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2013年10月07日

【写真レポート】可児市文化創造センター「劇場施設見学」09/05可児市文化創造センター

  『秋の螢』公演製作記者発表とあわせて、劇場施設見学ツアーが実施されました。可児市文化創造センターの愛称“アーラ”とは、イタリア語で“翼”という意味。建物が翼を広げたようなデザインになっているそうです。

 案内してくださった劇場職員の皆さんの言葉や姿勢から、アーラへの愛情を感じ取れました。職場と仕事に自信を持っている人は輝いていますね。可児市まで伺って本当に良かったと思いました。

 【写真↓ アーラ外観】
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 ●可児市文化創造センター・ala Collectionシリーズvol.6
  『秋の螢
  ≪岐阜、東京、徳島、岩手、栃木、新潟≫
  期間:2013年10月10日(木) ~16日(水)
  会場:吉祥寺シアター
  出演:細見大輔、渡辺哲、小林綾子、福本伸一、粟野史浩
  脚本:鄭義信 演出:松本裕子
  チケット発売中:一般4,000円/18才以下2,000円 ★前売り完売
 ⇒CoRich舞台芸術!『秋の螢

 【写真↓ すり鉢状の芝生の庭の中央に池があり、池の真ん中に野外ステージがあります。】
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 劇場制作:今日は平日なので人は少なめですが、いつもなら飲食可能な座席は取り合いになるほどです。ランチタイムには親子連れでにぎわいます。衛館長の方針で、劇場利用の諸注意などを書いた看板などは、貼らないようにしています。誰もが気軽に集まれる広場になるように。催し物とは関係ない待ち合わせにも、よくご利用いただいていまして、アーラは(自主事業だけでなく)建物としても成功していると思います。


 【写真↓ 1019席の主劇場。オケピもあります。舞台も赤いシートも美しく、ほれぼれしました。】
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 劇場案内:寄席が大人気でして、このホールが満席になります。


 【写真↓ 311席の小劇場。印象は東京芸術劇場シアターイーストシアターウエストに近いかも。】
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 劇場案内:舞台に対して斜めに設置された袖側最前列の席が、意外と臨場感があって見やすいんです!個人的には正面席よりもおすすめです。


 【写真↓:製作室。舞台装置を作ったりさまざまな工作が出来る。】
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 劇場案内:当劇場でとても重宝している部屋で、いわゆるたたき場ですね。道具を作る心臓部です。


 【写真↓:木工作業室。プロが唸る設備が整っている。】
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 劇場案内:実は、家を建てられるほどの機材が揃っていまして、毎週通っている市民の方もいらっしゃいます。


 ほかにも音楽練習室、印刷室、デジタルアート工房、キッズルーム、ワークショップルーム、レセプションルームなど、市民の皆さんが使える部屋がたくさんありました。演劇ロフトに隣接している美術ロフト、音楽ロフトでは、ちょうど美術展や書道展が開催中でした。

 【写真↓:100席の映像シアターのラインナップが渋い!いい映画がそろっていると思いました。】
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 劇場案内:可児市には劇場も映画館もパーティー会場もありませんでしたから、全部まとめて1つにしたのがアーラです。


 【写真↓:アーラで上演されてきた舞台のポスター。正統派の日本製ストレート・プレイが多いです。】
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 ala Collectionの創作現場には公募で選ばれた約30人もの“市民サポーター”が参加されていて、『秋の螢』では毎日3人ずつの交代制で、稽古場に付いていらっしゃいます。公演宣伝用の自立型の大きなポップ広告も、市民サポーターの皆さんが劇場の製作室で作られたそうです。『秋の螢』のポップ広告は、小さな電気が点灯してホタルを演出する凝りよう。

 【写真↓:ロビーに設置された『秋の螢』ポップ広告】
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 松本裕子(『秋の螢』演出):市民サポーターの皆さんは献身的に稽古場に通ってくださる。小道具を探してきてくださったりもするので、舞台監督助手がいっぱいいるみたい(笑)。私は稽古場を見学されるのがとても苦手なので、精神的面で大丈夫かなと心配だったんですが、市民サポーターの皆さんは居ることが当たり前の居かたで稽古場に居てくれて、スタッフの一人として支えてくださっていて、本当に嬉しい

 『秋の螢』出演者の皆さんからは、「ケータリングに野菜やお米があったのに驚いた」「ウィークリー・マンションに滞在して自炊をしているので、取れたての野菜を持って来てくださるなんて、至れり尽くせりで申し訳ないぐらいの気持ち」「フルーツなどおいしい差し入れをいただいて、毎日稽古に来るのが楽しみ」「土日にパンを焼いてくださる方がいて感動した」「一人暮らしの息子(=キャスト)の面倒をみるお母さんのような存在」「一生懸命稽古を見て、ノートに感想を書いてくださったりして、相当助けられている」「同じ稽古場にいて、威圧感、異物感がない。一緒に作ってるというグルーブ感がある。東京では体験できないことで新鮮」等とおっしゃっていました。

 プロデューサーの衛紀生さんがこのように↓おっしゃっていました。

 衛紀生ala Collectionのキャスト・スタッフは、可児の街を一緒に堪能するうちに家族になっていくんです。稽古場が家族の場になっていく。『秋の螢』のチームも家族になっていくんじゃないかという予感がします。

 昨年、メルマガ号外を発行したala CollectionシリーズNo.5『高き彼物』でも素晴らしかったのは、俳優のコミュニケーションのあり方でした。俳優同士は当然血のつながった家族ではありません。でも長く生活を共にしてきた“家族”という共同体のメンバーであることが信じられる舞台でした。今後もアーラならではのお芝居に期待したいです。

 ⇒『秋の螢』公演製作記者発表の写真レポートへ。 


≪岐阜、東京、徳島、岩手、栃木、新潟≫
出演:細見大輔、渡辺哲、小林綾子、福本伸一、粟野史浩
作:鄭義信 演出:松本祐子 美術:島次郎 照明:服部基 音響:鶴田浩(公財)可児市文化芸術振興財団 舞台監督:八重樫慎一 プロダクションマネージャー:村松明彦(公財)可児市文化芸術振興財団 宣伝美術:株式会社カラビナ プロモーション:坂﨑裕二(公財)可児市文化芸術振興財団 制作:清水佑香子、澤村潤(公財)可児市文化芸術振興財団 プロデューサー:衛紀生 主催:(公財)可児市文化芸術振興財団
チケット発売日:2013年8月24日(土) 一般4,000円 / 18才以下 2,000円(全席指定・税込)※学生券はカンフェティチケットセンターのみ、10/1より予約受付。(当日精算。公演当日、会場受付で学生証をご提示ください。) 未就学児童は入場をご遠慮ください。
お問合せ:石井光三オフィス TEL:03‐5428-8736
http://www.kpac.or.jp/collection6/index.html
http://www.kpac.or.jp/event/detail_432.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年10月07日 13:25 | TrackBack (0)