2011年06月07日
ゲキバカ『ローヤの休日』03/16-27王子小劇場
ゲキバカは柿ノ木タケヲさんが作・演出される劇団です。俳優の劇団員は男性ばかり。『ローヤの休日』は2度目の再演で、東京公演は男囚、女囚の2バージョンありました。
「CoRich舞台芸術まつり!2011春」審査員として拝見しました(⇒94本中の10本に選出 ⇒応募内容)。ゲキバカは「CoRich舞台芸術まつり!2009春」の準グランプリ受賞団体です。※今回のレビューはCoRich舞台芸術!に書きます。
ロビーでの物販が充実してまして、男囚バージョン鑑賞後にガチャガチャにチャレンジしたところ、なんとDVDが当たってしまいました・・・!審査員として招待券をいただいていたのに、プレゼントまでいただいて恐縮しきり。でも「当たる」って嬉しいですね!(笑) 出演者の皆さんがパッケージにサインしてくださいました。
収益の一部は被災地への義援金になるとのこと。ちゃんと募金報告もしてくださって、ありがたいですね。
⇒CoRich舞台芸術!『ローヤの休日』
≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
監獄の物語。舞台美術は極力シンプルに、もしくは素舞台。
窃盗団。ダイヤモンド。逃亡。投獄。
邂逅。生命感あふれる純白のブリーフ。カレー。スプーン曲げ少年。
男とおとこのキス。穴。大脱走。小さな町の大きな煙突。ラジオからの曲。たんぽぽ。家族。
そして主人公はトンネルの先に光を見つける。
≪ここまで≫
≪東京、大阪、愛知≫ゲキバカ 2011年 春の三都市巡業「ローヤの休日」
出演:石黒圭一郎、西川康太郎、鈴木ハルニ、伊藤今人、中山貴裕、渡辺毅、加藤靖久(ANDENDLESS)、(以上、3都市共通)、◆女囚バージョン、境宏子(リュカ.)、三枝奈都紀(Afro13)、泊ヶ山まりな、野依美弥子、山本由樹恵、三澤さき、岡田一博
脚本・演出:柿ノ木タケヲ 演出助手:苫米地裕子、海野デカ 照明:兼子慎平(LaSens)/東京公演 宮崎正輝/大阪・名古屋公演 音響:佐藤春平 衣装:車杏里 記録・映像:KASSHAKA 写真:飯野高拓 舞台監督:中西隆雄/東京 青野守浩/大阪 海野デカ/名古屋 宣伝美術:細田美装 制作:浅倉良徳 吉田千尋 制作協力:鉾木章浩(製作集団basil)/大阪 ニシムラタツヤ(AfroWagen)/名古屋 企画・制作:ゲキバカ
【発売日】2011/02/14 前売:3,200円 当日:3,500円 学割:2,200円(大学・専門学校生/前売り・劇団扱いのみ) 中高生特別料金:0円(各回枚数限定/要予約、劇団扱いのみ)
http://gekibaka.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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万能グローブ ガラパゴスダイナモス『グンナイ』05/28-29イムズホール
万能グローブ ガラパゴスダイナモスは福岡の人気若手劇団です。2月に初の東京公演を拝見しまし、これが2度目になります。
「CoRich舞台芸術まつり!2011春」審査員として拝見しました(⇒94本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。
上演時間は約1時間40分だったかと。
イムズホールの公演はビルの懸垂幕の宣伝が嬉しいですね~。
⇒CoRich舞台芸術!『グンナイ』
≪あらすじ≫
日本から離れたある島。南国ムードいっぱいのホテルのロビー兼バーで、若い男女が談笑中。高校野球部の同窓生が数年ぶりに集まったのだ。
≪ここまで≫
■「グンナイ」で済ませられない人生
初日の1ステージ目に伺ったところ、観客のわくわく度がハンパない!10代と思われる若い男女が団体で観に来ていたり、ロビー開場中から観客の熱気にあてられ、客席についてからは300席以上を満席にする劇団力を見せつけられました。「前回はあんな役だった役者さんが、今回はこんな役だ」と見守るような、固定客と劇団との幸せな関係も築かれており、いわゆる“大人気の若手劇団”に久しぶりに触れたように思います。
舞台は日本から離れたある島の、南国ムードいっぱいのホテルのロビー兼バー。高校野球部の同窓生が数年ぶりに集まり旧交を深めますが、それぞれが抱える問題が徐々にあらわになっていきます。
今年2月の東京公演同様によく練られたコメディーでしたが、意外にテーマが重くてメッセージ性も強く、終演後しばらく客席にとどまり、受け取った意味を咀嚼しながら余韻を味わいました。
今までになかった方向性を打ち出したようですね。笑いに特化した作品も良いですが、私としては今作で劇団の将来への期待がますます高まりました。
ここからネタバレします。
ともに青春時代を過ごしたさわやか高校球児たちも、卒業後は別々の道へ。父の仕事を継ぎ婚約者も得て幸せの絶頂にいる者もあれば、野球賭博で行き詰まり国外逃亡をもくろんでいたり、ホストになって次々と女性客にたかっていたり、新興宗教にはまっていたりする者もあり。
プロ野球選手だった弟の交通事故死に疑問を抱く姉が、旅行記事ライターとしてホテルに潜入していました。弟は野球部で一緒だった面々と、野球賭博および薬物によるドーピングに手を染めていたのです。薬物は舞台となる島に咲く植物から抽出されたもので、新興宗教団体が販売しているものでした。
「死」のムードがひっそりと舞台を侵食しますが、深刻なエピソードを大げさに謡いあげることなく、笑いのスパイスを細かく効かせてコメディーの体裁に整える手腕に信用がおけました。
野球の試合を再現する場面が素晴らしかったです。あの時の輝きは皆の心に刻まれ、いつまでも美しい思い出であり続けるけれど、その後歩んだ日々も消えることはありません。
グンナイの意味は「Good Night(おやすみなさい)」。つまり目をつぶっていた、あえて気づかない振りをして見逃していた、何かを盲信して思考停止していたということ。その結果、しっぺ返しをくらうことになります。思い出の試合を何度繰り返しても、最後の一球を打たれて負けるのです。
作者の川口大樹さんがどう考えていたかはわかりませんが、この度の震災および原発事故の下で生きる私たちをあらわしているように受け取りました。
万能グローブ ガラパゴスダイナモス 第12回公演
第5回福岡演劇フェスティバル参加作品 イムズパフォーミングアーツシリーズ2011 vol.5
出演:椎木樹人 多田香織 どん太郎 松田裕太郎 松野尾亮 横山祐香里 阿部周平 加賀田浩二(飛ぶ劇場)
脚本・演出:川口大樹 舞台監督:森田正憲(株式会社エフジーエス) 照明:太田勝之(有限会社サム) 照明操作:竹内元一 音響:杉山聡 音響操作:辻村泰平 舞台装置:中島信和(兄弟舟) 舞台美術:藤紗希江 小道具:松田裕太郎 衣装:石山龍太郎 演出助手:田中基康 制作:橋本理沙 広報:松野尾亮、多田香織 WEB:辻村泰平、竹内元一 Design illustration:中村ヤスオ(WELLS FACTORY) 宣伝美術:山本庸平(Brad Master) 主催:万能グローブ ガラパゴスダイナモス/イムズ 制作協力:ピクニック 後援:NPO法人FPAP 協力:パブリックチャンネル、andymori フェスティバル協賛:(株)プレナス
【発売日】2011/04/01 当日:2500円、一般前売:2300円、ペア:3800円 高校生以下:1000円[当日座席指定・引換時要学生証]
http://www.galapagos-dynamos.com/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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