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2014年09月16日

Dance New Air ―ダンスの明日2014『赤い靴』09/12-15青山円形劇場

 カンパニーデラシネラの小野寺修二さんによるアンデルセン童話『赤い靴』をモチーフにしたダンス作品です。お昼に『ASOBI』を観てから、ソワレを鑑賞。上演時間は約1時間10分。

 とても面白かったです。真っ赤なハイヒールが女性の夢、あこがれ、羨望、嫉妬などの象徴として扱い、自分で作り出した何か(=赤い靴)に翻弄されていく姿を時にコミカルに、時にメランコリックに表現。ブラックユーモアが効いていました。

 青山円形劇場の舞台を円形のまま使っていました。本当にいい空間です。無くなって欲しくない。

 記者発表(6月23日)で発表されたパフォーマンスの映像↓

 ⇒カンパニーデラシネラ「「白い劇場」シリーズ・オーディション」9/28〆切(メールのみ・9/16より受領開始)
 ⇒CoRich舞台芸術!『赤い靴

 2作連続で鑑賞し、ダンスっていいなぁ…としみじみ感じ入った一日でした。もちろんプロの、レベルの高い2作品だったからだろうと思いますが、舞台上の人たちと対等に出会って、作品という問いを受け取り、一緒に考えることができました。
 友人と感想を話し合えたのも良かったです。ダンスに詳しい方々の厳しめの感想をうかがって、やっぱり私はダンス鑑賞は素人だなぁと思いました。お芝居に関してはかなり辛口になっちゃうのですが、ダンスだと大雑把なんですよね。「見どころがあって考えることができたから満足♪」みたいに。そのスタンスでダンスを楽しみ続けられるなら、それもいいなと思います。

 ここからネタバレします。

 出演者は片桐はいりさん、Sophie Brechさん、藤田桃子さんの3人の女性と、“赤い靴”役の小野寺修二さん。女性の衣装は黒と灰色のワンピース。前にボタンがついた水色のシャツを羽織ると靴工場の職員に。3人で1人の女性とも受け取れました。

 片桐さんが藤田さんに向かって「あなたは注目されています!」と言い、そのまま立ち位置を逆にして、また片桐さんが藤田さんに「私が(注目されてるの)…?」と問い返します。この、注目されたい欲というか、愛されたい熱は誰もが持ってるものですよね。「自分は魅力のない人間だから注目されるわけがない(だけど注目されたい・魅力的になる努力もせず勇気もなく)」という気持ち。可愛らしいな、情けないな、切ないな。

 最後には“赤い靴”役の小野寺さんまでもが、赤い靴に翻弄されていきました。

Dance New Air 2014- ダンスの明日
出演:片桐はいり Sophie Brech 藤田桃子 小野寺修二 
演出:小野寺修二 美術:Nicolas Buffe 演出助手・通訳:保科由里子  演出助手・稽古場代役:傳川光留 テキスト:山口茜  照明:吉本有輝子  照明オペレーター:伊藤泰行 音響:井上直裕 音響オペレーター:池田野歩  衣装アドバイザー:堂本教子 衣裳アシスタント:及川千春 舞台監督:シロサキユウジ 演出部:岩谷ちなつ 制作協力:小野塚央 協力:株式会社スターダストプロモーション
前売 3,800円(当日4,300円) 学生 2,500円 通し券 22,000円[30枚限定] はしご券 6,500円[各日20枚限定]
http://dancenewair.jp/program0101
http://www.aoyama.org/topics/2014/dna.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2014年09月16日 16:43 | TrackBack (0)