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2012年04月11日

【ご報告】再演舞台を観て語らう夕べ「新国立劇場演劇『まほろば(再演)』鑑賞&夕食会」2012年4月6日(金)19時開演の回@新国立劇場小劇場

 私が企画・実施いたしました【再演舞台を観て語らう夕べ】は、おかげ様で想像していた以上に楽しい会となりました。“楽しかった”というより“楽し過ぎ”ました(笑)。あの夜は帰宅してからも興奮してしまってしばらく寝つけず、翌日は「ああ、もっと話していたかった・・・!」と、数時間前の出来事を懐かしく、口惜しく、何度も思い返しました。

 まず『まほろば』という作品が非常に面白かった!翌日にメルマガ号外を発行しました。東京公演は4/15までで、その後、長野、兵庫、山形公演があります。どうぞお見逃しなく!
 ⇒おけぴ管理人の観劇レポ「12/03/19 まほろば稽古場レポ

 ※メルマガ号外は特にお薦めしたい舞台に出会った時に発行します。年間5本を目安にしてします。メルマガのご登録はこちらでどうぞ。

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ワインをおともに歓談

 『まほろば』は現代日本が舞台の親しみやすいコメディーですが、女性の生理・妊娠・出産について赤裸々に語られるので、内容は実は過激なんです。身近な話題である上に過激なので、どうしても鑑賞後に誰かと話をしたくなるんですよね。「あれどう思った?」「私はこうなんだけど、あなたはどう?」とか。今回の参加者9人は全員女性で、『まほろば』に負けず劣らずの赤裸々な発言が続出し(笑)、目からウロコな発見づくしでした。まあ女性が普段レストランで話す内容じゃないですね、絶対(笑)。

 参加者の年齢層が30代~60代と幅広く、それぞれに受け取ったこと、気づいたこと、考えたことが違っていたのが新鮮で刺激的でした。一人が語る度に「ほぉ~」という小さな驚きを含んだ納得の声が上がったり、「私も!」と意外なところから共感の声が聞こえたり。ディナーのテーブルで予想不可能な言葉のキャッチボールが広く展開されて、まるで何かのスポーツの試合に参加しているような臨場感と興奮がありました。

 『まほろば』には10代~70代の女性が登場します。参加者の中には、秋山菜津子さん演じる東京で働く独身女性ミドリと同じ立場だとおっしゃる方が数名いらっしゃいました。かたや、大西風香さん演じる11歳のマオと同じぐらいの年齢の娘さんのある方もいらっしゃったり。それぞれに注目する登場人物やテーマが違ってくるので、お話を伺うごとに、作品を多面的に味わうことができたように思います。
 また、私は「こんなにお芝居で笑ったのは一体何年振りかしら~」と思うぐらい笑わせてもらったのですが、「身に詰まされる内容ばかりで全く笑えなかった」という方もいらっしゃいました。初演から4年経過し、今回の再演では受け取り方が変わったとおっしゃる方も。『まほろば』は観る時の年齢によって感じ方がかなり変わる作品とも言えそうです。

 以下、参加者の方々からツイッターやメールでいただいたご感想です。

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お食事も美味しかったです

 Aさん「『まほろば』面白かった。本当良かった。じんとした。訓練された役者が熱を持ち、綿密に練られた演出で、気をてらわずきちんと届ける作品が、やっぱりわたしは好きみたい。妊娠・出産・生理を扱った男性が書いた脚本で、好きになれるものなんて今までひとつもなかった(だいたい幻想入ってる)。でも『まほろば』はリアルだったな。リアルで悔しい感じもある。」(※ツイートより句読点など追加して転載)

 Bさん「今日は楽しかった。楽し過ぎた。あんなに楽しいとは。同じ舞台を見たことであんなに話がはずむなんて。あのまま一晩中、話し続けられたかもと思ってしまうくらい。素晴らしい企画をありがとうございます。またこういう企画があれば嬉しいです。またみんなで会えるといいな~と思います。」

 Cさん「昨日は楽しかった。すごい!時間でしたね。あれからずっと考えています。最後の場面で、なぜ涙が出てきたのか。私は高野さんや○○さんとは違う気持だったと思うのです。」
 Cさん「昨日は本当に楽しかったし、まだまだずっと話し続けたかった感じですね。自分の今までのことなども振り返ったりできるいい機会になりました。」

 Dさん「今日はありがとうございました!とても楽しかったです。時間が経つのを忘れるくらい…。また是非こういう企画やって下さい!」


 他者の意見をそのままに、素直に受け止め、自分の意見を決して押しつけることなく、誰も対しても開かれた状態で話す、円滑で活発なコミュニケーションが成り立ったのは、参加者の皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。
 皆さんに喜んでいただけたことも含め、私自身も大満足の会だったのですが、1点、私の不手際がありました。すっかり時間を忘れて終了予定時刻をオーバーしてしまったんです・・・申し訳ございませんでした。次回はiPhoneの目覚まし用のアラームをセットするようにします!


再演舞台を観て語らう夕べ「新国立劇場演劇『まほろば(再演)』鑑賞&夕食会」
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2012/0321143212.html
≪東京、長野、兵庫、山形≫
出演:秋山菜津子 中村たつ 魏涼子 魏涼子 前田亜季 大西風香 三田和代
脚本:蓬莱竜太 演出:栗山民也 美術:松井るみ 照明:服部基 音響:秦大介 衣裳:宇野善子 ヘアメイク:佐藤裕子 方言指導:柄沢りつ子 演出助手:保科耕一 舞台監督:米倉幸雄 制作担当:茂木令子
A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000440_play.html

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Posted by shinobu at 20:47 | TrackBack

【情報】俳優指導者アソシエーション「『シリーズ 俳優指導者のすべて』受講者募集」4月~6月 開催@芸能花伝舎(申込手段:メール、電話、FAX)

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俳優指導者のすべて

 先日、説明会が開催された俳優指導者アソシエーション『シリーズ 俳優指導者のすべて』の受講者募集情報です。

 俳優指導者アソシエーション代表の池内美奈子さんは、新国立劇場演劇研修所のヘッドコーチでもあります。ご興味のある俳優指導者の方はぜひお申込みください。以下、公式サイトからの情報です。

 ■俳優指導者アソシエーション『シリーズ 俳優指導者のすべて』
  開講日:4/21(土)、5/19(土)、6/23(土)
  受講料:19,000円(3回通し) 個別受講:7,000円/回

 ■俳優指導者アソシエーション『シリーズ 俳優指導者のすべて』

【実施概要】
第1回 「俳優指導者のことば ~俳優指導者の役割~」
日時:2012年4月21日(土)11時~17時

第2回 「からだと声 ~俳優トレーニングの実際~」
日時:2012年5月19日(土)11時~17時

第3回 「カリキュラム ~俳優養成の現状と未来~」
日時:2012年6月23日(土)11時~17時

対象者:職業として俳優指導などを名乗っていて、その職能にさらなる磨きをかけたい方

受講料:19,000円(3回通し) 個別受講もできます。7,000円/回

場所:芸能花伝舎1-3(東京都新宿区西新宿6-12-30)
・東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅 出口2より徒歩約6分
・都営大江戸線「都庁前」駅 A5より徒歩約7分
・都営大江戸線「中野坂上駅」「西新宿五丁目」より徒歩約10分
・「新宿」駅 西口より 徒歩約15分
地図:http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/08access/index.html

【申し込み方法】

ご希望の受講の回(3回通しか、個別か)、氏名、ふりがな、住所、連絡先(電話番号、fax、携帯電話、e-mail)、所属、申し込みの動機、経歴(俳優指導、および関連する活動)を記入の上、以下の申し込み先にお送りください。

【申し込み先・お問い合わせ先】

アトラス
メール:asatp(アットマーク)g-atlas.jp
電話:080-4294-0502
fax:020-4623-8486


“俳優指導者とは何?”

日本中の演劇学校、大学の演劇実技コース、俳優の育成施設では、日々、何らかの俳優指導が行われてきました。それにもかかわらず、「俳優指導者」という存在はあまり知られていません。その理由は、指導する側に「俳優指導者である」というのとは別の意識があるからかもしれません。例えば、「俳優であるから後輩の俳優の卵にアドバイスしているのだ」とか、「演出家として俳優に演技の指導をしているのだ」というような。
では、「俳優指導者である」という意識はどのようなものなのでしょうか? それを理解するには、「俳優指導者の仕事」が本来何であるかを明らかにする必要があります。

俳優の技術は多岐に渡ります。自分の身体や声を自信を持って的確に使い、観客に正確に物語を伝えることが出来ること。共同作業が出来る一方で、独りでの探求も出来ること。他にも、社会や歴史に対する知識と洞察力、言葉に対する感性、人間に対する共感、創作していく時に必要不可欠な想像力など、挙げていけばきりがありませんが、この複雑で、要求度の高い、密度の濃い「世界」に俳優を導いていくことこそが「俳優指導者の仕事」なのです。そして、そのような「世界」へ俳優を導くために、どのような「方法」をとるかに俳優指導者の個性があります。私の場合は、探求欲を持たせ、失敗することも奨励しながら、自身の道を切り開き、逞しさを蓄えながら前進していけるような方法を日々探究し、試行しています。

演出家であれ、俳優であれ、俳優指導者として仕事をする時間は、他の仕事をしている時とどう違うのでしょうか?何を大切にすればいいのでしょうか?

今回のコースでは、この仕事にはどのような要素が含まれているのかを皆さんと共有し、その上で皆さんがそれぞれどのような方法で導くのかを明らかにする場にしたいと思っています。

俳優指導者アソシエーション代表 池内美奈子


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:42 | TrackBack