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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2014年09月16日

Dance New Air ―ダンスの明日2014『ASOBI』09/13-15スパイラルホール

 9月12日から青山周辺で「Dance New Air ―ダンスの明日2014」が始まっています。私は現代演劇が好きで、中でもストレート・プレイが大好きなのですが、アヴィニョン演劇祭で面白いダンス作品に出会えたこともあり、「このフェスティバルにかこつけてダンスを観てみよう!」という気分に。

 伊藤郁女さんのことは全く知らなかったのですが、友人からのお薦めがあって拝見しました。
 冒頭からいきなり挑発されて、笑っていいんだか悪いんだかわからない微妙なさじ加減を味わいつつ、ダンサー4人のハイレベルなダンスを見つめていたら、最後はエライことに(笑)。とっても面白かったです。上演時間は約1時間だったかと。

 ⇒CINRA「そのスケールで日本からはみ出したダンサー 伊藤郁女インタビュー
 ⇒CoRich舞台芸術!『ASOBI

 舞台には大きな鏡。客席が映っています。ダンサーは男性2人と女性2人。音楽が和風…?
 中盤でほんの少し退屈に感じたりしましたが、伊藤郁女さんの演出作品はまた観たいと思いました。

 ここからネタバレします。

 女性が服を片半身だけ脱いでいきます。ちょうどこの写真のように、鏡側が素っ裸。ハイヒールも片方だけです。「服を脱げば人間はこんな形。あなたもそうでしょう?」と観客に語り掛けるよう。この瞬間だけで、観に来てよかったと思いました。スっと前に出す足が美しい。ダンサーってほんと素敵。

 鏡が舞台面側から奥側へ、またはその逆方向に移動するのはあまり効果的とは思えず。小刻みに動かなくても良かったのではと。鏡との対話、拮抗だったのかな。
 4人が横並びで他者とかかわらずに踊るところが多く、そこがちょっと退屈だったかも。人間はそれぞれに個性的でかけがえがないけれど、実際のところは誰もが似たような人生を生きている…などと想像。同じ振付の群舞は軍隊などを連想。

 中盤以降(たぶん)は、男女間、男同士、女同士、その他のセックスを赤裸々に表現していました。人間は生殖のためだけでなく快楽追及やコミュニケーションの手段としてもセックスを行います。好きでしてるはずなのに義務化して徒労になったり、争いの種になったり。性的な行為だけでなくそれにまつわる人間関係も見えてきて、特に男女の反応の違いが可笑しかったです。男性のダンサーがペニスそのものを演じていたのには笑った…。立(=勃)っている男性に飛び乗るように抱き付く女性ダンサーとか。行為が終わった後に「俺はまだ元気だぜ」アピールをするとか。これ以上詳しくは書けない(笑)。

初演:2013年12月 ゲント(ベルギー)
出演:伊藤郁女 チャバ・ベルガ(Csaba Varga)、ジャン・ギャロワ(Jann Gallois)、ピーター・ユハス(Péter Juhász)
演出・振付:伊藤郁女 振付補佐:Csaba Varga, Jann Gallois, Kaori Ito, Laura Neyskens, Péter Juhász 音楽:Guillaume Perret, Marybel Dessagnes 振付アシスタント:Gabriel Wong 演技指導:Renae Shadler 照明デザイン:Carlo Bourguignon サウンドデザイン:Bartold Uyttersprot セットデザイン:Wim Van de Cappelle 衣裳デザイン:Mina Ly 衣裳アシスタント:Lieve Meeussen 照明・技術監督:Jan Mergaert 音響:Gert Van Hyfte 舞台監督:Luc Laroy 写真:Chris Van der Burght 制作マネジメント:Eline Vanfleteren ツアーマネジメント:Edith Ulens 制作:les ballets C de la B 共同制作:Muziekcentrum De Bijloke (Gent), SPECTRA, TorinoDanza, Théâtre National de Chaillot (Paris), Theater im Pfalzbau (Ludwigshafen), La Rose des Vents (Villeneuve d’Ascq), Les Théâtres de la Ville de Luxembourg 協力:Bureau FormART (Paris), KVS (Brussel), Iris Raspoet, Alain Platel, Nora Horvas, Adrienn Reka, Satoshi Kudo, Impulstanz (Wien), ménagerie de verre (Paris), Tatjana Jankovic, Philippe Gasnier, Bauke Lievens, Fanny Viss, Joan Cambon ブッキング:Frans Brood Productions 助成 les ballets C de la B is supported by The City of Ghent, Province of East-Flanders, The Flemish authorities, The Saison Foundation (Tokyo)
前売 3,800円(当日4,300円) 学生 2,500円 通し券 22,000円[30枚限定] はしご券 6,500円[各日20枚限定]
http://dancenewair.jp/program0102
http://www.aoyama.org/topics/2014/dna.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2014年09月16日 16:34 | TrackBack (0)