“リケエ”バージョン』11/19-22小ホール2
 『農業少女 タイ現代演劇バージョン』11/20-23小ホール1
 作:野田秀樹 演出・出演:バンコク・シアター・ネットワーク   

 ↓タイの出演者・演出家の皆さんからの元気な映像メッセージが流れました。
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 野田「タイ人は身体性が強いです。戦前の日本人はこういう体だったんじゃないかと思うことも。新演出なので、全く違う作品になります。」
 中井美穂(司会)「バンコク・シアター・ネットワークの公演は上演期間が短いですので、どうぞ皆様お見逃しなく!」

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 ⇒記者会見②に続きます。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年07月03日 23:23 | TrackBack (0)