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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年01月08日

tpt『アメリカン・バッファロー』12/22-01/08ベニサン・ピット

 昨年末からの公演にやっと行けました。tptは見逃さないようにしています。
 男3人のささくれだったアメリカ芝居。うーん・・・眠かったです。残念。でも礒沼陽子さんの美術はやはり素晴らしかった。
 Club Silencioに詳しくて鋭いレビューがアップされています。観劇日和のろーらいさんは6回(!)もご覧になったそうです。

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 ≪あらすじ≫ チラシより引用。(役者名)を追加。
 ジャンクショップ。バファロー柄の古い5セント硬貨が売れた。店主ドン(山本亨)は少年ボブ(藤沢大悟)と硬貨の奪還を企てるが、友人ティーチ(手塚とおる)はボブを計画から外して自分を入れろと主張する。「友情も邪魔になるんだ、ドン。いま肝心なのは何だ?ビジネスだ!」
 ≪ここまで≫

 座席について舞台を見上げた途端、ワァッ!っと声を上げてしまいました。舞台の三方をぐるりと囲み、天井高くまで組み立てられた鉄パイプの格子全体に、道路標識、イス、皿などのアメリカンな古道具がくくりつけられています。小汚い店内にはアンティークとは呼べそうにないような古道具がわんさか置かれており、床にはゴミが散らばっています。舞台全体がジャンクに囲まれている状態です。床板に適度な汚しが入っていて、中央付近の1枚だけ赤茶色の板になっているのに惹かれました。

 町のゴロツキにしか見えない3人の男たちの、ひわいな言葉が連発される早口の会話。あぁ、デヴィッド・マメットだ、アメリカだ~・・・と思いました(マメット作品のレビュー→)。

 ここからネタバレします。
 
 ドンドコ勝手にしゃべりまくるティーチ(手塚とおる)は、感情をコロコロと揺れ動かせて、一人で熱くなったり落ち込んだりを繰り返します。愚かしくて情けない、だけど愛らしい人間像が、一人の役者の独白で表されていくのをじっくり味わいました。

 ボブ(藤沢大悟)がバッファロー柄の5セント玉を、盗むのではなくコイン屋で買って来てしまっていた、というのは拍子抜けで、そして微笑ましい顛末でした。でも、胸に凍みるような冷たさのどん底に至ってから、そのちっちゃな、ちっちゃな喜びを感じたかったですね。深みにまで落ち込めなかったな~。
 
 山本亨さん。店主ドン役。語尾にいつも「ボブ」とつけるのですが、どうもそれが自然に感じられませんでした。役に入りきれてないような印象。いつもの山本亨さんだな、と確かめるような感覚になっちゃうことが多かったです。
 藤沢大悟さん。元ジャンキーの少年ボブ役。可愛いかった~。トレープレフ役の時よりもずっと自然で良かったですが、もっと「頭が弱い」という様子を際立たせても良かったのではないでしょうか。プレーンすぎた気がします。
 手塚とおるさん。乱暴なティーチ役。すごいセリフ量ですよね。笑わせてもくださって、さすがだなと思いました。でも、何か、もの足りなかった・・・tptなのでね、やっぱり全体的に期待しちゃうのですよ。

 客席で岡本健一さん、植野葉子さん、チョウソンハさんを発見。tptはファミリーだなって思います。伺う度に、作り手と観客の距離がとても近いように感じるのです。

tpt53rd フェアプレイはクソくらえ。オレは万歳、オマエは死ね!
出演=手塚とおる/藤沢大悟/山本亨
作=デヴィッド・マメット 訳=広田敦郎 演出=門井均 美術=礒沼陽子 照明=塚本悟 音響=藤田赤目 舞台監督=波紫衛
11月27日(日)前売り開始 一般¥6300 学生¥3150/U30¥4200 ※U30とは、アメリカンバッファローの初演1975年以降生まれの方が対象。※学生券、U30割引はtptのみの取扱い
tpt=http://www.tpt.co.jp/

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Posted by shinobu at 2006年01月08日 00:38 | TrackBack (0)