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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年09月22日

映画版・劇団☆新感線『髑髏城の七人』09/18-10/03丸の内東映

 演劇公演をデジタル録画して映画館で上映するという前代未聞の企画です。
 今年の春に新国立劇場中劇場で上演された劇団☆新感線の人気作品の再々演。プラチナ・チケットでしたね。前売2500円の入場料を払って録画を見るのはどうなんだろう?と少々いぶかりながら映画館に足を運びました。

 上演前に古田新太さんの前説がありました。「すぐはじまるよ。映画だからね。わくわく感ないけどねー」とかふざけたやつ(笑)。
 そして上映開始。・・・舞台とはもちろん違うのですが、それでも本番に近いのではないかと思える臨場感が味わえました。いつもの新感線のお芝居が目の前で!大好きな役者さんがドアップで!あまりにかっこよくて泣いちゃったよーっっ。

 編集がめちゃくちゃカッコよかったです。特に見得を切るシーンでは、上から下から左右からパッパッパッとすばやいコマ割で、あらゆる角度から役者さんの一番かっこいいところを堪能できます。最新式のカメラを13台使っているそうです(ちなみに『オケピ!』再演のWOWOW生放送の時は16台だったはず。生放送なので編集は良くなかった覚えあり)。
 ワールドビジネスサテライトで先日(9/21)、初日の舞台挨拶の模様などが放送され、特にデジタル技術について取り上げられていました。画質が飛躍的に向上したため、こんな企画が実現したんですね。フィルムじゃなくてソフトをそのままスクリーンに投影しているのには驚きました。新しい時代がやってきたということです。

 家のテレビでDVDを見ることとの違いは、大画面であることはもちろんのこと、あの迫力の音響です。下手客席後方から登場する役者さんの声が、ちゃんと映画館の下手客席後方から聞こえてくるんです。嬉しかったな~。

 上映時間は途中休憩15分をはさんで19:10~22:00の約3時間でした。映画館で途中休憩というのがなんだか不思議な味わいでした。いつもの新感線のお芝居と同じで、パンフレットを物色したり物販のDVDを覗き込んだり(笑)。そうそう、劇場で販売していたパンフレットを買えたのが嬉しかった♪冷静に考えてみたらすごいサービスですよね。

 肝心のお芝居の内容は、期待を裏切らない、非常に面白い作品だと思いました。演出のいのうえひでのりさんが「新感線の代表作」とおっしゃるのにも納得。役者さんも超豪華で、これまたぴったりのキャスティング。来月の『アオドクロ』を観て自分がどう感じるのかがすごく楽しみです。

 水野美紀さん。なんて美しいんだ!こんなに美人だったなんて知らなかったぞ!!テレビのCMやドラマではわからなかった凛々しい涼やかな微笑とあの大きな切れ長の瞳。夢に見そう。
 佐藤仁美さん。迫真の演技!涙がボロボロあふれるお顔を見て私ももらい泣き。
 古田新太さん。あいかわらず素敵なんですが、セリフが早すぎて、その上ちょっとモゴモゴしてらして聞こえづらかったです。はは、舞台で観ている時は古田さんのセリフなんて聞こえようが聞こえまいがあまり気にしていなかったのですが(だってカッコいいから)、これはデジタル録画&録音の成果なのかな?

 さて、ちょっと蛇足。私がなぜ生の舞台を見逃したのか・・・これが涙なしには語れないのですが、なんと必死でぴあに並んでチケットを取ったというのに、スケジュール帳に予定を書き忘れたため、当日は完全にすっぽかしました!!・・・・ぐ。思い出したくない思い出だ・・・今だに半券つきのチケットが残っています(涙)。なので、今回の企画にはホントに感謝しているのです。これからもぜひやってもらいたい!でも、私が生で見たものを録画で再び観るかというと、それは疑問なのですが(笑)

 これは、演劇ファン以外の人に演劇の魅力に触れてもらう絶好の機会なのではないでしょうか?映画ファンの友人に声をかけてみたいと思います。

作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 水野美紀 佐藤仁美 坂井真紀 橋本じゅん 佐藤正宏 山本亨 梶原善 右近健一 河野まさと インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 杉本恵美 中谷さとみ 保坂エマ 川原正嗣 前田悟 横山一敏

 アカドクロ公式HP:http://www.akadokuro.jp/

Posted by shinobu at 2004年09月22日 11:27 | TrackBack (0)