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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年02月20日

パルコ『ビロクシー・ブルース』02/02-22パルコ劇場

 ニール・サイモン戯曲を鐘下辰男さんが演出されます。佐藤隆太さんをはじめ、若い人気男優を集めた公演です。

 パンフレットに鐘下さんご自身が書かれていましたが、「ニール・サイモン&鐘下辰男」という組み合わせは、第一印象では“ミスマッチ”ですよね(笑)。上演時間は約2時間45分(途中15分の休憩を含む)。

 ⇒公演公式ブログ
 ⇒CoRich舞台芸術!『ビロクシー・ブルース

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。詳しいあらすじはこちら
 今回上演するのはニール・サイモンの自伝的作品、BB三部作の第二部にあたる『ビロクシー・ブルース』。20歳の兵役時代の彼と仲間たちの、軍隊の訓練所の中で過ごす青春の苦さ、滑稽さ、そしてそれでも逞しく成長していく姿を描き、1985年度のトニー賞ベストプレイ賞に輝きました。
 ≪ここまで≫

 1943年のアメリカはミシシッピー州、新兵訓練地ビロクシーが舞台です。指導官トゥーミー(羽場裕一)のせいで、6人の若者らの訓練生活は非常に厳しいものになります。主人公ユージン(佐藤隆太)の回想録の形を取る会話劇でした。

 壁の木の隙間から光が漏れ出すのが印象的な美術。でもシンプルすぎる気もしました。
 セリフのない時間がどっしり重みのあるシーンになっており、それは鐘下さんらしさなのかもしれないんですけれど、もっとリズムよく進んで欲しかったな~と思いました。
 新兵を演じた若い男優さんの頑張りが伝わってきました。瀬川亮さんが良かったです。

 男ばかりの軍隊の殺伐とした空気と、しばしば飛び出す人種差別発言に時代を感じました。いえ、今もそうなのかもしれないですけど。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 ユージンの「反抗する人間が1人でもいたら、戦争なんてできやしない」というセリフに、軍隊の本質が現れていると思います。

 ユージンの初恋の相手デイジーは内田亜希子さん。キュンキュンしててとっても可愛かったです。恋する2人のシーンは“はふはふ”する感じ(笑)。

"Biloxi Blues" by Neil Simon
≪東京、岡山、福岡、新潟、宮城、大阪、愛知≫
出演:佐藤隆太(←ユダヤ人。作家志望。) 忍成修吾(←ユダヤ人) 瀬川亮(←ベッドまで持たなかった・笑) 中村昌也(D-BOYS)(←乱暴) 尾上寛之(←歌う) 南周平(←ハーフ。調理係。) 内田亜希子 西牟田恵 羽場裕一
脚本:ニール・サイモン 翻訳:目黒条 日本語台本・演出:鐘下辰男 美術:島次郎 照明:中川隆一 音響:井上正弘 衣裳:山下和美 ヘアメイク:西川直子 演出助手:長町多寿子 舞台監督:村田明 宣伝美術:東學 宣伝写真:須佐一心 企画協力:ケイファクトリー 制作:高石由紀子 プロデューサー:尾形真由美 製作:山崎浩一 企画・製作:(株)パルコ 主催:PARCO
【発売日】2008/11/29 全席指定・税込7,500円
http://www.parco-play.com/web/page/information/biloxi/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:53 | TrackBack

FUKAI PRODUCE 羽衣『Y.I』02/13-16新宿ゴールデン街劇場

 糸井幸之介さんが作・演出・振付・音楽を手がけるFUKAIPRODUCE羽衣(フカイ・プロデュース・ハゴロモ)の、新宿ゴールデン街劇場でのぎゅうぎゅう詰めの千秋楽。初めて本公演を拝見しました(過去レビュー⇒)。上演時間は約1時間30分。

 「リトマス試験紙のように、好み・苦手がはっきりしそうな作風だ」と勝手に思っていたのですが、私は“好み”に反応!とうとう羽衣ワールドにハマってしまった・・・(笑)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Y.I
レビューは短めです。仕事が詰まってきてしまいました。すみません。

 三方をダンボールで囲んだ素舞台。ダンボールには星空と、その下に広がるビル群がメルヘンチックに描かれています。でもビルはすべて逆さを向いていて、どうやら水面に移った夜景のよう。

 人間の原始的欲求(食欲、性欲、睡眠欲など)をさらけだして、役者さんは大汗をかいて踊り、歌いまくります。セックスセックス連呼して振付も思いっきりセックス。最初は面食らいますが、だんだんいとおしくてたまらなくなってくる。岡田利規さんがおっしゃる“劣情の全面的肯定”の底力に完敗。

 糸井さんの歌(詩と音楽)はぜひアイドルに歌っていただきたいですね。ヒットする気がするんだけどな~。シブがき隊の「スシ食いねェ!」みたいに。会社の忘年会(そんなのないけどサ・笑)のカラオケでデュエットとかしたい(←妄想)。

 ここからネタバレします。

 「endless sex in the world」「果物夜曲」でボロ泣き。歌詞が配布されてるのが嬉しいですね。

 タイトルの『Y.I』は糸井さんのイニシャルだそうです。「劇作家が台本を書けない」系の話は苦手なので、そういうシーンではちょっと冷めちゃいました。

FUKAIPRODUCE羽衣3,000円公演 VOL.1『Y.I』
出演:藤一平/日高啓介/鯉和鮎美/高橋善和/伊藤昌子(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧)/深井順子
プロデュース:深井順子 作・演出・音楽・振付・美術:糸井幸之介 照明:松本永(光円錐) 衣裳:吉田健太郎(yu-GEN CRaFTS) 衣裳製作協力:小野澤彩夏 写真:田中流 チラシデザイン:吉田健太郎 舞台監督:五代才助 制作:坂田厚子 大石丈太郎
前売/当日 3,000円
http://www.geocities.jp/hagoromo_hukai/
http://blog.goo.ne.jp/fukaiproduce-hagoromo/e/d8ba592403cb5cca3c7c0f862d0148fc

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:20 | TrackBack

真心一座 身も心も『流れ姉妹 たつことかつこ ~獣たちの夜~』02/18-22本多劇場

 千葉雅子さんの脚本を河原雅彦さんが演出する“小劇場の大衆演劇”『流れ姉妹 』シリーズ第3弾(⇒第1弾第2弾)です。上演時間は約2時間30分(休憩なし)。

 初日の日替わりゲストは高田聖子さん。高田さんがすっごく面白かった!素敵!
 販売されている公演パンフレットには前回までの図解入りあらすじアリ。パっと見は冊子が薄そうなのですが、内容は充実しています。スタッフさんの横顔がわかる欄(Q&A)があるのが好き。

 ⇒当日券(TICKETS@TOKYO
 ⇒CoRich舞台芸術!『流れ姉妹 たつことかつこ ~獣たちの夜~
 レビューは短めです。仕事が詰ってきてしまいました・・・。

 “真心一座 身も心も”の中心メンバーは河原雅彦さん、千葉雅子さん、坂田聡さん、村岡希美さんの4人で、全員が出演されます。毎回、千葉さん演じる姉たつこに恋人ができて、村岡さん演じる妹かつこは(なぜか)レイプされるというのがお約束。

 第2弾が私好みのど真ん中だったので、それと比較すると物足りなさもあり。やっぱり劇場が広くなると作品全体の印象が変わりますよね。
 ゲストラバーの中村倫也さんの演技、存在感がとても良かったです。若いイケメン俳優では久々に私的ヒット♪

 ここからネタバレします。

 レイプシーンが見どころで、馬鹿馬鹿しく演出されているのが今回も面白かったです。「レイプ」と書くと怖いんですが、そこに至るまでの心の動きがちゃんと描かれるし、あくまでも面白い見せ場として演出されるので私にも大丈夫。

 カーテンコールで高田さんが前回の登場人物の衣裳で登場してくれました(わざわざカーテンコールのためだけに)。サービス精神、エンターティナー精神に感動。

≪東京、大阪、北海道、愛知≫
出演:高橋和也(三代目ゲストレイパー)、中村倫也(三代目ゲストラバー)、河原雅彦、千葉雅子、坂田聡、村岡希美、小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順、木野花(ゲストマザー)、+豪華日替わりゲスト(高田聖子)
脚本:千葉雅子 演出:河原雅彦 照明:倉本泰史 音響:藤本純子 美術:片平圭衣子 衣裳:木村猛志
映像:ムーチョ村松 演出助手:福本朝子 舞台監督:高橋大輔+至福団 宣伝美術:Coa Graphics 写真:引地信彦 Web:新藤健 今城加奈子 宣伝:吉田プロモーション 票券:西川悦代 制作:佐々木康志 ラインプロデューサー:牛山晃一 プロデューサー:伊藤達哉 主催・製作:ゴーチ・ブラザーズ
【発売日】2009/01/17 前売:6,000円 当日:6,500円(全席指定・税込)
http://mimokoko.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:38 | TrackBack