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しのぶの演劇レビュー
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2005年11月15日

パルコ・プロデュース『メアリー・ステュアート』11/03-22パルコ劇場

 白石加代子×麻美れいヴァージョン(1990年初演)が3度も再演されているし、きっと良いのだろうと思って早めにチケットを買っていたのですが、途中休憩の時に帰りました・・・。同じ回を観ていた友達は開演後20分で席を立っていました。
 宮本亜門さんの演出は当たりはずれがあって、その振れ幅が激しいんですよねぇ(苦笑)。『INTO THE WOODS』には大感動したのですが、ミュージカル『キャンディード(初演)』は今作同様、途中休憩で帰りましたし。

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 《あらすじ・解説》 ぴあの特集コラムより引用。
 つねに男性によって人生を変えられたスコットランド女王、メアリー・ステュアート。政治に男女問題が介入するのを嫌い、生涯、独身を通したイングランド女王、エリザベス1世。ふたりは同じ時代に生きながら、正反対の人生を歩んでいた。お互いを強烈に意識しながらも、実際には1度も顔を合わせることがなかったふたりが、夢の中で何度も出会う。そしてまだ見ぬ相手との会話でだけ、男、親、人生、権力、プライドと弱音、相手への嫌悪と親近感など、誰にも打ち明けたことのない本心を語りだす。(以下省略)
 《ここまで》

 前半50分、休憩15分、後半70分のお芝居でした。私は休憩の時に帰りましたから、「2人が夢で何度も出会って本心を語る」前に出ちゃってましたね。

 チラシがすっごくきれいですよね?花柄ドレスといい草の緑といい、超私好みなのですが、実際の衣装や舞台装置は全然違うものでした。すっごくがっかり。裏切られた気分。

 舞台下手には銀色の金属製の壁がそびえており、その上には明らかに血を思わせる赤色の、大きな筆で書かれた模様がうねっています。そちらがメアリー(南果歩)のスペース。大して上手にはどっしりと荘厳な石造りの壁。こちらがエリザベス(原田美枝子)のスペース。舞台中央よりも少し上手側に、上手の壁と同じ石造りの大きくて頑丈そうな柱があって、それが2人の空間を分けています。壁の裏側を通って役柄が変わったりも。

 衣装の全体イメージはちょい昔の言葉で言うところの“近未来風”というか、昔のSF映画に出てくる宇宙人スタイルというか。メイクはお二人とも目の周りを黒のアイラインでぎっちり書いてましたから怖い感じです。
 メアリーは金髪と茶髪のメッシュの散切り頭にピンク色のグランジ系ドレス。ひざ下ぐらいまでの丈で、スカートの下には足首までの黒いスパッツを履いています。靴は薄汚れた金色のハイヒール。エリザベスは灰色のロング丈のドレス。形は正統派ドレスに近いですが、生地はプリーツ加工されたポリエステル素材で、もじゃもじゃの皺がよっています。ヘアスタイルはでパンチパーマが四角く盛り上がったような黒髪かつらでした。

 女優さんお二人は大きな声を張り上げて怒鳴るような話し方ばかり。言葉の意味がまったく届いてこなかったです。目をぎらぎらさせて、嫉妬、憎悪、嘲笑、皮肉などの悪意が表情にも立ち姿にも満ち満ちています。そしてお二人とも声を枯らしてらっしゃいましたから、聞き苦しいことこの上なし。

 そして音楽が・・・ドス黒くて暴力的で、わざわざ恐怖を誘い出そうと意図されたもののように感じました。

 白石加代子×麻美れいヴァージョンとは違う作品に、という意図が働いていたのかな。それを観ていないから判断できないですが。

 ※どこかの演劇雑誌で読んだのですが、野田秀樹さんが「日本の客は、つまらないと思っても途中で帰らないからダメだ。だから演劇が育たない」という意味のことをおっしゃっていました。イギリス留学から帰ってきた時のインタビューだったかな。
 それを読んで以来、私は我慢しないで席を立つようにしています。観客はそういう意思表示をしてもいいと思います。

フリードリッヒ・シラー作「メアリー・ステュアート」の自由な翻案
≪東京、大阪、松本≫
出演=原田美枝子×南果歩 
作=ダーチャ・マライーニ 訳=望月紀子 演出=宮本亜門 美術=レイチェル・ホーク 衣裳=岩谷俊和(DRESSCAMP) 音楽=産毛 照明=中川隆一 音響=高橋巌 ヘアメイク=小島裕司 演出助手=西祐子 舞台監督=徳永泰子 製作=伊東勇 企画製作=株式会社パルコ 主催=TOKYO FM・パルコ
*これまでに白石加代子×麻美れい主演で3度上演されています。
全席指定 ¥7,500
劇場=http://www.parco-play.com/web/page/information/mary/
ぴあ=http://www.pia.co.jp/column/play/mary_stuart.html
イープラス=http://eee.eplus.co.jp/s/mary/

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Posted by shinobu at 2005年11月15日 11:13 | TrackBack (0)