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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2012年05月11日

カンパニーデラシネラ『ロミオとジュリエット』05/06東京都現代美術館

 演出家、振付家、パントマイマーの小野寺修二さん率いるカンパニーデラシネラが、東京都現代美術館で無料パフォーマンスを実施しました。これまでに幾度か上演されてきた『ロミオとジュリエット』をやっと観られました。楽しかった~!!!一緒に観た母もとても喜んでくれました。

 あの日はお天気が不安定で、開場時刻にいきなり雨!そのまま地下2階講堂へとキャスト、スタッフ、観客ともに移動しました。15分~20分遅れで開幕。上演時間は50分とのアナウンスでした。晴れていたら平田晃久さんの建築物(パヴィリオン)↓の前でパフォーマンスするはずだったんです。大きい!

20120506_MOT_Pavillion_1.JPG

 ⇒CoRich舞台芸術!に詳しい感想があります。
 ⇒CoRich舞台芸術!『ロミオとジュリエット

 まず会場変更やそれに伴う上演準備がどれほど大変なことだったか、考えるとゾっとしますが、カンパニーデラシネラおよび美術館のスタッフの方々のおかげで快適に拝見することができました。開演前の待ち時間を小野寺さんが快活なトークと客いじりで持たせてくださり、誰もを歓迎するエンターティナーでありながら、観客と対等でいつづける姿勢がとても立派な方だと思いました。私もこんな風に人と接することができたら…いいな。

 『ロミオとジュリエット』を1時間弱で上演するので、どこをどれだけ省略するか、引き延ばすか、クローズアップするかといったところも楽しみました。キュっと収縮してさらりと伸びて、また収縮する動きのリズムが心地よかったです。白い四角柱の木製の箱が数個あり、組み立て方によってさまざまな物に変身。壁になったり祭壇になったり、見事でした。

 講堂の床では赤いじゅうたんがツルツル滑り、すぐにしわができてしまいます。役者さんが滑って転ぶんじゃないかとハラハラしちゃいました。こういったトラブルは他にもあったのですが、いきなりの会場変更から始まった舞台でしたから、不満なんて全くありませんでした。むしろこういった非常時にも柔軟に対応して、最善を尽くされた皆さんに感謝しています。

 ここからネタバレします。

 くるくると布を回すと、布にくっつけられた小さな人形や家が出てくるテーブル(意味が伝わらないですよね、すみません)がとっても可愛いです。この作品のための特注品なのだと思います。石黒猛さん製作。

 終盤の霊廟の場面だけは室外に出て、美術館の中庭(サンクンガーデン)で鑑賞。ひろびろと広がる空の下、地下の講堂とは打って変わった開放的な場です。そこでロミオを追って死ぬジュリエット、またジュリエットを追って死ぬロミオ。悲しい…と思ったら、小野寺さんから「お客さん、上に気をつけて!何か来た!」との声が!見上げるとフリスビーが飛んできていました。無数に放り投げられるフリスビーを役者さんが各々で追いかけ、つかんで、役者さん同士でフリスビーの投げ合いに。いつの間にかロミオもジュリエットもそれに参加していました。

 終演して階段をのぼって役者さんたちが去っても、カーテンコールの拍手が鳴りやまず。役者さんたちはもう一度上から顔を出してくださいました。

東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト第五弾
Museum of Contemporary Art Tokyo Bloomberg Pavilion Projyect
近年、物語性豊かな身体表現を展開しているカンパニーデラシネラ。MOT(東京都現代美術館)の実験的スペースを舞台に、言葉と行為の関係を問い直すパフォーマンスを上演します。
日時 : 2012年5月6日 (日)17時開演(16時45分開場)
会場 : 東京都現代美術館  パブリック・プラザ (悪天候の場合、地下二階講堂)
出演 : 大庭裕介 斉藤悠 菅彩夏 田村一行(大駱駝艦) 依田朋子 小野寺修二
原作 : ウィリアム・シェイクスピア 翻訳 : 松岡和子 構成・演出 : 小野寺修二 美術 : 石黒猛
観覧料:無料(どなたでも自由にご覧頂けます)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 協賛:ブルームバーグL.P.
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/125/2

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2012年05月11日 13:55 | TrackBack (0)