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REVIEW

2005年07月26日

ク・ナウカ『王女メデイア』07/19-08/01東京国立博物館 本館特別5室

 ク・ナウカの代表作の一つで、日本でも海外でも多数上演されています。メルマガでもお薦め作品としてご紹介していました。私は2000年の青山円形劇場公演を拝見して、それがク・ナウカ初見だったため、一気にク・ナウカに心酔してしまいました。
 今回の会場は上野の東京国立博物館の本館特別5室。天井が広くて飾り渕が豪華な白い部屋はムード満点。内容はさすがのクオリティーでしたが、残響がひどくてセリフが聞こえなかったのが残念。

 やっぱり筋を知っているからか眠くなってしまった瞬間もありました。私は特にこの作品のセリフがすごく好きだったので、セリフが聞こえなかったのも原因だと思います。

 メデイアが息子を殺すシーンからはやっぱり興奮しましたね、私。涙も出てきました。今回は女性のドレスが赤かったです(初演は白でした)。

 ≪言及ブログ≫ 詳しくレポートされているのを集めました。
 Somethig So Right
 det Motor
 微動電信
 徒然と(美術と本と映画好き...)
 自主映画監督のBlog
 楽観的に絶望する
 あやふや
 
 ポストパフォーマンストークでは演出の宮城さんと早稲田大学演劇博物館・館長の伊藤洋さん(だと思います。お名前を失念。ごめんなさい)のお二人が登場。
 今作と能との類似点や相違点についてお話されていました。伊藤さんが「今の能は形式ばかり難しくなって面白くない」という意味のことを率直に話されていたのに驚き。能の研究者なのに(笑)。「世阿弥が言っていた能の本来の姿とも離れている」とまでおっしゃっていました。でもお能って私、高校生の時に観て以来なんですよね(爆睡しただけでした)。能っぽいものは観たことありますが、本物はまだ。

≪東京、大津≫
出演=美加理/阿部一徳/吉植荘一郎/中野真希/大高浩一/野原有未/萩原ほたか/本多麻紀/江口麻琴/片岡佐知子/諏訪智美/桜内結う/たきいみき/藤本康宏/牧野隆二/池田真紀子/大道無門優也/黒須幸絵
原作=エウリピデス 台本・演出=宮城聰 照明=大迫浩二 衣裳=高橋佳代 演奏構成=棚川寛子 音響=AZTEC(水村良・千田友美恵) 舞台美術原案=木津潤平 舞台監督=岩崎健一郎 制作=大石多佳子・簡野亜耶子・川口舞
前売り開始:5/14(土)指定席(S):【前売】 5,300円【当日】5,500円/指定席(A):【前売】4,300円、【当日】4,500円/自由席:【前売】3,300円【当日】3,500円 ほか各種割引あり ※東京国立博物館平常展入場券つき
休演日:7/25(月)計13ステージ 上演時間約80分(途中休憩なし)
ク・ナウカ=http://www.kunauka.or.jp/
早稲田大学坪内逍遥博士記念・演劇博物館=http://www.waseda.jp/enpaku/

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Posted by shinobu at 23:37 | TrackBack

TBS/Bunkamura『キレイ~神様と待ち合わせした女~』07/06-30シアターコクーン

 やっと観て参りました、『キレイ』再演。
 19時開演で劇場を出たのが22時50分でしたので、体感上演時間は3時間50分(休憩15分を含む)。なのに全然飽きませんでしたし、最後まで集中して観られました。やっぱり松尾スズキさんは天才だなぁとしみじみ。
 でも、なんだか全体的に元気がないように感じました。役者さん、お疲れなのかしら。

 「清濁併せ持つ」という言葉がありますが、松尾さんはまさにそれですね。ハスの花みたいだと思いました。ハスは底が全然見えない濁った池からひゅるひゅる伸びて、丸くて大きな花を咲かせます。
 早口でセリフわかんないし、声出てないから歌詞も聞こえないし(笑)、役者さんも全体の部分でしかないのに(←これは意図的かも)、ジーンと来ました。真面目に演劇やってるかと思ったら、それを思いっきり茶化しちゃうのもキュート。

 それにしても私はずっと冷静なままでしたね。カンパニー全体が一丸となって観客に迫ってくるような、そういう気概は感じられませんでした。ほとんど笑えなかったし。ただただジーーーっと観察している状態でした。それでも松尾スズキワールドに浸ってすっかり毒されたことには変わりないです。

 パンフレット(1800円)と2005年版戯曲本(1890円)を買ってしまいました。歌詞はパンフレットに載っているのですが、やっぱりセリフを知りたい!と思ったので本まで購入。えらい出費なのに・・・ほらね、松尾毒(笑)。

 ≪あらすじ~パンフレットより引用≫ ※ここからネタバレします。
 三つの国に分かれ、100年もの間、民族紛争が続く“もう一つの日本”。民族解放軍を名乗るグループに誘拐され、監禁されていた少女(鈴木蘭々)が、10年ぶりに地上へ逃げ出す。過去を忘れた少女は自らケガレと名乗り、戦場でたくましう生きるカネコ一家に加わる。カネコ一家はダイズでできているダイズ兵の死体回収業で生計を立てていた。回収されたダイズ兵は、食用として加工される。その頂点に立つダイダイ食品の社長令嬢(秋山菜津子)と奇妙な友情で結ばれていくケガレ。戦場をうろつき、死体を拾って小銭を稼ぐ、そんな健気なケガレを見守るのは、聖人したケガレ=ミサ(高岡早紀)だった。時空を超えて交感するケガレとミサ。しかし、二人は、もう一つの視線におびえ始める。それは一体、何者なのか。過去、現在、未来の時間が交錯する中、ケガレは、忘れたはずの忌まわしい過去と対決してゆくことになる。
 ≪ここまで≫

 私がじーんと来たシーン(セリフ・歌詞)↓  ※すべて2005年版戯曲本より引用しています。

 カスミ&マキシ「ここにいないあなたが死ぬほど好き 私も死ぬほどここにいないから」

 カスミ「私の代わりに撃たれたのよ!私が運ぶわ!私の代わりに打たれたんだから、これは、この親切は私のものなの!私の親切の邪魔をしないで!」
 ケガレ「あのとき私は、損した、っていったけど、本当は嘘。得をしたの。だってカスミはあのとき、泣きながら、私のストレッチャーを押してくれたんだもの。まっさらのいい所だけになって。カスミの表はあのとき全部私のものになって、とにかく・・・私は儲けたわ」

 ミサ「・・・ごめん、ごめん、そういうんで倒れたんじゃないよ。やばいよ。悲しさが足りないよ。こんな悲しさじゃ、カスミのことをきちんと悲しめないよ。・・・もっと感じたいな。感じれない私は、もう嫌い。お金貯めても、一文無しになっても、なんも変わんなかったものな!」

 マジシャン「私と一緒に世俗にどっぷりつかって、つかったことに、はにかもう。はにかみつつも鈍感になろう。鈍感は、上品だ。そうだ、国民年金に入ろう。決まった。将来はバラ色だ!」


 鈴木蘭々さん。ケガレ役。ものすごく顔色が悪そうで元気がないように見えたんですが、いつもそうなんでしょうか?歌も声が出てないし。でも儚い感じは高岡早紀さんとうまくリンクしていて良かったです。
 高岡早紀さん。ミサ役。顔も体も声もきれいだわー。ソロで歌う時も聞き惚れたわー。なよなよっとした動きが可愛かったです。
 ダンサーの女性が皆さんすっごく綺麗で、ダンスもうまくて良かったです。メインの出演者が踊れないのでやはりちゃんと踊れる人たちは目立ちます(笑)。

 幕開け前は松尾さん(サラリーマン)と顔田顔彦さん(ヲタク)で「電車男」をやってました。松尾さん、たのしーなー。

≪東京、大阪≫
★酒井若菜さんが体調不良により降板し、代わって鈴木蘭々さんが出演。
出演=ケガレ:鈴木蘭々/ミサ:高岡早紀/ハリコナA:阿部サダヲ/カネコキネコ:片桐はいり/ダイズ丸:橋本じゅん/マジシャン:宮藤官九郎/ジュッテン:大浦龍宇一/カネコジョージ:松尾スズキ/ダイダイカスミ:秋山菜津子/ハリコナB:岡本健一 
その他キャスト=伊藤ヨタロウ/池津祥子/伊勢志摩/顔田顔彦/宍戸美和公/宮崎吐夢/猫背椿/皆川猿時/村杉蝉之介/荒川良々/井口昇/少路勇介/康本雅子/花井京乃助/江田あつし/蝦名孝一/近藤大介/羽田謙治/前田員範/森内遼/安田栄徳/山崎隆弘/大川麻里江/木村智早/桜井美紀/中尾ちひろ
作・演出=松尾スズキ 音楽=伊藤ヨタロウ 美術=高野華生瑠 照明=大島祐夫 衣裳=戸田京子  音響=山岸和郎 映像=上田大樹 振付=康本雅子 ヘアメイク=大和田一美  演出助手=大堀光威  舞台監督=青木義博 企画・製作=Bunkamura 制作協力=大人計画 主催=TBS/Bunkamura
チケット発売日:5月21日(土) S席9,000円 A席7,000円 コクーンシート4,500円 休演日=7/12(火)、7/19(火)、7/26(火)計30ステージ
公式=http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kirei/index.html
☆追加販売決定!7月4日(月)10:00~
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kirei/index.html#tuika

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Posted by shinobu at 01:07 | TrackBack