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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2011年08月05日

演劇集団キャラメルボックス・アナザーフェイス『ナツヤスミ語辞典』08/03-11新国立劇場小劇場

 演劇集団キャラメルボックス柿喰う客の合同公演です。キャラメルボックスの「アナザーフェイス」公演は14年ぶりとのこと。上演時間は約2時間弱(2度のカーテンコール込み)。

 新国立劇場小劇場で完全抽象の雛壇舞台。照明と音楽で見せきる中屋敷法仁さんの演出に改めて感心しました。過去に「ナツヤスミ…」を観たことがある人は「こんな演出もできるのか!」と驚き、発見するんじゃないかしら。

 中高生はなんと1000円!!これは破格です!新国立劇場に行ったことのない学生さんもこの機会にぜひ!

 ※8/7(日)19:00の回は全配役をシャッフルして上演する“乱痴気”ステージです。前売り完売ですが当日券はあるんじゃないかと。かなり気になります。⇒全キャスト表

 ⇒ぴあ「キャラメルボックスが若手注目株“柿喰う客”とのタッグで贈る注目の舞台が開幕」←舞台写真あり!
 ⇒キャラメルボックス×柿喰う客『ナツヤスミ語辞典』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 クサナギの元に一通の手紙が届いた。それは三年前に担任した生徒から。そこに書いてあったのは、ちょっと不思議な夏休みの出来事だった。
 カブト・ヤンマ・アゲハの3人は中学2年生。ヤンマがプールの水を抜いてしまったことがバレて、先生からプール掃除を命じられる。そこへ、白い服を着た男・ウラシマが現れて、カブトが母から借りてきたカメラでみんなの写真を撮りはじめる。翌日現像してみると、そこに写っていたのは、なんと15年前の景色だった……。
 ≪ここまで≫

 階段だけの舞台という潔さ。重なった無数の本のようでもあるし、私にはバームクーヘンにも見えて、シンプルながら重層的なファンタジーの要素もあり。階段が互い違いに斜めになっているのが、天国に続く道にも見えました。

 いわゆる青春時代の夏の思い出を描いたみずみずしい魅力のある物語で、人物の相関関係が徐々にわかってくるのがよくできているな~と思います。さすが何度も再演を重ねている演目ですね。最後の最後で少々、説明的なセリフに頼りすぎな印象もありましたが、私は初日に拝見しましたのでこれから変わっていくことと思います。

 新国立劇場小劇場の舞台で生き生き伸び伸びと走りまわる、柿喰う客メンバーはじめ、森下亮さんら小劇場でも活躍する役者さんたち。大好きな劇場なので感慨深いものがありました。

 ここからネタバレします。

 アオタ先生(村上誠基)に笑わせてもらったな~。私にとって村上さんは鉄板。
 アゲハ(原田樹里)の母(右手愛美)が可笑しかったです。エロ派手ゴージャスな衣装とミスマッチな動きがツボ(笑)。

キャラメルボックス×柿喰う客
出演:多田直人(キャラメルボックス)、渡邊安理(キャラメルボックス)、井上麻美子(キャラメルボックス)、鍛治本大樹(キャラメルボックス)、林貴子(キャラメルボックス)、原田樹里(キャラメルボックス)、七味まゆ味(柿喰う客)、コロ(柿喰う客)、深谷由梨香(柿喰う客)、村上誠基(柿喰う客)、永島敬三(柿喰う客)、大村わたる(柿喰う客)、右手愛美(柿喰う客)、熊川ふみ(範宙遊泳)、川田希、森下亮(クロムモリブデン)
脚本:成井豊 演出:中屋敷法仁 美術:原田愛 照明:松本大介 音楽:佐藤こうじ 音響:大久保友紀 舞台監督:矢島健 スタイリスト:花谷律子 ヘアメイク:山本成栄 演出助手:棚瀬巧  舞台監督助手:鳥養友美 小道具協力:高津映画装飾 大道具製作:C-COM 拓人 宣伝デザイン:柳沼博雅(GOAT) 宣伝イラスト:GEN'S WORKSHOP+加藤タカ 舞台写真:伊東和則 制作総指揮:加藤昌史 プロデューサー:仲村和生 協力:ソネットエンタテインメント 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ 主催・企画・製作:ネビュラプロジェクト
【発売日】2011/06/26 指定席 4,800円 バルコニー席 3,800円(キャラメルボックスのみ) 中高生シート 1,000円(キャラメルボックスのみ)
http://www.caramelbox.com/s/ntg/
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/natsuyasumigojiten.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2011年08月05日 10:29 | TrackBack (0)