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REVIEW

2009年07月25日

JACROW『明けない夜』07/17-26サンモールスタジオ

 中村暢明さんが作・演出されるJACROWの新作公演。CoRich舞台芸術!の評価が大変高いので久しぶりにお邪魔しました。

 残念ながら私には面白みは感じられず・・・。上演時間は約1時間40分弱。

 ⇒CoRich舞台芸術!『明けない夜

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 舞台は1963年、裕福な家庭の一室。
 平和な日常を壊す一本の電話から始まる。
 誘拐事件の果てに浮かび上がるねじれた人間ドラマ。
 ≪ここまで≫

 舞台は60年代の高度成長期の東京の、ある実業家宅の応接間。ソファやランプ、ステレオ、テレビなどの家具・電化製品をはじめ、食器類や置物までそろえた具象美術です。

 テレビのサスペンスドラマのようなストーリーでした。1曲目の音楽(M1)が鳴ったとたん、何かのパロディーなのかなぁと思ったのですが、そうではなく。選曲のセンスは全体的に私には合わなかったみたい。

 役者さんは胸から上だけを使って、なんとなくそれらしい演技をしているような印象。腹から声が出ていないというか、地に足が付いていないというか。残念ながら最初から最後まで入って行けなかったです。

 ここからネタバレします。

 社長夫妻の娘(小学生)が誘拐されます。警察は近親者の犯行である線が濃いと判断し、社員や家政婦らを取り調べて行きます。取り調べ中の緊迫感がわざとらしく感じ、取り調べ内容にもあまり納得できず。

 真犯人は社員として働いている社長の愛人でした。社長にこっぴどくフラれて、しかも「娘がいるから簡単には妻と別れられない」とか言われちゃうし、社長が奥さんに「お前が一番だよ」ってつぶやくのも盗み聞きしちゃうし。衝動的に娘を連れ去って自宅で殺しちゃったんですね。
 社長がありもしない誘拐事件をでっちあげたことが、最後の最後にわかります。一応、愛人を守ろうとしたってことなのかな。

 現在と並行して、3ヵ月前、2ヵ月前、1ヵ月前という順番に、過去のシーンが間に挟まれます。過去のシーンでは薄白い紗幕の向こう側で演技をするのですが、事件当日については、演技の最中に徐々に紗幕が上がっていくという演出になっており、それが面白かったです。
 音楽については「見上げてごらん夜の星を」(Wikipedia)はフィットしました。確かこの曲だったと思うんですが・・・。

JACROW#12
出演:狩野和馬(InnocentSphere) 仗桐安(RONNIE ROCKET) 今里真 祥野獣一(獣劇隊) 立浪伸一(はらぺこペンギン) 橋本恵一郎  田中まこと 前田彩子 堀奈津美(DULL-COLORED POP)  岡本篤(劇団チョコレートケーキ) ヤナカケイスケ 蒻崎今日子(JACROW)
脚本・演出:中村暢明 舞台美術 吉川悦子 照明:清水朋久 音響:岡田 悠(One-Space) 衣装:セオキョウコ 小道具:湯田商店 映像:三浦英蔵(QUOIT) 宣伝美術:川本裕之 題字:盛隆二 舞台監督:吉田慎一(Y's factory) 演出助手:メトロ=サスケ(ポリタン煉瓦亭) 井原謙太郎 制作:黒田朋子 吉水恭子(芝居屋風雷紡) C★chan 企画:JACROW
【発売日】2009/06/01(日時指定・全席自由)◎本編「明けない夜」 一般 前売3000円 当日3300円 四十割引 前売2700円 当日3000円 早期割引 前売2700円 当日3000円 平日昼間 前売2700円 当日3000円
◎外伝「外伝~それぞれの事情」全て 前売・当日共1500円※ただし『外伝~それぞれの事情』のみのチケット販売はありません。本編の料金にプラスして一律1500円でご覧いただくカタチになります。
※四十割引…業界初?大人の方が安い料金設定。40歳以上の方は前売・当日共300円値引きいたします。(要証明証提示)※早期割引…17金~19日の計5ステージは前売・当日共300円値引きいたします。(四十割引は適用されません)☆平日昼間…22水15:00/24金17:30の回は前売・当日共300円値引きいたします。(四十割引は適用されません)
http://www.jacrow.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:58 | TrackBack

モダンスイマーズ『血縁~飛んで火に入る五兄弟~』07/17-08/02赤坂RED/THEATER

 モダンスイマーズの劇団10周年記念公演です。岸田戯曲賞を受賞したばかりの座付き劇作・演出家の蓬莱竜太さんも、役者として出演されます。

 劇団の人気作『赤木五兄弟』を下地、に劇団員5人で脚本を作ったそうです。開演前には「蓬莱戯曲の繊細なセリフ、見事な伏線は期待しないで」というアナウンスも(笑)。

 劇場入り口から客席まで、劇団員総出で観客を迎えてくれました。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『血縁~飛んで火に入る五兄弟~

 赤木家の2009年の春夏秋冬を描きます。長男の淡い恋心やご近所の人とのバトルなど。

 長年活動している劇団は、作・演出・主宰を兼ねる人材ばかりが目立っていくことが非常に多いんですよね。この公演が、そんな流れを拒否するという劇団の意思表明であるならば、一演劇ファンとしてとても嬉しいです。モダンスイマーズというのは男5人の劇団なのだなと、改めて認識しました。

 客演の古川悦史さんの七変化(3役?)が可愛らしかったです。古川さんは小劇場劇団へ客演が多いですよね。

 ここからネタバレします。

 五男(蓬莱竜太)がハワイから帰る飛行機の中で、「帰りたくないよ~」と肩を震わせて泣くところが面白かったです。しみじみしました。

 ハワイから帰ったら、家に「出て行け!」「金かえせ!」などと壁に描かれていました。“被害者の会”の仕業だと決めつけ、食事当番の五男以外は仕返しに出かけます。その場に居合わせた近所の住人・栗林(古川悦史)が警察に通報したため、おそらく仕返しは未遂。でも4日間拘留されたらしいので、警察とはケンカしたのかな(笑)。
 クリスマス・イヴには「ご迷惑をおかけしました!」と言いながら、5人全員で町にお菓子をばらまくサンタとトナカイになります。これで赤木五兄弟は杉並(ですよね?)からおさらば。

 最後のエピソードは蓬莱さんが書かれたのかしら。ずいぶんうまくまとまったエンディングだったので、10周年の歌とお餅つきはオープニングだけでも良かったかも。

出演:西條義将 小椋毅 古山憲太郎 津村知与支 蓬莱竜太(以上モダンスイマーズ) 室伏ひかり 古川悦史
アンサンブルメンバー:ウォーレン・リウ 海ノ幸子 梅本淳 角島美緒 久住翠希 寒河江有似・色城絶・しゃなちひろ でく田ともみ 永田歩 種本考世 平石祥子 前田朝子・真山カコ 矢ケ部哲 山増圭 吉川綾美 有賀安由子 岩崎愛 末冨真由 和田成正
脚本・演出:モダンスイマーズ 美術:伊達一成 照明:森脇清治(東京舞台照明) 照明OP:相沢大輔 音響:今西工 小道具:高津映画装飾 オプジェ製作:Kazushige Date 題字:Peco 映像制作:株式会社ムーンファクトリー 記録写真:Yoshizo Okamoto 太鼓レンタル&指導:山田貴之 衣裳:小原敏博 宣伝美術:西山昭彦 制作:神野和美 提携:赤坂RED THEATER 企画製作:モダンスイマーズ
【発売日】2009/06/13【前売】¥3,500- 【当日】¥4,000- 全席指定①M10割引 【前売】¥3,000- 【当日】¥3,500- 7/17、24のみ②M10パス 【前売】¥10,500- 全公演共通パス(5回まで観劇可)③学生割引 【前売】¥2,500- 【当日】¥3,000- 24才まで、要学生証②、③の取扱いはHabaneraのみ※M10パスは5回の公演が観劇できる共通パスです。
http://www.modernswimmers.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:57 | TrackBack