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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年01月22日

地点『Jericho(エリコ)』01/19-22シアタートラム

 三浦基さんが演出する地点は去年、活動の拠点を東京から京都に移されました。それから初めての東京公演は松田正隆さんの戯曲の2作品連続上演です。『Jericho』は内田淳子さんとピエール・カルニオさんの二人芝居。
 地点は2度()拝見してその凄さに感服し、三浦さんの作品にはできるかぎり足を運びたいと思っています。

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 こちらの舞台写真がお芝居が始まったばかりの風景です。この時点でもう緊張感がビリビリ来ていました。白いワンピースに白い帽子の女(内田淳子)は、顔が見えないからさらに目を引きます。上手後方に立っている男(ピエール・カルニオ)も、包帯で顔が見えません。ちょっと怖いです。

 古びた木の机の上に座ったまま、女は早口ではきはきと話し始めます。きりりとした語り口と、ときどき素っ頓狂な発音になる単語たちに引き込まれて、じーっと彼女を見つめていました。後方にいた男が前方に出て来て彼も話し始めるのですが、ちょっとなまった日本語です。包帯を取ると金髪。あぁ、白人なんだな、西洋人なんだな、と思ってそのまま聞いていましたが、違和感が沸いてきました。
 タイトルのJericho(エリコ)というのは地名で、女はポーランドから妹が待つエリコに行く旅の途中なのです。砂漠の道の昼下がりに、日本人の女と白人の男が、日本語を話している・・・。役者さんが2人とも日本人だったら別にひっかからなかったと思います。男性がフランス人なのには、何か意味があるのかしら。

 男はどうやら彼女の死んだ夫であるとわかり、女は男の隠し子を引き取ったが、途中ではぐれてしまって・・・という辺りまでは記憶があるのですが、そこからはうとうととしてしまい・・・。意味がわからない、意図がわからない、という状態が長く続きすぎました。私の教養不足のせいかも。あと、許容範囲が狭いのかも。フランス人の日本語への違和感がぬぐえず仕舞いでした。
 舞台奥のスクリーンに文字が映写されましたが、意味を汲み取りにくい言葉が続いたので、あまり心には入って来ずでした。※読者の方より情報をいただきました。映写されていた文字は、新約聖書の言葉だそうです。

 終演後にロビーで戯曲本(600円)を買って帰りました。読んでやっとわかったのですが、これはワルシャワに住んでいて、ゲットーに強制連行されたユダヤ人の話なのですね。読んでから観れば良かったとちょっぴり後悔しました・・・。だって、読んだらすごく面白かったんだもの。

 来週の2作目を楽しみに待つとします。

≪京都、東京≫
「Jericho」出演=内田淳子/Pierre CARNIAUX(ピエール・カルニオ)
2003年7月に京都芸術センター、2005年4-5月のフランス2都市を経て、東京初演。
作=松田正隆 演出=三浦基 舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=吉本有輝子 音響=堂岡俊弘 映像=山田晋平 舞台監督=西田聖 演出助手=村川拓也 宣伝美術=京 制作=田嶋結菜×橋本制作事務所 主催=地点 提携=世田谷パブリックシアター 助成=THE SAISON FOUNDATION 芸術文化振興基金  協賛=資生堂 京都芸術センター制作支援事業
発売=11月15日 一般前売3,000円/一般当日3,500円、学生前売2,000円/学生当日2,500円(要学生証)、2演目セット券5,500円(前売のみ地点にて取扱い)
公式=http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/05-2-4-48.html
地点=http://www.chiten.org/

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Posted by shinobu at 2006年01月22日 17:32 | TrackBack (0)