2010年06月07日
文学座『麦の穂の揺れる穂先に』05/31-06/09紀伊國屋サザンシアター
平田オリザさんが『風のつめたき櫻かな』に続いて文学座に新作を書き下ろされました。演出も引き続き戌井市郎さん。戯曲は小津安二郎監督作品(映画「麦秋」と「晩春」)がもとになっています。
友人に招待券を譲ってもらい、母と2人で観に行きました。上演時間は約2時間以上(途中10分、5分の2回の休憩を含む)。何分だったかは失念・・・2時間半ぐらいだったと思います。すみません。
⇒文学座公式ツイッター
⇒CoRich舞台芸術!『麦の穂の揺れる穂先に』
≪あらすじ≫
アイルランド文学を教える老教授(江守徹)は妻と死別して以来、娘(栗田桃子)と鎌倉の自宅で2人暮らし。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
動物園に勤めてオオアリクイの世話をしている娘が、寄生虫の研究をしている若者(5歳の女児の父親で、妻は出産時に死去)に唐突にプロポーズをする場面が、とにかく良かったです。いつでもどこでも世界中の情報が手に入る現代において、若者が結婚を決心するのって難しいんですよね。「他にもっといい人がいるかもしれない」って思い続けてしまいますから。ヒラメキやトキメキに任せてエイ!と飛び込むしかないんじゃないか・・・という一提案に共感します。
でもその場面しか面白くなかったんですよね・・・。
江守さんが最後にピアノを弾く必要性も感じられず(かなり間違ってらっしゃいましたし・・・)。
≪東京、兵庫、新潟、神奈川≫
出演:江守徹 金内喜久夫 坂口芳貞 高橋耕次郎 大場泰正 倉野章子 藤堂陽子 山本道子 栗田桃子 永川友里 千田美智子
脚本:平田オリザ 演出:戌井市郎 装置:石井強司 照明:山内晴雄 音響効果:望月勲 舞台監督:寺田修 演出補:黒木仁 制作:友谷達之 票券:松田みず穂 宣伝美術:伊藤理佳
【発売日】2010/04/24 一般6,000円 父娘ペア10,000円 ユース(25歳以下)3,800円 中・高校生2,500円 ※一般以外は劇団扱いのみ
http://www.bungakuza.com/mugi/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』06/06-13シアタートラム
タニノクロウさんが作・演出される庭劇団ペニノの2006年初演作の再演です。初演がすごく面白かったのでオーディション情報も掲載しました。
劇場がザ・スズナリからシアタートラムに変わり、コンセプトは変わらないものの完全な新作になっていましたね。全曲オリジナルの生演奏付きで前売り3500円は贅沢~♪ 上演時間は約1時間30分。
⇒CoRich舞台芸術!『アンダーグラウンド』
音楽はジャズ・・・ではなかったですね。ヴァイオリン、クラリネットの美しい音色は室内楽の印象。ドラムは激しい演奏でも上品でした。音楽に聴き惚れてコンサートに来た気分になることもあり。
それにしても、凝りに凝った美術や小道具を使って、豪華な生演奏まで用意されているにもかかわらず、舞台上で起こっていることの馬鹿らしさったら!!(笑)
ただ、私はどちらかというと初演の方が好みでした。おおっぴらな「手術ショー」よりも、“隠れ家でひっそり行われる倒錯した儀式”のような構成の方が入り込みやすかったからだと思います。
ここからネタバレします。
指揮者(マメ山田)がより指揮者らしくなっており、冒頭から「これは手術ショーです」とわかりやすく説明する仕組み。取りだされる臓器が偽物だとわかっていても、あのリアルな造り物にはドキドキします。
上手手前にいる病理役(?)の背の小さい女優さんが、タバコを吸い始めたところで一番笑いました。手術室では絶対にあり得ないことが、サラリさりげなく起こるのが面白いんですよね。あ、病理が小腸を笛のように吹いた時も可笑しかった!
"UNDER GROUND"
【出演】執刀1:五十嵐操 執刀2:高田郁恵(毛皮族) 助手1:島田桃依(青年団) 助手2:浜恵美(机上風景) 麻酔:上田遥(ハイバイ) 看護士:瀬ロタエコ 新人看護士:坂倉奈津子 病理:ビアスズキ 患者:長江英和 映像技師:明石竜也 ピアノ:阿部篤志 ヴアイオリン:山本大将 クラリネット:渡邊一毅 ドラム:秋葉正樹 指揮者:マメ山田
作・演出 タニノクロウ 音楽:阿部篤志 構成:タニノクロウ、玉置潤一郎、山口有紀子、吉野明 美術:田中敏恵 特殊造形:小此木謙一郎(GaRP)、福田雅朗 照明:今西理恵(LEPUS) 音響:中村嘉宏 演出助手:森準人、郷淳子 舞台監督:筒井昭善、野口毅 照明操作:柳田充(LEPUS) 音響操作:佐藤こうじ(Sugar Sound) 映像製作:明石竜也 演出部:井上悠 大道具:俳優座劇場 小道具:高津映画装飾 稽古場:にしすがも創造舎、世田谷パブリックシアター 宣伝美術:手島綾 舞台写真:田中亜紀 制作助手:清水美里 制作:中山静子、三好佐智子 制作協力:quinada 助成:芸術文化振興基金、セソン文化財団 提携:財団法人せたがや文化財団 世田谷パプリックシアター 後援:世田谷区 主催:庭劇団ペニノ
【発売日】2010/04/27 前売り3500円/当日 3800円(全席指定・税込み) 学生割引 2000円(劇団のみ取扱い・要学生証)
http://www.niwagekidan.org/next.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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