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2010年10月01日

【写真レポート】Bunkamura「ケラリーノ・サンドロヴィッチ新作『黴菌(ばいきん)』製作発表」09/30 Bunkamura内リハーサル室

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『黴菌』ポスター

 ケラリーノ・サンドロヴィッチさん(以下、ケラさん。⇒ツイッター)の新作舞台『黴菌(ばいきん)』の製作発表に伺いました。

 シアターコクーンがプロデュースするケラさん作・演出公演は、これが5回目とのこと(過去レビュー⇒)。『黴菌』は昨年末に上演された『東京月光魔曲』に続く昭和三部作の第二弾です。

 北村一輝さん、仲村トオルさん、ともさかりえさんら人気俳優がズラリと揃い、華やかで笑いの絶えない会見でした。

 ●Bunkamura『黴菌(ばいきん)』公式サイト
  12/04-26 Bunkamuraシアターコクーン
  一般発売開始日:2010年10月2日(土)
  チケット価格:特設S¥9,500 S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000
  小学生未満は入場不可。特設Sは舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売。
  ⇒CoRich舞台芸術!『黴菌(ばいきん)

【チラシ掲載画像】
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【ケラリーノ・サンドロヴィッチさん(作・演出)】
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 KERA「昨年の『東京月光魔曲』は1929年代の大恐慌の東京が舞台でした。東京の街を見立てた舞台装置をパノラミックに回転させ、時間や場所がどんどん飛んだんですが、今回は完全に密室劇で、ある数日間を切り取る形になります。敗戦の年である昭和20年3月の東京大空襲から始まり、終戦の8月15日を経て、最後は上演時期と同じ年末を描くという構想です。
 戦争を背景にしたドラマというと、戦争の強大さが大きな影を落とすことになると思うんですが、その時期について何を描けば自分の仕事になるかと、僕なりに考えました。
 舞台は五斜池(ごしゃいけ)家という広大な邸宅。そこに戦争を避けて通った放蕩三兄弟(長男:山崎一、次男:生瀬勝久、三男:北村一輝)が住んでいて、彼らの家族とそこに訪れる人たちのドラマになります。リアリスティックに、つまり散文的に始まって、詩的に終わることになるかと。最後は台本的にも、思いもよらなかったところまで行ければ面白いなと思っています。」

【北村一輝さん】
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 北村「このスタッフ、キャストの中で、一俳優として参加できることがとても楽しみです。尊敬している俳優さんと共演できるのは数少ないことで、自分なりに精一杯がんばっていきたいと思っています。
 ケラさんとお仕事をするのは初めてですが、初めての仕事というのはいつだってあるものです。あまり構えずにどっぷりと、“ケラ色”に染まってみたい。自分を精神的にコントロールして、できるだけフラットな状態で稽古に入りたいと思います。
 これまで舞台にはアウェイ感があって、そんなに“楽しめた”という経験はないのですが、今回は楽しむつもりでやりたい。必ずいい作品になるようがんばります。」

【仲村トオルさん】
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 仲村「最初にこのお話をいただいた時、僕の役は“商社マン・船山。割と経済的に豊かな人物”のように書かれていて、チラシの写真でも資産家のようだと言われました。でも昨日届いたFAXには“人を疑うことを知らない実直な工場の工員役”とあって・・・びっくりしました(笑)。どのくらいびっくりしたかというと、“今朝頼んだ本がさっきamazonから届いたよ、と孫に言われたおじいちゃん”ぐらいにびっくり。「そんな遠くからそんなに早く!?」とか「いま自分がどこにいるかわからない!」みたいな状態です(場内爆笑)。なんとか早く自分の居場所を見つけたいと思っています(笑)。
 ケラさんの作品については、“一人の人間のひとつの脳味噌にこれほどの多彩なものが、大量につまっているなんて”とか“巨大な才能が客席に迫ってくる”という印象です。その世界に僕も行ってみたいと思っていました。一方で、なかなか台本が出来ないという噂も聞いていて。やることのない稽古場ってどんなところなんだろうな、みんなずっとストレッチしてるのかな、そんなところにも一度は行ってみたいな・・・という興味もありました。ただ、稽古初日までにはラストシーンが出来るそうなので、2つ目の楽しみはなくなってしまったんですが(笑)。がんばります。」

【ともさかりえさん】
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 ともさか「私も最初は仲村さんの奥さんの役だと聞いてたんですが、昨日いただいたFAXだと“謎の女”になってました(笑)。ケラさんとのお仕事では翻訳劇や再演ものに参加させていただきましたが、新作でご一緒するのは初めてです。精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。」

【高橋惠子さん】
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 高橋「ケラさんと是非一緒に仕事をしたいと思ってましたので、今回お話をいただいて、とても嬉しく思いました。今年一番のクリスマス・プレゼントかもしれません。私にとってはちょっとした冒険旅行に出かける気分。地球以外の星に行くぐらいの覚悟はしております。どんなことになっても楽しんで、いい作品にしたいと思っています。」

【山崎一さん】
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 「僕はケラさんの舞台にはよく出演しておりまして。今回面白いなと思ってるのは、北村さん、仲村さん、高橋さんという、ケラ作品にはないキャスティングがされていること。それがどう作品につながるのか、今からわくわくしてるところです。密室劇にも期待しています。」

【岡田義徳さん】
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 岡田「まず、このキャストの中にいられることが幸せです。足を引っ張らないようにがんばりたい。昨日いただいた台本で、僕の役が“薬漬けのモルモット”とになってまして。どうやってやろうかと(笑)。あと、自分の役に奥さんがいるのも初めてなので、そこもとても楽しみです。」

【犬山イヌコさん】
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 犬山「岡田さんの奥さん役になりました、犬山イヌコです。最初は五斜池家の次男を演じる生瀬勝久さんの妻ということで、『やった!お金持ちの役だ!』と思っていたんですが、“モルモットの妻”になったようで(笑)。やりがいがありそうです。私はケラさんと同じ劇団ナイロン100℃で今までずっと一緒にやってきたんですが、山崎さんがおっしゃったように、今回はキャストが新鮮かつゴージャス。一緒にできるのが楽しみです。」

【緒川たまきさん】
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 緒川「年末のシアターコクーンは独特の不思議な華やかさがあって、あの中にこのメンバーの皆さまと一緒に立てることがとても楽しみです。仲村トオルさんとは今年初めてお会いして、夏に夫婦の役をやらせていただいて、今回は兄妹ということで。急にこんなにご縁が出来て、個人的に嬉しく思っております。」

【みのすけさん】
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 みのすけ「僕は劇団ナイロン100℃に所属してまして、ケラさんとは高校生の時からずっと一緒です。今回はじめて、外部の公演でケラさんと一緒にやれるのを嬉しく思います。密室劇という濃い世界で、いつものメンバーと初めての豪華なメンバーとが、どのように融合して劇世界が繰り広げられるのか。楽しみです。がんばります。」

【小松和重さん】
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 小松「僕は五斜池家の運転手役ということですので、これから免許を取りに行って、皆さんに華麗なドライビング・テクニックをお見せできるようがんばろうと思います(笑)。後は、あの・・・今言うかどうか迷ったんですが、このタイミングじゃないとは思うんですけど・・・ケラさん、緒川さん、ご結婚おめでとうございます!(場内爆笑) なかなか言えなくて本当にすみませんでした。楽しい現場になるようがんばります。」

【池谷のぶえさん】
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 池谷「何度かご一緒させていただいている方々と、初めての方々とが半々ぐらいで、安心感がありつつ刺激的な現場になるのではないかと楽しみです。ケラさんの新作に参加させていただくのは5年振りで、それも楽しみです。」

【長谷川博己さん】
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 長谷川「初めてケラさんの作品に出られてとても嬉しいです。バンド時代のケラさんもナイロン100℃公演も観て来て、ケラさんの舞台にずっと出たいと思っていたので、念願が叶いました。豪華なキャストの中で、先輩方の背中を見ながら、自分も成長できたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。」

【全員写真】
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【しのぶよりお薦めコメント】
 脚本ができていないことが何度もネタになっていましたが(笑)、ここ数年間、ケラさんの新作は私個人的にはかなりの確率で大当たりです(たとえば⇒)。七戸優さんのイラストが素敵な、インパクトのあるチラシを眺めて、期待値がさらに上がりました。年の瀬のきらびやかなBunkamuraで、昭和の退廃的なムードに浸れたらと思います。

 ★『東京月光魔曲』のDVDが12月1日に発売されます。⇒公式サイト

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[出演]北村一輝 / 仲村トオル / ともさかりえ / 岡田義徳 / 犬山イヌコ / みのすけ / 小松和重 / 池谷のぶえ / 長谷川博己 / 緒川たまき / 山崎一 / 高橋惠子 / 生瀬勝久 ※生瀬勝久さんは製作発表を欠席。
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ  音楽:齋藤ネコ 美術:伊藤雅子 照明:関口裕二 映像:上田大樹 音響:水越佳一 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:宮内宏明 演出助手:坂本聖子 石内詠子 舞台監督:福沢諭志 主催・企画・製作:Bunkamura
一般発売2010/10/2(土) 特設S¥9,500 S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000 (税込) 小学生未満は入場不可。舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売します。お席は当日劇場にてご確認ください。連番でご購入なさってもお席が離れる場合がございます。椅子が通常の形状と異なります。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_baikin.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年10月01日 00:39 | TrackBack (0)